928 / 942
3年生2学期
10月18日(水)晴れ 大倉伴憲との日常その45
しおりを挟む
お弁当でいつもお世話になっている冷凍食品の日。
文化祭の余韻もそろそろ終わりを告げて、今度は来週から始まる中間テストに意識が向け始める。
大学に提出される成績は1学期までという話もあるので、今回頑張ったとしても以前のテストほどは意味がないのかもしれない。
しかし、ここで手を抜くのも違うとは思うので、僕としてはしっかり挑むつもりだ。
科目によっては必要な範囲を終えて、復習問題を出題する場合もあるので、練習問題としては最適だろう。
「じゃ、じゃあ、今回も産賀くんと一緒に勉強する時間を作ってもらおうかな……」
それを話題に出すと、大倉くんもテスト勉強に対して乗り気になってくれた。
「もちろんいいよ。というか、最近は一人で勉強してばかりだから、たまには誰かと一緒に違う空気で勉強したいし」
「き、岸本さんとは勉強しないの?」
「まぁ、しないことはないけど」
「……それよりもイチャついちゃうとか?」
「そ、そんなことはない……と思う」
実際は塾以外だとあまり2人で勉強することはなく、どちらかといえばお互いの気分転換のために出かける方が多かった。
ただ、どちらかの家に行って勉強できるかと言われると……微妙に集中できない気がする。
「そ、そういえば大倉くんは花園さんと最近どうなの?」
「ど、どうと言われても……」
話を逸らすために大倉くんにとってのジョーカーを切ってしまった。
直近では文化祭の展示に来てくれた際に挨拶を交わしていたような気がするけど、それ以上の絡みは見ていない。
「ふ、普通に挨拶するくらい」
「じゃあ、匂いの件は誤解が解けたんだ」
「いや……単に有耶無耶になっただけだと思う」
「そ、そうか。文化祭前は普通に作業してから、特に話は聞いてないしなぁ」
「そ、そもそもボクと花園さんはそれほど接点があるわけじゃないから。これが普通だよ」
「そうなんですか?」
「うわぁ!?」
またしても突然現れた花園さんに大倉くんと僕は驚く。
今日は傍に路ちゃんもいたので、たぶん偶然のタイミングだったのだろう。
「大倉さん、最近は結構華凛のことを話題に出している印象がありますが」
「ぼ、ボクじゃないよ!? 産賀くんとか、松永くんが……」
「ほう。リョウスケ、これはいったいどういうことでしょうか?」
「それはその……共通の知人の話題と言いますか……」
その後、暫くの間は花園さんの話題を出した言い訳をすることになった。
自分の話題を避けるために他人を盾にするのは良くないとわかった。
文化祭の余韻もそろそろ終わりを告げて、今度は来週から始まる中間テストに意識が向け始める。
大学に提出される成績は1学期までという話もあるので、今回頑張ったとしても以前のテストほどは意味がないのかもしれない。
しかし、ここで手を抜くのも違うとは思うので、僕としてはしっかり挑むつもりだ。
科目によっては必要な範囲を終えて、復習問題を出題する場合もあるので、練習問題としては最適だろう。
「じゃ、じゃあ、今回も産賀くんと一緒に勉強する時間を作ってもらおうかな……」
それを話題に出すと、大倉くんもテスト勉強に対して乗り気になってくれた。
「もちろんいいよ。というか、最近は一人で勉強してばかりだから、たまには誰かと一緒に違う空気で勉強したいし」
「き、岸本さんとは勉強しないの?」
「まぁ、しないことはないけど」
「……それよりもイチャついちゃうとか?」
「そ、そんなことはない……と思う」
実際は塾以外だとあまり2人で勉強することはなく、どちらかといえばお互いの気分転換のために出かける方が多かった。
ただ、どちらかの家に行って勉強できるかと言われると……微妙に集中できない気がする。
「そ、そういえば大倉くんは花園さんと最近どうなの?」
「ど、どうと言われても……」
話を逸らすために大倉くんにとってのジョーカーを切ってしまった。
直近では文化祭の展示に来てくれた際に挨拶を交わしていたような気がするけど、それ以上の絡みは見ていない。
「ふ、普通に挨拶するくらい」
「じゃあ、匂いの件は誤解が解けたんだ」
「いや……単に有耶無耶になっただけだと思う」
「そ、そうか。文化祭前は普通に作業してから、特に話は聞いてないしなぁ」
「そ、そもそもボクと花園さんはそれほど接点があるわけじゃないから。これが普通だよ」
「そうなんですか?」
「うわぁ!?」
またしても突然現れた花園さんに大倉くんと僕は驚く。
今日は傍に路ちゃんもいたので、たぶん偶然のタイミングだったのだろう。
「大倉さん、最近は結構華凛のことを話題に出している印象がありますが」
「ぼ、ボクじゃないよ!? 産賀くんとか、松永くんが……」
「ほう。リョウスケ、これはいったいどういうことでしょうか?」
「それはその……共通の知人の話題と言いますか……」
その後、暫くの間は花園さんの話題を出した言い訳をすることになった。
自分の話題を避けるために他人を盾にするのは良くないとわかった。
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる