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3年生夏休み

8月15日(火)雨時々曇り 大倉伴憲との日常その42

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 夏休み25日目の刺身の日。
 台風がゆっくり進んでいるせいで、せっかくお盆休みも予定変更を強いられた人も多いらしい。

 そんな今日は恒例の大倉とゲームしながらの通話タイムになった。
 ただ、この前の通話からお互いにそれほど大きな出来事がなかったという話になる。

『今年は仕方ないとはいえ、また夏らしいことをせずに夏が終わってしまう……』

「でも、お祭りや祖父母の家に帰ってれば十分夏らしいと思うよ」

『ボクはお祭り行ってない……』

「あっ」

『そっか……さっき詳しく話してなかったけど、行ったんだね、岸本さんと……』

「ご、ごめん」

『い、いや、冗談だよ? むしろ行ってないボクが例外みたいな感じだし……』

 そんなことはないと否定しようと思ったけど、大倉くんはこの状態になると放っておいた方が回復するのが早いので何も言わないことにする。
 実際は僕も夏祭りなんて全然行ってなかった……という話は前にも書いたような気がする。

『でも、本当にこのままだと夏が終わってしまうから……何か一つくらいはやりたい』

「ほう。いったい何をやるの?」

『夏らしく……夏がテーマのゲームをやる』

「夏休み系のゲーム? この時期になると実況動画がいっぱい上がってるよね」

『それもあるよね。実際の夏はあんなに外で活発に遊んでないんだけど……』

「僕も虫取りはあんまり興味なかったなぁ……って、それもあるってことは他に何かあるの?」

『それは……ひと夏の思い出を作る恋愛ゲーム』

「おお。夏がテーマのやつはあんまり知らないなぁ。何となく秋から冬のイメージがある」

『まぁ、文化祭とかクリスマスとかイベントとしてあるからね。でも、夏には水着イベントがある!』

「つまりそれが目的と?」

『そ、そうじゃないけど……正直に言うと、夏が終わるなぁって思う時期に毎年やってるゲームがあるんだ。だから、毎年恒例なだけ』

「へー でも、ある時期に無性にやりたくなるゲームがあるのはわかるよ。今話してたらちょっとやりたいゲーム出てきた」

『じゃあ、塾が再開するうちにやっておかなきゃ。くぅ~ テレビ画面が写せたらやってるところ見せられるんだけどなぁ』

 その後は2人してやりたいゲームのパッケージを取り出しつつ、各々違うゲームをやりながらも話すという変な状況になった。
 まぁ、家に遊びに来ても違うことをしているのはよくあるから、それの通話版をしたのかもしれない。
 何でもない日だったけど、僕としては充実した日だった。
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