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2年生3学期
3月11日(土)晴れ 明莉との日常その82
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快晴が続いた土曜日。
この日は久しぶりに明莉と一緒に出かけることになった。
合否がわかる前だけど、私立の合格分をまだおごってなかったし、お疲れ様の意味も込めて僕は快く財布の紐を緩める。
「でも、せっかくの受験明けなのに僕と出かけて良かったの?」
「りょうちゃん、よく考えてみて。まだ合否がわかってない状態で誰かと遊びに行って、後でどっちかが落ちてたってわかったら、とんでもなく気まずいでしょ?」
「た、確かにそうだ」
「……というのは、建前でシンプルに甘いモノが食べたかった」
「正直でよろしい」
そんな今日の目的地は去年の11月辺りにオープンしたらしいスイーツ店だ。
明莉も話は聞いていたようだけど、その誘惑を振り切って受験勉強に打ち込んでいたらしい。
そもそもこの地域で毎年のようにスイーツ店が増えているのが驚きだけど、同じくらい色んな店が無くなっているのかもしれない。
そのスイーツ店もクリーニング店の跡地にできていた。
土曜ということもあってお客さんは多く、まだ開店直後の話題性が続いているのがよくわかる。
「おー これが噂に聞いていたフルーツ牛乳プリン……」
「完全に持ち帰り専用か。せっかくだし、父さんと母さんの分も買って帰ろうかな」
「えっ、りょうちゃんはいつのまにそんなリッチになったの」
「いや、やりくりしてるだけだよ。最近はゲームもあまり買えてないし……」
「ほうほう。ちゃんと岸本さんにいいところ見せてるんですなぁ」
「そ、そこまでおごってるわけでもないけど……多少は」
「うん? そう考えると、岸本さんにおごる分が増えたらあかりにおごってくれる回数減っちゃうじゃん! とんでもないライバル!」
「今更の話だな。でも、明莉は桜庭くんにおごって貰えばいいじゃないか」
「いやいや。中3男子にそれを求めるのは酷じゃない?」
それを明莉が言うのかと思いつつも、自分に当てはめるとその通りだと思った。
高校よりも少ない資金で自分のやりたいことを我慢しておごるのは……いや、僕は中3の時に付き合ってないから下手なことは言えないか。
相手に夢中になっていれば、それが一番やりたいことになるはずだ。
「うーん……とりあえず桃味にして、あとはりょうちゃんとお父さんから3分の1くらい強奪するか」
「スイーツ店で言う言葉じゃない。まぁ、違う味にして分けるのは構わないけど」
「じゃあ、お母さんはあかりと同じ桃にして、2人は残りの味で」
「りょうかい」
指示通りフルーツ牛乳プリン4個を買って僕と明莉はお店を後にする。
「さて、次の店は……」
「まだ行くつもりなのか!? 今度、合否わかった時にまた連れて行くから今日はもう勘弁して」
「しょうがないなぁ。じゃあ、ちょっとウインドウショッピングにも付き合ってよ。プリン、ちょっとくらいなら大丈夫でしょ」
「それなら……僕で良ければ」
その後、明莉と近くの店を数軒回ってからお出かけは終わった。
あまりウインドウショッピングに付き合ったことはなかったので、たぶん桜庭くんを連れ回している時の癖が出たのかもしれない。
なんだかんだ楽しかったので、今度は合格の祝福ムードの中、おごらせて貰おう。
この日は久しぶりに明莉と一緒に出かけることになった。
合否がわかる前だけど、私立の合格分をまだおごってなかったし、お疲れ様の意味も込めて僕は快く財布の紐を緩める。
「でも、せっかくの受験明けなのに僕と出かけて良かったの?」
「りょうちゃん、よく考えてみて。まだ合否がわかってない状態で誰かと遊びに行って、後でどっちかが落ちてたってわかったら、とんでもなく気まずいでしょ?」
「た、確かにそうだ」
「……というのは、建前でシンプルに甘いモノが食べたかった」
「正直でよろしい」
そんな今日の目的地は去年の11月辺りにオープンしたらしいスイーツ店だ。
明莉も話は聞いていたようだけど、その誘惑を振り切って受験勉強に打ち込んでいたらしい。
そもそもこの地域で毎年のようにスイーツ店が増えているのが驚きだけど、同じくらい色んな店が無くなっているのかもしれない。
そのスイーツ店もクリーニング店の跡地にできていた。
土曜ということもあってお客さんは多く、まだ開店直後の話題性が続いているのがよくわかる。
「おー これが噂に聞いていたフルーツ牛乳プリン……」
「完全に持ち帰り専用か。せっかくだし、父さんと母さんの分も買って帰ろうかな」
「えっ、りょうちゃんはいつのまにそんなリッチになったの」
「いや、やりくりしてるだけだよ。最近はゲームもあまり買えてないし……」
「ほうほう。ちゃんと岸本さんにいいところ見せてるんですなぁ」
「そ、そこまでおごってるわけでもないけど……多少は」
「うん? そう考えると、岸本さんにおごる分が増えたらあかりにおごってくれる回数減っちゃうじゃん! とんでもないライバル!」
「今更の話だな。でも、明莉は桜庭くんにおごって貰えばいいじゃないか」
「いやいや。中3男子にそれを求めるのは酷じゃない?」
それを明莉が言うのかと思いつつも、自分に当てはめるとその通りだと思った。
高校よりも少ない資金で自分のやりたいことを我慢しておごるのは……いや、僕は中3の時に付き合ってないから下手なことは言えないか。
相手に夢中になっていれば、それが一番やりたいことになるはずだ。
「うーん……とりあえず桃味にして、あとはりょうちゃんとお父さんから3分の1くらい強奪するか」
「スイーツ店で言う言葉じゃない。まぁ、違う味にして分けるのは構わないけど」
「じゃあ、お母さんはあかりと同じ桃にして、2人は残りの味で」
「りょうかい」
指示通りフルーツ牛乳プリン4個を買って僕と明莉はお店を後にする。
「さて、次の店は……」
「まだ行くつもりなのか!? 今度、合否わかった時にまた連れて行くから今日はもう勘弁して」
「しょうがないなぁ。じゃあ、ちょっとウインドウショッピングにも付き合ってよ。プリン、ちょっとくらいなら大丈夫でしょ」
「それなら……僕で良ければ」
その後、明莉と近くの店を数軒回ってからお出かけは終わった。
あまりウインドウショッピングに付き合ったことはなかったので、たぶん桜庭くんを連れ回している時の癖が出たのかもしれない。
なんだかんだ楽しかったので、今度は合格の祝福ムードの中、おごらせて貰おう。
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