662 / 942
2年生3学期
1月25日(水)雪のち晴れ 白銀と心配と応援と
しおりを挟む
目が覚めたら銀世界が広がっていた水曜日。
昨日の雪は夜中の間も降り続けて、普通の靴が埋まるほどの高さまで積もっていた。
一応、いつも通りの時間に起きて、早めに出る準備を進めていたけど、途中で午前中は休校するという連絡が入る。
結果的には昼になる前に全日休校に切り替わったので、一日暇を貰えることになった。
まぁ、結局は土曜授業が行われるので、休日の前借りにしかならないのだけど。
「はぁ……明日、車出せるのかなぁ」
当然ながら中学も休校になったけれど、明日が受験の明莉にとっては気が気でない状況だろう。
学校によっては今日が入試のところもあるらしいから、延期で大幅に予定が変わる人もいる。
自分の時には天気に悩まされることはなかったので、純粋に可哀想だった。
「この後は晴れてくるみたいだから、雪の溶け方によるかな」
「予定通りにやるなら今日のうちに決めといて欲しいけど……まぁ、今は勉強しとくしかないか」
「それがいいと思う。暖房しっかりかけて風邪引かないように」
明莉は「はーい」と返事をしてから自分の部屋に戻っていくけど、どこか不安そうな感じはあった。
予定通りにいってくれるように、僕は心の中でてるてる坊主を吊るすことしかできない。
――良助くんの家は大丈夫だった? うちは車の上が大変で……
――産賀くんはもう布団から出られてる? せっかくだからこの時間でスタミナを……
その後は路ちゃんと大倉くんが連絡してくれたので、2人に返信しながら僕も作業を始める。
その途中に窓から外の様子を見てみると、晴れ間が出てきて窓際の雪は少しずつ溶けてきた。
しかし、屋根の上や車が通っていない道はなかなか雪が無くなりそうにない。
さすがに明日まで休校にならないと思っているけど、様々な場所から受験生が集まる入試は少し怪しいかもしれない。
――妹さんの入試、無事に行われるといいのだけれど……
――この地域で行けないなら、きっと私立も延期になるから大丈夫だとは思うけど……たぶん
そんな僕の心配する気持ちを察してくれるように、路ちゃんと大倉くんも心配するメッセージを送ってくれた。
本当にこの時期じゃなければ、週の真ん中の休みでラッキーと思えたんだけど……天気は何も待ってくれない。
今日記を書いている夜の段階でも雪明かりで外は明るいので、雪の様子が大きく変わることは無さそうだ。
「明莉」
「なに、りょうちゃん」
「……入試終わったら何か甘いモノでも食べに行こう。もちろん、僕のおごりで」
「もう、寝る前にそういうこと言わないでよ。でも……期待しとく!」
でも、一応は明日から戦いが始まるということで、僕なりの応援はしておいた。
まだ前哨戦だというのに、甘やかしているのだから、本番が来たらスイーツビュッフェにでも連れて行かなければいけなさそうだ。
そんなわけで休校だったけど、僕的にはあまり気が休まらない日だった。
昨日の雪は夜中の間も降り続けて、普通の靴が埋まるほどの高さまで積もっていた。
一応、いつも通りの時間に起きて、早めに出る準備を進めていたけど、途中で午前中は休校するという連絡が入る。
結果的には昼になる前に全日休校に切り替わったので、一日暇を貰えることになった。
まぁ、結局は土曜授業が行われるので、休日の前借りにしかならないのだけど。
「はぁ……明日、車出せるのかなぁ」
当然ながら中学も休校になったけれど、明日が受験の明莉にとっては気が気でない状況だろう。
学校によっては今日が入試のところもあるらしいから、延期で大幅に予定が変わる人もいる。
自分の時には天気に悩まされることはなかったので、純粋に可哀想だった。
「この後は晴れてくるみたいだから、雪の溶け方によるかな」
「予定通りにやるなら今日のうちに決めといて欲しいけど……まぁ、今は勉強しとくしかないか」
「それがいいと思う。暖房しっかりかけて風邪引かないように」
明莉は「はーい」と返事をしてから自分の部屋に戻っていくけど、どこか不安そうな感じはあった。
予定通りにいってくれるように、僕は心の中でてるてる坊主を吊るすことしかできない。
――良助くんの家は大丈夫だった? うちは車の上が大変で……
――産賀くんはもう布団から出られてる? せっかくだからこの時間でスタミナを……
その後は路ちゃんと大倉くんが連絡してくれたので、2人に返信しながら僕も作業を始める。
その途中に窓から外の様子を見てみると、晴れ間が出てきて窓際の雪は少しずつ溶けてきた。
しかし、屋根の上や車が通っていない道はなかなか雪が無くなりそうにない。
さすがに明日まで休校にならないと思っているけど、様々な場所から受験生が集まる入試は少し怪しいかもしれない。
――妹さんの入試、無事に行われるといいのだけれど……
――この地域で行けないなら、きっと私立も延期になるから大丈夫だとは思うけど……たぶん
そんな僕の心配する気持ちを察してくれるように、路ちゃんと大倉くんも心配するメッセージを送ってくれた。
本当にこの時期じゃなければ、週の真ん中の休みでラッキーと思えたんだけど……天気は何も待ってくれない。
今日記を書いている夜の段階でも雪明かりで外は明るいので、雪の様子が大きく変わることは無さそうだ。
「明莉」
「なに、りょうちゃん」
「……入試終わったら何か甘いモノでも食べに行こう。もちろん、僕のおごりで」
「もう、寝る前にそういうこと言わないでよ。でも……期待しとく!」
でも、一応は明日から戦いが始まるということで、僕なりの応援はしておいた。
まだ前哨戦だというのに、甘やかしているのだから、本番が来たらスイーツビュッフェにでも連れて行かなければいけなさそうだ。
そんなわけで休校だったけど、僕的にはあまり気が休まらない日だった。
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる