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3年生1学期
5月11日(木)晴れ 後輩との日常・姫宮青蘭の場合その16
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過ごしやすい気温だったご当地キャラの日。
この日は母さんがお弁当を作れなかったので、珍しく購買で昼食を買うことになった。
同じく買いに行く予定だった松永と共に3時間目終わりの休み時間に1階の購買へ向かう。
「あっ、姫宮さん」
すると、偶然何かを買い終えた姫宮さんと出会った。
現2年生とは部室以外ではあまり遭遇しないので、これまた珍しいことだ。
「こんにちは。良助先輩」
「う、うん……」
「へー、りょーちゃんは後輩に名前呼びさせてるんだ。意外~」
「い、いや、これはその……」
「別に悪いとは言ってないから。でも、今さら呼ばれて照れるの?」
松永はからかい気味にそう言ってくる。
ただ、この呼び方に変わったのはつい最近のことで、他の後輩は呼ばないからまだ慣れていない。
「そちらの方は確か」
「おっ、覚えてくれてるの? まぁ、茉奈ちゃんといる時に会ったりしてたから――」
「テニス部のウェイ系の人でしたか」
「なにその覚え方!?」
「間違えました。テニス部のうるさい人です」
「ひどくなってない!? ねぇ、りょーちゃん! もしかしてこれ嫌われてる!?」
嫌われているかどうかの判定は難しいところだけど、姫宮さんからすると松永はだいぶやかましい人に見えているらしい。
僕が知らないところで伊月さんと一緒の時に会っていたのだろうか。
「良助先輩はなにを買う予定ですか?」
「無視された!?」
「まだ決めてないよ。今日は何が売ってたの?」
「よく覚えていませんがメロンパンがおすすめです」
「そうなの? というか、姫宮さんってお昼は購買だったんだ」
「週3くらいです。残りは他の人から奪っています」
「ま、マジか」
「いえ。奪っているというのは嘘です。ただ菓子パンばかり食べているとなぜか分け与えられるので」
「なるほどね。でも、今日くらいは菓子パンにするのもありかも」
「そうですか。だったら――」
そう言いながら姫宮さんは袋から購入した物を取り出す。
「メロンパンとチョココロネ。これでお揃いです」
「うん?」
「おすすめなので」
「わ、わかった。参考にする」
唐突な行動に少し戸惑ってしまったけど、姫宮さんはそれだけ言い残すと先に帰ってしまった。
しかし、そう言われてしまったからには僕もメロンパンとチョココロネを買わざるを得ない。
「……なぁ、りょーちゃん」
「なんだよ。まだ凹んでるのか」
「いや、それもあるけども。そっちじゃなくて、姫宮さんってさ」
「なに?」
「――やっぱ何でもないわ」
「別に隠さなくてもいいぞ。姫宮さんは……結構変な子だよ」
「言っちゃっていいの」
「だって、事実だし。でも、変で面白い子だから、そこは勘違いしないように」
それがフォローになっているのか微妙なところだけど、松永はそれ以上追及してこなかった。
はからずも甘い昼食になったけど、たまにはこういう昼食もありだと思ったので、おすすめしてくれた姫宮さんに感謝する。
この日は母さんがお弁当を作れなかったので、珍しく購買で昼食を買うことになった。
同じく買いに行く予定だった松永と共に3時間目終わりの休み時間に1階の購買へ向かう。
「あっ、姫宮さん」
すると、偶然何かを買い終えた姫宮さんと出会った。
現2年生とは部室以外ではあまり遭遇しないので、これまた珍しいことだ。
「こんにちは。良助先輩」
「う、うん……」
「へー、りょーちゃんは後輩に名前呼びさせてるんだ。意外~」
「い、いや、これはその……」
「別に悪いとは言ってないから。でも、今さら呼ばれて照れるの?」
松永はからかい気味にそう言ってくる。
ただ、この呼び方に変わったのはつい最近のことで、他の後輩は呼ばないからまだ慣れていない。
「そちらの方は確か」
「おっ、覚えてくれてるの? まぁ、茉奈ちゃんといる時に会ったりしてたから――」
「テニス部のウェイ系の人でしたか」
「なにその覚え方!?」
「間違えました。テニス部のうるさい人です」
「ひどくなってない!? ねぇ、りょーちゃん! もしかしてこれ嫌われてる!?」
嫌われているかどうかの判定は難しいところだけど、姫宮さんからすると松永はだいぶやかましい人に見えているらしい。
僕が知らないところで伊月さんと一緒の時に会っていたのだろうか。
「良助先輩はなにを買う予定ですか?」
「無視された!?」
「まだ決めてないよ。今日は何が売ってたの?」
「よく覚えていませんがメロンパンがおすすめです」
「そうなの? というか、姫宮さんってお昼は購買だったんだ」
「週3くらいです。残りは他の人から奪っています」
「ま、マジか」
「いえ。奪っているというのは嘘です。ただ菓子パンばかり食べているとなぜか分け与えられるので」
「なるほどね。でも、今日くらいは菓子パンにするのもありかも」
「そうですか。だったら――」
そう言いながら姫宮さんは袋から購入した物を取り出す。
「メロンパンとチョココロネ。これでお揃いです」
「うん?」
「おすすめなので」
「わ、わかった。参考にする」
唐突な行動に少し戸惑ってしまったけど、姫宮さんはそれだけ言い残すと先に帰ってしまった。
しかし、そう言われてしまったからには僕もメロンパンとチョココロネを買わざるを得ない。
「……なぁ、りょーちゃん」
「なんだよ。まだ凹んでるのか」
「いや、それもあるけども。そっちじゃなくて、姫宮さんってさ」
「なに?」
「――やっぱ何でもないわ」
「別に隠さなくてもいいぞ。姫宮さんは……結構変な子だよ」
「言っちゃっていいの」
「だって、事実だし。でも、変で面白い子だから、そこは勘違いしないように」
それがフォローになっているのか微妙なところだけど、松永はそれ以上追及してこなかった。
はからずも甘い昼食になったけど、たまにはこういう昼食もありだと思ったので、おすすめしてくれた姫宮さんに感謝する。
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