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2年生冬休み
12月26日(月)明莉との冬休みⅡ
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冬休み3日目かつ今年最後の週の始まり。
世間はクリスマスが終わればすぐに正月を迎える空気になる。
実際には今日を含めて正月まで6日間もあるのだけど、ボーっとしていたらあっという間に過ぎてしまうだろう。
「はぁ……クリスマスも終わってしまったか……」
そんな中、今日の明莉は露骨にテンションが下がっていた。
「ため息が出ちゃうほど名残惜しいのか」
「だって、クリスマスって名目があればまだ遊べるけど、それ以外は受験勉強しなきゃいけない雰囲気になるじゃん!?」
「な、なるほど。まぁ、全く遊んじゃいけないわけじゃないから、どちらも程々にやればいいと思うよ」
「はいはい。いいな~ りょうちゃんは、明日忘年会だし、残りの休みもジョーカノとイチャイチャできるんだから」
気遣った言葉をかけたつもりだったのに、明莉からはひがみのような言葉が返ってきた。
隣の芝生は青く見えるとはこのことだろうか。
仮に僕が今年も自宅待機のクリスマスを過ごしていたら、忘年会だけで何か言われることはなかったと思う。
「別に毎日会うわけじゃないから。僕も勉強とか色々やることあるし」
「……りょうちゃん。まさかとは思うけど、クリスマスイブから彼女さんと連絡してないとかないよね……?」
「う、うん。何回か連絡は取ってるけど……」
「それってりょうちゃんから? おはようとおやすみはどっちから言ってる?」
「ど、どうしたの急に?」
「いや、りょうちゃんに彼女ができたのは喜ばしいことだとは思う。でも、2日間経って冷静に考えてみると、りょうちゃんが彼女とまともにやり取りできるビジョンが浮かんでこない」
「なんで!?」
「だって、りょうちゃんは普段からLINEの連絡サボるタイプだし」
その通りである。
以前は路ちゃんも含めて友人間の連絡は最低限だったし、ここ数日の連絡も思い返せば路ちゃんから来たメッセージを返信しているだけだった。
「そ、それって、不味いことだったり……」
「いやまぁ、前にも言ったけど彼女さんのタイプに寄るからあかりの言ってることが全部正しいとは限らないよ? でも、たまにはそっちから連絡寄越して欲しいなーって思う時はある」
「なるほど……参考になります」
「かぁー、あかりが冬休み中、スーパー暇人だったらりょうちゃんを最強スパダリに成長させられたのになぁ……」
「いや、そこまでしないでいいから。あと、そうなったら僕の良さが失われている気がする」
「りょうちゃんの良さとは」
「やめろ! なんでいきなり身内から斬られないといけないんだ!?」
「まぁまぁ。それだけあかり的にはりょうちゃんを心配してるってことですよ」
なんか全然納得できないけど、明莉が指摘する点はたぶん恋人同士における僕の悪い点なんだろう。
それを妹から指摘されるのは恥じるべきか、ありがたく思うべきか……僕の場合は後者を選ぼう。
これからも明莉から色々言われる予感がしながら、僕は次にどんな話題をLINEで振るべきか考えるのだった。
もちろん、勉強や読書はした上で……思った以上に大変だ。
世間はクリスマスが終わればすぐに正月を迎える空気になる。
実際には今日を含めて正月まで6日間もあるのだけど、ボーっとしていたらあっという間に過ぎてしまうだろう。
「はぁ……クリスマスも終わってしまったか……」
そんな中、今日の明莉は露骨にテンションが下がっていた。
「ため息が出ちゃうほど名残惜しいのか」
「だって、クリスマスって名目があればまだ遊べるけど、それ以外は受験勉強しなきゃいけない雰囲気になるじゃん!?」
「な、なるほど。まぁ、全く遊んじゃいけないわけじゃないから、どちらも程々にやればいいと思うよ」
「はいはい。いいな~ りょうちゃんは、明日忘年会だし、残りの休みもジョーカノとイチャイチャできるんだから」
気遣った言葉をかけたつもりだったのに、明莉からはひがみのような言葉が返ってきた。
隣の芝生は青く見えるとはこのことだろうか。
仮に僕が今年も自宅待機のクリスマスを過ごしていたら、忘年会だけで何か言われることはなかったと思う。
「別に毎日会うわけじゃないから。僕も勉強とか色々やることあるし」
「……りょうちゃん。まさかとは思うけど、クリスマスイブから彼女さんと連絡してないとかないよね……?」
「う、うん。何回か連絡は取ってるけど……」
「それってりょうちゃんから? おはようとおやすみはどっちから言ってる?」
「ど、どうしたの急に?」
「いや、りょうちゃんに彼女ができたのは喜ばしいことだとは思う。でも、2日間経って冷静に考えてみると、りょうちゃんが彼女とまともにやり取りできるビジョンが浮かんでこない」
「なんで!?」
「だって、りょうちゃんは普段からLINEの連絡サボるタイプだし」
その通りである。
以前は路ちゃんも含めて友人間の連絡は最低限だったし、ここ数日の連絡も思い返せば路ちゃんから来たメッセージを返信しているだけだった。
「そ、それって、不味いことだったり……」
「いやまぁ、前にも言ったけど彼女さんのタイプに寄るからあかりの言ってることが全部正しいとは限らないよ? でも、たまにはそっちから連絡寄越して欲しいなーって思う時はある」
「なるほど……参考になります」
「かぁー、あかりが冬休み中、スーパー暇人だったらりょうちゃんを最強スパダリに成長させられたのになぁ……」
「いや、そこまでしないでいいから。あと、そうなったら僕の良さが失われている気がする」
「りょうちゃんの良さとは」
「やめろ! なんでいきなり身内から斬られないといけないんだ!?」
「まぁまぁ。それだけあかり的にはりょうちゃんを心配してるってことですよ」
なんか全然納得できないけど、明莉が指摘する点はたぶん恋人同士における僕の悪い点なんだろう。
それを妹から指摘されるのは恥じるべきか、ありがたく思うべきか……僕の場合は後者を選ぼう。
これからも明莉から色々言われる予感がしながら、僕は次にどんな話題をLINEで振るべきか考えるのだった。
もちろん、勉強や読書はした上で……思った以上に大変だ。
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