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3年生2学期
9月29日(金)後輩との日常・三浦将基の場合その9
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文化祭の作品提出日となるクリーニングの日。
例年通りこの日だけは部室に複数のノートパソコンが並べられて、その場で提出することもできる。
ただ、今年の準備は2年生に任せて、1年生の質問も基本的には2年生が中心に答えていた。
だから、3年生の僕と路ちゃんは提出を終えるとやや手持ち無沙汰になるけど、一応全員の提出を見届けようとすぐに帰らずに残っていた。
事前に提出を終えていたのは姫宮さんと石渡さんで、残りの面々は部室までデータを持って来てから最終確認をしていた。
その中で少し確認に時間がかかっていたのは、今回が初となる結香さんと三浦くんだ。
三浦くんの質問は桐山くんが答えていたけど、僕も一応様子を窺ってみる。
「……本当にこれでいいんだろうか」
「そういう時はもう思い切って提出しちゃえばいいと思うよ」
「桐山さんみたいな性格ならそれでいいかもしれないですけど、ボクはそうじゃないので……」
「今ちょっと馬鹿にされた……?」
「あっ、産賀さん……文章は読まないでください」
「大丈夫、見えてないから。でも、完成にあと一押し必要な感じ?」
「はい。産賀さんもこういう場合はもう諦めて提出しますか?」
「それは……」
どちらかと言えば何回も確認してしまうタイプだけど、そのまま言ってしまうと、三浦くんはさらに悩んでしまいそうだった。
なので、僕なりの妥協点の考え方を話し始める。
「一回通しで読んでみてから判断するかな。仮に何か物足りなさがあるなら追加も考えるけど……後から足すとかえって違和感があるし、変えても単語とか表現とか短い部分だけだと思う」
「なるほどです」
「へー……俺もなんか不安になってきた」
「いや、桐山くんは自信もって提出したんでしょ?」
「だって、2人ともそんな見直すタイプって言われたら……」
「……そう言われると僕も不安になってきた」
「えぇ……」
その後、僕と桐山くんが自信を失ったのを見て反比例するかのように三浦くんは提出を完了させた。
たぶん、ミスがあっても僕や桐山くんがこんな感じならと安心したのだろう……いや、良くない安心のさせ方だけど。
例年通りこの日だけは部室に複数のノートパソコンが並べられて、その場で提出することもできる。
ただ、今年の準備は2年生に任せて、1年生の質問も基本的には2年生が中心に答えていた。
だから、3年生の僕と路ちゃんは提出を終えるとやや手持ち無沙汰になるけど、一応全員の提出を見届けようとすぐに帰らずに残っていた。
事前に提出を終えていたのは姫宮さんと石渡さんで、残りの面々は部室までデータを持って来てから最終確認をしていた。
その中で少し確認に時間がかかっていたのは、今回が初となる結香さんと三浦くんだ。
三浦くんの質問は桐山くんが答えていたけど、僕も一応様子を窺ってみる。
「……本当にこれでいいんだろうか」
「そういう時はもう思い切って提出しちゃえばいいと思うよ」
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「今ちょっと馬鹿にされた……?」
「あっ、産賀さん……文章は読まないでください」
「大丈夫、見えてないから。でも、完成にあと一押し必要な感じ?」
「はい。産賀さんもこういう場合はもう諦めて提出しますか?」
「それは……」
どちらかと言えば何回も確認してしまうタイプだけど、そのまま言ってしまうと、三浦くんはさらに悩んでしまいそうだった。
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「一回通しで読んでみてから判断するかな。仮に何か物足りなさがあるなら追加も考えるけど……後から足すとかえって違和感があるし、変えても単語とか表現とか短い部分だけだと思う」
「なるほどです」
「へー……俺もなんか不安になってきた」
「いや、桐山くんは自信もって提出したんでしょ?」
「だって、2人ともそんな見直すタイプって言われたら……」
「……そう言われると僕も不安になってきた」
「えぇ……」
その後、僕と桐山くんが自信を失ったのを見て反比例するかのように三浦くんは提出を完了させた。
たぶん、ミスがあっても僕や桐山くんがこんな感じならと安心したのだろう……いや、良くない安心のさせ方だけど。
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もくじ
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伍章 ジンギ!
六章 あなた好みに切ってください
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