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3年生夏休み

7月23日(日)曇り 明莉との夏休みⅢ

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 夏休み2日目のカシスの日。
 日曜は塾の集中講義も休みになるので、夏休み中も普段の学校生活と同じように夏休みが休息の日になる。
 学校側の宿題も例年よりは量が減っているから、日曜を宿題の日にして後は塾と自主勉強の日にするのも良いかもしれない。
 
 そんな予定を頭の中で考える中、真の夏休みを満喫する者の姿が目の前にあった。

「あっつ……なんもしたくない」

 ……いや、あまりにも駄目な方向で満喫していた。
 本日の明莉は10時半の起床で、その時点でもだいぶ気温が上がっていたから、気持ちはわからなくはない。

「夏休み前にはあんなに張り切っていたのに」

「いやさ、今年なんか去年より暑くない? それともあかりが年取って体力衰えてるだけ?」

「後者は絶対違うと思うけど、前者はどうだろう。梅雨明けは遅かったみたいだけど」

「こういう時ってだいたい10年に1度とか、観測史上最高とか言われてるから、毎年更新されてるんじゃない? 望ましくない方に」

「まぁ、よく聞くセリフではあるな」

「あのワインみたいなやつと同じ理屈だよ」

「ボジョレーヌーボーね」

 実際、エアコンの解禁がちょっとだけ早かったような気もするけど……今年の僕は塾にいる時間が増えるので、空調の効いた部屋にいられる時間も増える。
 ただ、昨日は少し人口密度が高かったので、ちょっと熱気を感じたような気もした。
 それがみんなのやる気か、外気温のせいかはわからないけど。

「あー……なんかアイス食べたくなってきた。りょうちゃん……」

「うん?」

「……は何味が食べたい?」

「えっ!? 買ってきてくれるの!? 僕が行く方じゃなく!?」

「そ、そんなに驚かなくても。りょうちゃんは受験生だし、今年はあかりの方がりょうちゃんをサポートしてあげなくちゃ」

「あ、明莉……!」

「でも、待てよ。あかりとこんな無駄話をしてるということは、今のりょうちゃんは暇なのでは?」

「む、無駄じゃない。妹とのとても有意義な会話に貴重な時間を割いてるんだ」

「そういえば日曜は塾のやつないってお母さん言ってたなー だったら……」

「さて、これから勉強しようかな」

「嘘だー! じゃんけんで負けた方が買いに行くってことで!」

「何も午前中から買いに行かなくても……」

「午後から外へ出る方が苦痛だと思うけど?」

「……確かに」

 その後、見事じゃんけんに負けた僕はコンビニまでアイスを買いに行った。
 明莉が暑いと連呼していたせいか、行き帰りの道は余計に暑く感じて、その分アイスも美味しく感じれた……ということにしておこう。
 まぁ、明莉も気遣ってくれる心はあるみたいなので、日曜だけは普段通りでも許すとしよう。
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