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3年生1学期
5月9日(火)晴れ 後輩との日常・三浦将基の場合その2
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気温が上り坂になった告白の日。
本日は歓迎会ぶりの文芸部の活動が行われた。
交流したおかげか野島さん(妹)と石渡さんは部内にかなり溶け込んだように見える。
「それじゃあ、今日もお疲れさ――」
「「ま、待って!」」
一方、三浦くんは相変わらず終わったら帰ろうとしていたので、僕と桐山くんは呼び止める。
「な、なにかありました?」
「いや、何かあるわけじゃないけど……三浦くんはこの後用事あるの?」
「ないですけど……」
「じゃあ、ちょっとくらい話をしよう。もちろん、強制はしないけど」
「は、はぁ」
自分で言っておきながら何だけど、先輩2人からそう言われたら帰ろうにも帰れないとは思う。
でも、せっかく三浦くんの事情もわかってきたのだから、もう少しコミュニケーションを取っていきたい。
「で、何の話をするんですか?」
「う、うーん……」
「……三浦的には文芸部の女子ってどんな風に見えてんの?」
大事なところですぐに言葉が出なかった僕の代わりに、桐山くんはそう切り出す。
いきなりぶっこんだなと思ったけど、確かに気になる話題だ。
「ど、どうって言われても……」
「日葵のテンション感に付いていけないのはわかってるから……伊月さんとかどう?」
「……はきはきした人って印象です。勧誘の時に見かけた覚えがあります」
「ほうほう。じゃあ……姫宮さんは?」
「えっと……」
「ほら、文芸部で一番可憐な女子の」
それは私情が入っているだろうと思うけど、今はツッコまないようにしよう。
桐山くんに誘導された姫宮さんを見た三浦くんは――
「ちょっと闇を抱えてそうな雰囲気あります」
「ああん!?」
「お、落ち着いて、桐山くん」
「す、すんません。あんまわかんないので今パッと見の印象を言っただけです」
「ふんっ。まぁ、姫宮さんの魅力を知るのは俺一人で十分だ。それじゃあ、先輩方から……花園先輩は?」
「その先輩も一切絡んでないんですけど……印象で言っていいですか?」
「構わんよ」
「なんか見えない圧があります」
「は?」
という花園さんの声が僕の心の中で聞こえた気がした。
潤滑な会話のためには仕方なかったのかもしれないけど、印象で言うのは許可するのは良くないぞ、桐山くん。
「最後に……岸本路子先輩はどう?」
「…………」
そして、最後に残ってしまった路ちゃんの方を三浦くんは見る。
正直、自分の印象以上に気になるところだったので、僕は息をのんで――
「わからないですね。同じきしもとなら部長の方に印象を持っていかれてるんで」
「は?」
と言ったのは僕自身の声だった。
「う、産賀先輩、落ち着いて」
「な、なんか悪いこと言っちゃいました……?」
「……なんでもない。三浦くんがわりと素直に言う人間だというのはよくわかった」
「そ、そうですか」
そんな感じで僕はちょっとだけ不機嫌になりながら今日の会話は終わってしまった。
振り返ってみると先輩らしくない対応をしてしまったので、その点は反省したい。
でも……今日ばかりは僕の気持ちは桐山くん側に寄っていた。
三浦くんは悪気が無さそうだから何とも言えないけど……今度はもう少し冷静に話していこう。
本日は歓迎会ぶりの文芸部の活動が行われた。
交流したおかげか野島さん(妹)と石渡さんは部内にかなり溶け込んだように見える。
「それじゃあ、今日もお疲れさ――」
「「ま、待って!」」
一方、三浦くんは相変わらず終わったら帰ろうとしていたので、僕と桐山くんは呼び止める。
「な、なにかありました?」
「いや、何かあるわけじゃないけど……三浦くんはこの後用事あるの?」
「ないですけど……」
「じゃあ、ちょっとくらい話をしよう。もちろん、強制はしないけど」
「は、はぁ」
自分で言っておきながら何だけど、先輩2人からそう言われたら帰ろうにも帰れないとは思う。
でも、せっかく三浦くんの事情もわかってきたのだから、もう少しコミュニケーションを取っていきたい。
「で、何の話をするんですか?」
「う、うーん……」
「……三浦的には文芸部の女子ってどんな風に見えてんの?」
大事なところですぐに言葉が出なかった僕の代わりに、桐山くんはそう切り出す。
いきなりぶっこんだなと思ったけど、確かに気になる話題だ。
「ど、どうって言われても……」
「日葵のテンション感に付いていけないのはわかってるから……伊月さんとかどう?」
「……はきはきした人って印象です。勧誘の時に見かけた覚えがあります」
「ほうほう。じゃあ……姫宮さんは?」
「えっと……」
「ほら、文芸部で一番可憐な女子の」
それは私情が入っているだろうと思うけど、今はツッコまないようにしよう。
桐山くんに誘導された姫宮さんを見た三浦くんは――
「ちょっと闇を抱えてそうな雰囲気あります」
「ああん!?」
「お、落ち着いて、桐山くん」
「す、すんません。あんまわかんないので今パッと見の印象を言っただけです」
「ふんっ。まぁ、姫宮さんの魅力を知るのは俺一人で十分だ。それじゃあ、先輩方から……花園先輩は?」
「その先輩も一切絡んでないんですけど……印象で言っていいですか?」
「構わんよ」
「なんか見えない圧があります」
「は?」
という花園さんの声が僕の心の中で聞こえた気がした。
潤滑な会話のためには仕方なかったのかもしれないけど、印象で言うのは許可するのは良くないぞ、桐山くん。
「最後に……岸本路子先輩はどう?」
「…………」
そして、最後に残ってしまった路ちゃんの方を三浦くんは見る。
正直、自分の印象以上に気になるところだったので、僕は息をのんで――
「わからないですね。同じきしもとなら部長の方に印象を持っていかれてるんで」
「は?」
と言ったのは僕自身の声だった。
「う、産賀先輩、落ち着いて」
「な、なんか悪いこと言っちゃいました……?」
「……なんでもない。三浦くんがわりと素直に言う人間だというのはよくわかった」
「そ、そうですか」
そんな感じで僕はちょっとだけ不機嫌になりながら今日の会話は終わってしまった。
振り返ってみると先輩らしくない対応をしてしまったので、その点は反省したい。
でも……今日ばかりは僕の気持ちは桐山くん側に寄っていた。
三浦くんは悪気が無さそうだから何とも言えないけど……今度はもう少し冷静に話していこう。
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