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2年生冬休み
1月8日(日)晴れ 岸本路子との冬デートその3
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冬休み16日目。
今日は元旦以来の路ちゃんとのお出かけ……デートの日だ。
とは言ってもこの日は特に目的地は決めずに、正月明けの店舗を何となく見て回っていた。
「良助くんは何か福袋買った?」
「ううん。今までもあんまり買ったことはないよ。あるとすれば……ゲーム内で貰える福袋とかになっちゃう」
「そういうのもあるんだ」
「路ちゃんは福袋買うタイプ?」
「わたしも普段はそんなに買わないのだけれど、今年は好奇心に負けて雑貨屋さんの3,000円福袋を買ったわ」
「雑貨屋だとかなりランダム性が高そうだけど……」
「実際、色々な物が入ってた。よくある話だけれど、こういうのは開けるまでが一番楽しいとわかったわ」
そんな新年のあれこれを話す中、僕は頭の片隅で少しだけ別のことを考えていた。
3学期が始まって以降の路ちゃんと付き合い方について。
僕は一週間のうちに学校や塾で必ず路ちゃんと会うけれど、それは彼氏彼女としての時間ではない。
そうなると、部活ない日や塾へ行く前の時間、土日の休日が有効に使える時間になる。
でも、そのうちのどれくらいの時間、路ちゃんと一緒にいるべきなんだろうか。
決して時間が作るのが嫌だというわけじゃなく……初めてのことなのでその辺りのさじ加減がわからないのだ。
付き合っていくうちに自然にわかっていくのだろうけど、その前に失敗するのは絶対に嫌だった。
「…………」
「良助くん?」
かといって、その悩みを直接言うのは。やっぱり2人の時間を作るのが嫌だと思われそうだと考えてしまう。
我ながら難儀な性格だ。
2人でいる時間は確実に楽しいのに、どこかでネガティブなことを考えてしまう。
「路ちゃん、その……学校始まってからの話なんだけど」
「うん? 何?」
「週に何回デートしたいとか……希望はあったりする?」
結局、思うところがあるままにするのは良くないと思って、僕は切り出してしまった。
これで嫌な顔をされたら今後は絶対に気を付けようというつもりで。
しかし、それを聞いた路ちゃんは驚きながらもクスリと笑った。
「質問に質問で答えるのは良くないのだけれど、良助くんは週に何回デートしたいの? もしくはしてくれるの?」
「えっ。何回と言われると……路ちゃんが希望するなら何回でも」
「うん。わたしも同じ。無理にたくさん行きたいとは思わない。良助くんと会える機会はたくさんあるから、わたしはそれだけでも十分」
「そ、それなら良かった」
「たぶん、良助くんが思っているよりもわたしの性格は良助くんと似てると思う。だから……もっと気軽に考えて欲しいな」
路ちゃんにそう言われて僕は安心するのと同時に、少し気を遣わせてしまったと思った。
「わかった。変なこと聞いてごめん」
「ううん。わたしも色々考えてしまうタイプだから……何か思ったら今日の良助くんみたいに相談する」
その話を終えた後は、気持ちを切り替えて楽しい時間を過ごした。
付き合い始める前は、僕が路ちゃんの相談に乗ることが多かったけど、今はその立場が逆転している気がする。
もしかして路ちゃんは何かしらで恋愛に関する勉強していたんだろうか……次に読むべき本は恋愛指南書かもしれない。
今日は元旦以来の路ちゃんとのお出かけ……デートの日だ。
とは言ってもこの日は特に目的地は決めずに、正月明けの店舗を何となく見て回っていた。
「良助くんは何か福袋買った?」
「ううん。今までもあんまり買ったことはないよ。あるとすれば……ゲーム内で貰える福袋とかになっちゃう」
「そういうのもあるんだ」
「路ちゃんは福袋買うタイプ?」
「わたしも普段はそんなに買わないのだけれど、今年は好奇心に負けて雑貨屋さんの3,000円福袋を買ったわ」
「雑貨屋だとかなりランダム性が高そうだけど……」
「実際、色々な物が入ってた。よくある話だけれど、こういうのは開けるまでが一番楽しいとわかったわ」
そんな新年のあれこれを話す中、僕は頭の片隅で少しだけ別のことを考えていた。
3学期が始まって以降の路ちゃんと付き合い方について。
僕は一週間のうちに学校や塾で必ず路ちゃんと会うけれど、それは彼氏彼女としての時間ではない。
そうなると、部活ない日や塾へ行く前の時間、土日の休日が有効に使える時間になる。
でも、そのうちのどれくらいの時間、路ちゃんと一緒にいるべきなんだろうか。
決して時間が作るのが嫌だというわけじゃなく……初めてのことなのでその辺りのさじ加減がわからないのだ。
付き合っていくうちに自然にわかっていくのだろうけど、その前に失敗するのは絶対に嫌だった。
「…………」
「良助くん?」
かといって、その悩みを直接言うのは。やっぱり2人の時間を作るのが嫌だと思われそうだと考えてしまう。
我ながら難儀な性格だ。
2人でいる時間は確実に楽しいのに、どこかでネガティブなことを考えてしまう。
「路ちゃん、その……学校始まってからの話なんだけど」
「うん? 何?」
「週に何回デートしたいとか……希望はあったりする?」
結局、思うところがあるままにするのは良くないと思って、僕は切り出してしまった。
これで嫌な顔をされたら今後は絶対に気を付けようというつもりで。
しかし、それを聞いた路ちゃんは驚きながらもクスリと笑った。
「質問に質問で答えるのは良くないのだけれど、良助くんは週に何回デートしたいの? もしくはしてくれるの?」
「えっ。何回と言われると……路ちゃんが希望するなら何回でも」
「うん。わたしも同じ。無理にたくさん行きたいとは思わない。良助くんと会える機会はたくさんあるから、わたしはそれだけでも十分」
「そ、それなら良かった」
「たぶん、良助くんが思っているよりもわたしの性格は良助くんと似てると思う。だから……もっと気軽に考えて欲しいな」
路ちゃんにそう言われて僕は安心するのと同時に、少し気を遣わせてしまったと思った。
「わかった。変なこと聞いてごめん」
「ううん。わたしも色々考えてしまうタイプだから……何か思ったら今日の良助くんみたいに相談する」
その話を終えた後は、気持ちを切り替えて楽しい時間を過ごした。
付き合い始める前は、僕が路ちゃんの相談に乗ることが多かったけど、今はその立場が逆転している気がする。
もしかして路ちゃんは何かしらで恋愛に関する勉強していたんだろうか……次に読むべき本は恋愛指南書かもしれない。
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