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3年生2学期

9月4日(月)晴れ 野島実香との日常・再その8

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 真に学校生活が始まるくしの日(髪をとく方)もしくは串の日。
 とはいっても、2学期の前半には高校で学ぶべき範囲は終わり、各々受験や就職に向けた準備の時間にあてられるらしい。
 文化祭を終えた辺りには完全に受験モードに移ることになりそうだ。

 そんな今日は久々の授業に身体を慣らしながら平穏に時間を過ごしていた後、放課後に席替えが行われる。
 授業が少なくなる時期にもう一度席替えするかわからないから、もしかしたらこれが最後の席替えになるかもしれない。
 そう考えながら引いた席替えのくじの結果は……

「良さん、よろしくね!」

 ……左隣が実香さんだった。
 いや、決して残念とは思っていないけど、毎日絡む可能性があるのは体力がいるかもしれない。

「……あっ。うぶクン」

 一方、反対側の右隣の席は大山さんだった。

「また隣の席だね」

「う、うん……そうだね」

「亜里沙だー やっほ~」

「のじぃはそこかぁ。まぁ、うぶクンが壁になってくれるから何とかなるか」

「大丈夫。私は良さんぐらいの壁なら破壊していけるから」

 物騒なことを言われたけど、確かに実香さんのテンションなら僕程度は軽く飛び越えていきそうだ。
 ただ、それよりも僕は少しばかりテンションが低めの大山さんが気になってしまう。
 直近の塾の集まりでは元気そうに見えたけど、まだ藤宮くんとの一件を気にしているのか、それとも別の悩みか……

「良さん、どうしたの? 亜里沙のことボーっと見つめて」

「い、いや……」

「浮気は良くないぞー って、良さんはそういうタイプじゃないか」

「逆にどういうタイプに見られてるか気になる」

「うーん……わりと誠実? でも、刺さる人には刺さる的な」

「悪い評価じゃなさそうで良かったよ」

 色々気になることはあるけれど、少なくともこの席で退屈することはなさそうだ。
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