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2年生3学期
3月18日(土)曇り時々雨 大倉伴憲との日常その33
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不安定な空の土曜日。
この日は明莉にとって久しぶりの遊び解禁日であり、微妙な天気ながらも意気揚々と出かけて行った。
一方の僕は天候に関係なく、こちらも久しぶりに大倉くんと通話を繋いでゲームする日になった。
明莉の受験直前では何となく僕も夜更かしするのは遠慮していたので、僕も夜更かしを解禁するつもりでいた。
しかし、昨日の帰り際にある約束をしたことで、今日はしっかり睡眠を取らければならなくなる。
『えっ!? 岸本さんが家に!?』
前々から言っていたけど、明莉の急かしもあって明日路ちゃんが家に来ることになった。それを昨日知らせた時点で家族は妙なテンションになっていたけど……
『それってつまり挨拶的な……いや、この場合は紹介的な方かな? す、すごい!』
「大倉くんまで妙なテンションになるのか……」
『だ、だって、これ具体的な作品名は出てこないけど、何かで見たやつだよ! いや、現実的には全然起こることなんだろうけど!』
「まぁ、うん。僕も本当にやる側になるとは思わなかったよ」
少なくとも高校生になるからといって、誰かと付き合う未来は想像していなかった。
けれども、実際に目の前に迫ると、自分の家に来て貰うだけなのに凄まじい緊張感がある。
これじゃあ、路ちゃんの両親に顔を見せる時には爆発してしまいそうだ。
『ば、爆発しろって言うのはボクの方では……?』
「いや、たとえ話だから」
『でも、そうかぁ……産賀くんはそんなところまで行ってるんだね……』
「そんなところって……何なら僕は遅いまであるよ。付き合ってから……3ヶ月も経ってるわけだし」
『えっ? じゃあ、平均はどれくらいなの……?』
「……ごめん。適当なこと言った」
実際に調べていないので、完全に感覚で話してしまった。
でも、以前に松永と会話した際は……あまり進んでないような言われ方をしたから、てっきり僕はゆっくりし過ぎている部類なのかと思っていた。
「まぁ、そうは言っても少し妹と会わせて夕食を食べて貰うくらいだからな……」
『そこで妹さんと彼女の取り合いが……!』
「いや、僕の妹はそういうキャラじゃないから」
『じゃあ、もしもそんな展開になったら?』
「う、うーん……」
『な、悩むんだ……』
それは冗談のつもりだったけど、大倉くんからはなぜか心配そうな雰囲気を出していた。
いや、僕の方は桜庭くんと会った時に少なからず兄として複雑な思いがなかったこともないから、明莉にもそういう可能性が……ないか。明莉なら喜々として僕の恥ずかしい過去話を売りさばきそうだ。
期待と緊張の両方があるけど、その前に大倉くんといつも通りの日常を過ごせて良かったと思う。
『ぼ、ボク、いつの間にか都合のいい男にされてる……!』
「大倉くん、ちょっと松永に似てきたな……」
この日は明莉にとって久しぶりの遊び解禁日であり、微妙な天気ながらも意気揚々と出かけて行った。
一方の僕は天候に関係なく、こちらも久しぶりに大倉くんと通話を繋いでゲームする日になった。
明莉の受験直前では何となく僕も夜更かしするのは遠慮していたので、僕も夜更かしを解禁するつもりでいた。
しかし、昨日の帰り際にある約束をしたことで、今日はしっかり睡眠を取らければならなくなる。
『えっ!? 岸本さんが家に!?』
前々から言っていたけど、明莉の急かしもあって明日路ちゃんが家に来ることになった。それを昨日知らせた時点で家族は妙なテンションになっていたけど……
『それってつまり挨拶的な……いや、この場合は紹介的な方かな? す、すごい!』
「大倉くんまで妙なテンションになるのか……」
『だ、だって、これ具体的な作品名は出てこないけど、何かで見たやつだよ! いや、現実的には全然起こることなんだろうけど!』
「まぁ、うん。僕も本当にやる側になるとは思わなかったよ」
少なくとも高校生になるからといって、誰かと付き合う未来は想像していなかった。
けれども、実際に目の前に迫ると、自分の家に来て貰うだけなのに凄まじい緊張感がある。
これじゃあ、路ちゃんの両親に顔を見せる時には爆発してしまいそうだ。
『ば、爆発しろって言うのはボクの方では……?』
「いや、たとえ話だから」
『でも、そうかぁ……産賀くんはそんなところまで行ってるんだね……』
「そんなところって……何なら僕は遅いまであるよ。付き合ってから……3ヶ月も経ってるわけだし」
『えっ? じゃあ、平均はどれくらいなの……?』
「……ごめん。適当なこと言った」
実際に調べていないので、完全に感覚で話してしまった。
でも、以前に松永と会話した際は……あまり進んでないような言われ方をしたから、てっきり僕はゆっくりし過ぎている部類なのかと思っていた。
「まぁ、そうは言っても少し妹と会わせて夕食を食べて貰うくらいだからな……」
『そこで妹さんと彼女の取り合いが……!』
「いや、僕の妹はそういうキャラじゃないから」
『じゃあ、もしもそんな展開になったら?』
「う、うーん……」
『な、悩むんだ……』
それは冗談のつもりだったけど、大倉くんからはなぜか心配そうな雰囲気を出していた。
いや、僕の方は桜庭くんと会った時に少なからず兄として複雑な思いがなかったこともないから、明莉にもそういう可能性が……ないか。明莉なら喜々として僕の恥ずかしい過去話を売りさばきそうだ。
期待と緊張の両方があるけど、その前に大倉くんといつも通りの日常を過ごせて良かったと思う。
『ぼ、ボク、いつの間にか都合のいい男にされてる……!』
「大倉くん、ちょっと松永に似てきたな……」
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