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2年生2学期

12月13日(火)曇り 後援する大山亜里沙その12

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 期末テスト2日目の火曜日。
 本日のテストも特に問題なく終えられた。
 それは塾に通っているだけでなく、大倉くんと一緒に勉強したことで、いつもより勉強時間が確保できた影響もある気がする。
 量より質が大切なこともあるだろうけど、僕の場合は量を重視した方がいいのかもしれない。

「はぁ……」

 一方、テスト終わりの大山さんはあまり芳しくない空気を出していた。

「大山さん、大丈夫?」

「……大丈夫そうに見える?」

「見えないけど……体調が悪いとかじゃないよね」

「残念ながら。うーん……やっぱ自力で勉強するのも限界が見えてきたかぁ」

 大山さんはぐったりしながら言う。
 いつもなら多少失敗しても凹まない感じがするので、今回のテストの調子は思った以上に悪いのかもしれない。

「なんていうかさ。色々スランプ中なんだよね」

「色々?」

「具体的に聞かれると困るケド……周りと比べると今後の目標がぼんやりしてるカンジ」

「ああ、進路調査とかあるから……」

「それもだし、それ以外も。いや、ホントふんわりしたこと言ってるのはわかってるんだケド」

 大山さんの言葉に対して同調はしなかったけど、何となく気持ちはわかる。
 僕が大倉くんの夢を聞いた時に少し焦りを感じたように、周りの調子が良ければ、つい自分と比べてしまう瞬間がある。
 そこから悪い気持ちが連鎖して、全体的に無気力になってしまう……というのが今の大山さんの状態なのだろう。

「それならテスト前に点数勝負するように言っておけば良かったかな……」

「あはは。なんか懐かしいね。1年生の頃」

「うん。でも、2年生に入ってからはあんまり言わなくなったよね。どうして?」

「それはまぁ……色々あるでしょ。色々」

「そっちも色々なんだ」

「年頃の女の子にはこの言葉が便利なんですぅ。って、別に男子でも大人でも使うか」

「もしかして大山さんの口癖だったりする?」

「いやいや、2年くらいの付き合いで今更それ言う? もっとわかりやすい口癖あると思うんだケド」

「それもそうか……」

「それで言ったら、うぶクンは相変わらず何でもないのに謝っちゃうのは治ってないし」

「……やばい。今も言いそうになった」

「ふふっ。そういうトコだぞー」

 久しぶりに指摘を受けて僕は困ってしまったけど、話しているうちに大山さんは少し元気を取り戻したように見えた。
 やっぱりこの時期になるとみんな色々考える時期になるんだと思った……今の色々は無意識に使ってしまった。確かに便利な言葉だ。
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