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3年生2学期
8月31日(木)曇りのち雨 忘却の児島さんその8
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2学期始業式の野菜の日。
あいにくの雨で始まった2学期だけど、本日は式と少し話を聞くだけで終わるから気分的には非常に楽だった。
そして、午前中に学校が終わると、クラスでは久々に再会で話すために残る人がたくさんいた。
僕もいつメン以外の男子や実香さんとは久しぶりに会ったので、少しだけ残って話しをする。
「いやぁ、産賀くんも元気そうで何よりだよ」
「……あれ? 実香さん、僕のこと良さん呼びにしたんじゃなかったっけ?」
「そうだっけ? 暫く会わないと忘れちゃうもんだなー」
会わなかったのは一ヶ月ちょっとなので忘れるものだろうかと思うけど……口馴染がない呼び方だとそうなっても仕方ないのかもしれない。
自分で言っておきながら良さん呼びは未だにくすぐったさがある。
「りょ、良助くん……!」
そんなことを考えながら実香さんと話していると、路ちゃんが慌てた様子でやって来る。
「ど、どうしたの?」
「路子ちゃんもお久~ 夏休み中も結香がお世話になりました」
「い、いえ、わたしは何も……じゃなくて! 実香ちゃんも……児島さんのこと知ってた!?」
そう言いながら路ちゃんは手で指した方向を見ると、茶髪の女の子がスマホを見ながら席に座っていた。
つまり、その子が児島さんということで……
「ええっ!? 児島さんって、あんな明るい髪色じゃなかったはず……」
「そ、そうだよね!?」
「ふっ。2人とも野暮なことを言っちゃいけないよ。夏休み明けにイメチェンするのはよくある話じゃない」
「そ、そうなのだけれど……」
「いや、待って。今リアクション間違えたから訂正させて……あれ、児島さんだったの!?」
実香さんの遅れた反応からして児島さんの変化は当たり前のことではないようだった。
「てっきりわたしの気付かないうちに転校性が紛れ込んでたのかと」
「そんなわけないでしょ。路ちゃんは児島さんと話したの?」
「ううん。わたしも実香ちゃんと同じで……最初は気付かなったの」
「そうだったんだ……」
「あっ、良さん! 私の時と明らかに反応が違うんだけど!? 彼女贔屓!?」
「ち、違うよ。それよりも……あっ」
僕達が話している間に児島さんはいつの間にか姿を消していた。
いや、帰る時間なので呼び止めない限りは帰るのは自由なんだけど、できればその変化の理由を聞きたかった。
「路子ちゃん、良さん……」
「な、なに?」
「なにか思い当たることでもあったの?」
「……私、児島さんのことなんて呼んでたっけ? 児島ちゃん? こじぃ?」
それはネタで言っているのか判断しづらかったけど、どうやら本当に忘れてしまったようだった。
夏休み中に会う機会は全くなかったから気にすることはなかったけど、ここにきて再び児島さんの謎が増えるとは思わなかった。
あいにくの雨で始まった2学期だけど、本日は式と少し話を聞くだけで終わるから気分的には非常に楽だった。
そして、午前中に学校が終わると、クラスでは久々に再会で話すために残る人がたくさんいた。
僕もいつメン以外の男子や実香さんとは久しぶりに会ったので、少しだけ残って話しをする。
「いやぁ、産賀くんも元気そうで何よりだよ」
「……あれ? 実香さん、僕のこと良さん呼びにしたんじゃなかったっけ?」
「そうだっけ? 暫く会わないと忘れちゃうもんだなー」
会わなかったのは一ヶ月ちょっとなので忘れるものだろうかと思うけど……口馴染がない呼び方だとそうなっても仕方ないのかもしれない。
自分で言っておきながら良さん呼びは未だにくすぐったさがある。
「りょ、良助くん……!」
そんなことを考えながら実香さんと話していると、路ちゃんが慌てた様子でやって来る。
「ど、どうしたの?」
「路子ちゃんもお久~ 夏休み中も結香がお世話になりました」
「い、いえ、わたしは何も……じゃなくて! 実香ちゃんも……児島さんのこと知ってた!?」
そう言いながら路ちゃんは手で指した方向を見ると、茶髪の女の子がスマホを見ながら席に座っていた。
つまり、その子が児島さんということで……
「ええっ!? 児島さんって、あんな明るい髪色じゃなかったはず……」
「そ、そうだよね!?」
「ふっ。2人とも野暮なことを言っちゃいけないよ。夏休み明けにイメチェンするのはよくある話じゃない」
「そ、そうなのだけれど……」
「いや、待って。今リアクション間違えたから訂正させて……あれ、児島さんだったの!?」
実香さんの遅れた反応からして児島さんの変化は当たり前のことではないようだった。
「てっきりわたしの気付かないうちに転校性が紛れ込んでたのかと」
「そんなわけないでしょ。路ちゃんは児島さんと話したの?」
「ううん。わたしも実香ちゃんと同じで……最初は気付かなったの」
「そうだったんだ……」
「あっ、良さん! 私の時と明らかに反応が違うんだけど!? 彼女贔屓!?」
「ち、違うよ。それよりも……あっ」
僕達が話している間に児島さんはいつの間にか姿を消していた。
いや、帰る時間なので呼び止めない限りは帰るのは自由なんだけど、できればその変化の理由を聞きたかった。
「路子ちゃん、良さん……」
「な、なに?」
「なにか思い当たることでもあったの?」
「……私、児島さんのことなんて呼んでたっけ? 児島ちゃん? こじぃ?」
それはネタで言っているのか判断しづらかったけど、どうやら本当に忘れてしまったようだった。
夏休み中に会う機会は全くなかったから気にすることはなかったけど、ここにきて再び児島さんの謎が増えるとは思わなかった。
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