700 / 942
2年生3学期
3月4日(土)曇り 明莉との日常その80
しおりを挟む
テストの合間の土曜日。
テスト勉強はそれなりに進んでいるけど、昨日の松永にしては珍しい真面目な話が妙に心の中で引っかかっていた。
本当ならテストが終わった後に考えるべきなんだろうけど――
「なぁ、明莉」
「どしたの、りょうちゃん」
「明莉は桜庭くんとの将来とか考えたことある?」
そんな勉強の合間の休憩中、僕はあろうことか年下の明莉に疑問の一部をぶつけてしまった。
いや、恋愛歴で言えば明莉の方が少しばかり長いし、恐らく恋愛観は僕よりも大人びていると思ったからだ。
それに対する明莉の答えは――
「りょうちゃん…………このテスト真っ最中であかりが受験前の時期に何を色ボケ的なこと聞いてんの?」
珍しくちょっとキレ気味に言われた。
まったくもってその通りなので僕は小さく「ごめん……」と返すしかない。
「いや、そこまで凹まなくても。でも、急にどうしたの? もしかして岸本先輩と何かあった?」
「いや、どちらかというと……松永の話からちょっと考えて」
「えっ。まっちゃんとりょうちゃんの禁断の関係!?」
「どういう発想だよ!?」
「まぁ、冗談はさておき、考えたことがあるといえばあるよ。でもまぁ、妄想みたいな感じかな」
「妄想か」
「だって、まだ先のことだし。逆にりょうちゃんは……考えたことないから聞いたんだよね?」
「そうだよ」
「正直めちゃめちゃ掘り下げて聞きたいけど、今は時期が悪いなぁ。というか、りょうちゃんは岸本先輩との恋愛模様を普段からもっと教えてよ。その辺の情報がないと何とも言えないよ」
「そ、そんなに話すような内容でもないし……」
「そういう何でもないやつが聞きたいの。あー、早く受験終わってうちに来ないかなぁ。わりと今受験を乗り越えるためのモチベーションなんだよ、岸本先輩のおうち訪問」
「そ、そうか。来るのは確かだから」
「その時に三者面談して根掘り葉掘り聞いてやる」
「明莉が親ポジションなのか……」
そんな話を終えると、お互いにテスト勉強に戻っていった。
まぁ、僕一人が悩んでも仕方がないので、明莉を抜きにテスト終わりに二者で話してみるのもいいかもしれない。
あんまり重い話はしたくないけど……言わずにぐずぐずしているのも嫌だから。
テスト勉強はそれなりに進んでいるけど、昨日の松永にしては珍しい真面目な話が妙に心の中で引っかかっていた。
本当ならテストが終わった後に考えるべきなんだろうけど――
「なぁ、明莉」
「どしたの、りょうちゃん」
「明莉は桜庭くんとの将来とか考えたことある?」
そんな勉強の合間の休憩中、僕はあろうことか年下の明莉に疑問の一部をぶつけてしまった。
いや、恋愛歴で言えば明莉の方が少しばかり長いし、恐らく恋愛観は僕よりも大人びていると思ったからだ。
それに対する明莉の答えは――
「りょうちゃん…………このテスト真っ最中であかりが受験前の時期に何を色ボケ的なこと聞いてんの?」
珍しくちょっとキレ気味に言われた。
まったくもってその通りなので僕は小さく「ごめん……」と返すしかない。
「いや、そこまで凹まなくても。でも、急にどうしたの? もしかして岸本先輩と何かあった?」
「いや、どちらかというと……松永の話からちょっと考えて」
「えっ。まっちゃんとりょうちゃんの禁断の関係!?」
「どういう発想だよ!?」
「まぁ、冗談はさておき、考えたことがあるといえばあるよ。でもまぁ、妄想みたいな感じかな」
「妄想か」
「だって、まだ先のことだし。逆にりょうちゃんは……考えたことないから聞いたんだよね?」
「そうだよ」
「正直めちゃめちゃ掘り下げて聞きたいけど、今は時期が悪いなぁ。というか、りょうちゃんは岸本先輩との恋愛模様を普段からもっと教えてよ。その辺の情報がないと何とも言えないよ」
「そ、そんなに話すような内容でもないし……」
「そういう何でもないやつが聞きたいの。あー、早く受験終わってうちに来ないかなぁ。わりと今受験を乗り越えるためのモチベーションなんだよ、岸本先輩のおうち訪問」
「そ、そうか。来るのは確かだから」
「その時に三者面談して根掘り葉掘り聞いてやる」
「明莉が親ポジションなのか……」
そんな話を終えると、お互いにテスト勉強に戻っていった。
まぁ、僕一人が悩んでも仕方がないので、明莉を抜きにテスト終わりに二者で話してみるのもいいかもしれない。
あんまり重い話はしたくないけど……言わずにぐずぐずしているのも嫌だから。
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる