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2年生3学期
2月7日(火)曇り 伊月茉奈との日常その12
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不安定な空が少し心配な火曜日。
明日から修学旅行になるので、金曜の部活は1年生だけで行われることになる。
その1年生達は、明日の準備もあるだろうと、今日は早めの解散を提案してくれた。
「あとはこの部長候補のひまりと副部長候補の桐山に任せてください!」
「えっ、俺も……ま、任せてください!」
「うふふ、それじゃあお願いしようかな」
日葵さんと桐山くんのノリを路ちゃんは微笑ましそうに見ている。
たぶん、金曜は自由に過ごす時間になるだけの気もするけど、本人達のやる気があるのはいいことだ。
「華凛さん。冬まつりの写真期待しています」
「えっ。冬まつりはもう終わっているのでは……?」
「冗談です。でも写真は撮ってきて貰えると喜びます」
「わ、わかりました。お土産も楽しみにしていてください」
一方、姫宮さんと花園さんはそんな会話を交わしていた。
花園さんが振り回されるのは珍しいけど、姫宮さんとはやはり相性が良いようで、よく話せている。
修学旅行から帰って来た後はもっと仲が深まることだろう。
「産賀さん、浩太くんが羽目を外し過ぎないように見張るのよろしくお願いします」
「もちろん……って、そう言う僕もはしゃぎ過ぎるかもしれないけどね」
「それは……ああ。路先輩とですか」
「い、いや、そういう意味で言ったわけじゃ……」
「ちょっとうらやましいです。わたしは修学旅行で一緒になれることはないので」
そう言いながら伊月さんは何かを想像しているようだった。
僕と路ちゃんの間ではあまり話題に上がらなかったけど、行けない身からすると、修学旅行というシチュエーションはそう見えるのかもしれない。
そんなことを考えている時だった。珍しく文芸部の部室の扉をノックする音が聞こえる。
「失礼しまーす。りょーちゃんと茉奈ちゃん、部員の皆さんお疲れ様~」
「こ、浩太くん!?」
「な、なんで松永が!?」
「今日はテニス部早めに解散して、ちょっと暇になったから、来ちゃった」
「来ちゃったって……」
「でも、この時間帯は雑談タイムって2人から聞いてたし。いや、岸本さんからも聞いたかも?」
「言ったかはわからないけれど……わたし達も解散前だったから全然大丈夫だよ」
「部長のお墨付き貰ったぜ」
すると、桐山くん以外の3人が松永の元へ近づいてくる。
「写真で見た茉奈のカレシさんだ!」
「実在したんだ」
「この度はミチちゃんがお世話になったと聞きました。ありがとうございます」
「えっと、日葵さんと姫宮さんと、花園さんか。花園さんこそ入部おめでとさん。2人は文化祭以来かな?」
「ひまり達のことを覚えてくれてたんですか?」
「いつも話を聞いてるからね。そっちは桐山くんでしょ」
「は、はい! どうもっす」
「でも、思ってたよりも賑やかな感じだなぁ。いや、文化祭の時から十分に賑やかだったか。ねぇ、茉奈ちゃ――」
「こ、浩太くん! 恥ずかしいからやめて! あと、来る時は普通連絡入れるでしょ!」
「でも、この部活の3分の1くらいは知り合いで……」
「でもじゃないから! みんなも解散して!」
伊月さんはそう言いながら松永を押して一旦部室を出ていく。
「なんというか……話に聞くより騒がしい人でしたね」
「でも、茉奈の貴重な焦りが見れたらから楽しかった~ また来てくれないかな?」
松永と初めて顔を合わせた面々は、それぞれ感想を言っていく。
てっきり一回くらいは伊月さんが会わせているかと思ったけど、伊月さんはそういうのを見せびらかすタイプじゃなかったか。
伊月さんには悪いけど、僕もちょっとだけ楽しい時間だった。
明日から修学旅行になるので、金曜の部活は1年生だけで行われることになる。
その1年生達は、明日の準備もあるだろうと、今日は早めの解散を提案してくれた。
「あとはこの部長候補のひまりと副部長候補の桐山に任せてください!」
「えっ、俺も……ま、任せてください!」
「うふふ、それじゃあお願いしようかな」
日葵さんと桐山くんのノリを路ちゃんは微笑ましそうに見ている。
たぶん、金曜は自由に過ごす時間になるだけの気もするけど、本人達のやる気があるのはいいことだ。
「華凛さん。冬まつりの写真期待しています」
「えっ。冬まつりはもう終わっているのでは……?」
「冗談です。でも写真は撮ってきて貰えると喜びます」
「わ、わかりました。お土産も楽しみにしていてください」
一方、姫宮さんと花園さんはそんな会話を交わしていた。
花園さんが振り回されるのは珍しいけど、姫宮さんとはやはり相性が良いようで、よく話せている。
修学旅行から帰って来た後はもっと仲が深まることだろう。
「産賀さん、浩太くんが羽目を外し過ぎないように見張るのよろしくお願いします」
「もちろん……って、そう言う僕もはしゃぎ過ぎるかもしれないけどね」
「それは……ああ。路先輩とですか」
「い、いや、そういう意味で言ったわけじゃ……」
「ちょっとうらやましいです。わたしは修学旅行で一緒になれることはないので」
そう言いながら伊月さんは何かを想像しているようだった。
僕と路ちゃんの間ではあまり話題に上がらなかったけど、行けない身からすると、修学旅行というシチュエーションはそう見えるのかもしれない。
そんなことを考えている時だった。珍しく文芸部の部室の扉をノックする音が聞こえる。
「失礼しまーす。りょーちゃんと茉奈ちゃん、部員の皆さんお疲れ様~」
「こ、浩太くん!?」
「な、なんで松永が!?」
「今日はテニス部早めに解散して、ちょっと暇になったから、来ちゃった」
「来ちゃったって……」
「でも、この時間帯は雑談タイムって2人から聞いてたし。いや、岸本さんからも聞いたかも?」
「言ったかはわからないけれど……わたし達も解散前だったから全然大丈夫だよ」
「部長のお墨付き貰ったぜ」
すると、桐山くん以外の3人が松永の元へ近づいてくる。
「写真で見た茉奈のカレシさんだ!」
「実在したんだ」
「この度はミチちゃんがお世話になったと聞きました。ありがとうございます」
「えっと、日葵さんと姫宮さんと、花園さんか。花園さんこそ入部おめでとさん。2人は文化祭以来かな?」
「ひまり達のことを覚えてくれてたんですか?」
「いつも話を聞いてるからね。そっちは桐山くんでしょ」
「は、はい! どうもっす」
「でも、思ってたよりも賑やかな感じだなぁ。いや、文化祭の時から十分に賑やかだったか。ねぇ、茉奈ちゃ――」
「こ、浩太くん! 恥ずかしいからやめて! あと、来る時は普通連絡入れるでしょ!」
「でも、この部活の3分の1くらいは知り合いで……」
「でもじゃないから! みんなも解散して!」
伊月さんはそう言いながら松永を押して一旦部室を出ていく。
「なんというか……話に聞くより騒がしい人でしたね」
「でも、茉奈の貴重な焦りが見れたらから楽しかった~ また来てくれないかな?」
松永と初めて顔を合わせた面々は、それぞれ感想を言っていく。
てっきり一回くらいは伊月さんが会わせているかと思ったけど、伊月さんはそういうのを見せびらかすタイプじゃなかったか。
伊月さんには悪いけど、僕もちょっとだけ楽しい時間だった。
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