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第1話:苦手な優等生(9)
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「わーっ!違う、違う!
全くを持って変な意味ではない!」
あわてて自分の発言を訂正しようとするが、
しかし、西森はまだ疑いの目でおれを見ている。
「じゃあ、どういう意味なんですか?」
「部屋に連れ込むわけではなくて、
おれが連れて行きたいのはマンションの屋上なんだ!」
「屋上?」
西森は軽く首をかしげた。
「そう!屋上!」
『屋上』という言葉に、西森は少し興味を持ったようで、
「あまり長居はできませんけど、少しなら・・・」
と承諾してくれたので、
二人で並んでマンションに向かって歩き始めた。
おれの住んでいるマンションは5階建てで
築20年の古い建物である。
しかし、部屋は広いし、家賃も安いので
男の1人暮らしには十分な場所だ。
そこへなんとか西森を連れてきたわけだが・・・
「西森、先に屋上に行って待っててもらえるか?
おれは部屋にモノを取りに行ってくるから」
そう言うと、おれは一気に階段を駆け上がって
4階にある自分の部屋に向かった。
急いで鍵を開けて部屋の中に入り、
天体望遠鏡の入っているケースを手に取り、
再び外に飛び出す。
そして再び猛ダッシュで、階段を駆け上がった。
普段「ダッシュ」なんてほとんどしないから、
「ゼーゼー」と息切れしまくりで、
なんだかカッコ悪い。
そんな感じで息切れしながら屋上に着くと、
西森が言われた通り待ってくれていた。
よかった。
あのまま帰ったのではないかと内心不安だったから。
西森はおれが持ってきた
大きなケースを見て首をかしげる。
「先生、それ何ですか?」
「何って、天体望遠鏡。
即席だけど、今から天体観測会を開こうと思って」
「天体観測?」
「そう。西森は望遠鏡で星を見たことあるか?」
「いえ・・・ないですけど・・・」
「よかったー。
『毎日観てます』とか言われたら 、どうしようかと思っていたから」
作戦が企画倒れにならなくて、よかった、
とホッとした。
そう、この『天体観測』こそがおれの考えていた
『西森を励まそう作戦』なのだ。
「よし、じゃあ一緒に見よう。
望遠鏡で星を見るのも、また違った趣があっていいんだぞ。
ちょうど今、木星がよく見えている時期なんだ」
そう言って天体望遠鏡を組み立て始めると、
西森がおれの隣に来てちょこんと座った。
2人の距離は、ほんの10センチぐらいだ。
そして西森が言った。
「先生、星が好きなんですね」
そう言った西森の表情は
いつもの「無表情&怒った顔」とは違って穏やかで、
そのギャップに思わずドキッとしてしまった。
全くを持って変な意味ではない!」
あわてて自分の発言を訂正しようとするが、
しかし、西森はまだ疑いの目でおれを見ている。
「じゃあ、どういう意味なんですか?」
「部屋に連れ込むわけではなくて、
おれが連れて行きたいのはマンションの屋上なんだ!」
「屋上?」
西森は軽く首をかしげた。
「そう!屋上!」
『屋上』という言葉に、西森は少し興味を持ったようで、
「あまり長居はできませんけど、少しなら・・・」
と承諾してくれたので、
二人で並んでマンションに向かって歩き始めた。
おれの住んでいるマンションは5階建てで
築20年の古い建物である。
しかし、部屋は広いし、家賃も安いので
男の1人暮らしには十分な場所だ。
そこへなんとか西森を連れてきたわけだが・・・
「西森、先に屋上に行って待っててもらえるか?
おれは部屋にモノを取りに行ってくるから」
そう言うと、おれは一気に階段を駆け上がって
4階にある自分の部屋に向かった。
急いで鍵を開けて部屋の中に入り、
天体望遠鏡の入っているケースを手に取り、
再び外に飛び出す。
そして再び猛ダッシュで、階段を駆け上がった。
普段「ダッシュ」なんてほとんどしないから、
「ゼーゼー」と息切れしまくりで、
なんだかカッコ悪い。
そんな感じで息切れしながら屋上に着くと、
西森が言われた通り待ってくれていた。
よかった。
あのまま帰ったのではないかと内心不安だったから。
西森はおれが持ってきた
大きなケースを見て首をかしげる。
「先生、それ何ですか?」
「何って、天体望遠鏡。
即席だけど、今から天体観測会を開こうと思って」
「天体観測?」
「そう。西森は望遠鏡で星を見たことあるか?」
「いえ・・・ないですけど・・・」
「よかったー。
『毎日観てます』とか言われたら 、どうしようかと思っていたから」
作戦が企画倒れにならなくて、よかった、
とホッとした。
そう、この『天体観測』こそがおれの考えていた
『西森を励まそう作戦』なのだ。
「よし、じゃあ一緒に見よう。
望遠鏡で星を見るのも、また違った趣があっていいんだぞ。
ちょうど今、木星がよく見えている時期なんだ」
そう言って天体望遠鏡を組み立て始めると、
西森がおれの隣に来てちょこんと座った。
2人の距離は、ほんの10センチぐらいだ。
そして西森が言った。
「先生、星が好きなんですね」
そう言った西森の表情は
いつもの「無表情&怒った顔」とは違って穏やかで、
そのギャップに思わずドキッとしてしまった。
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