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2年生2学期
12月10日(土)晴れ 明莉との日常その70
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期末テスト2日前の土曜日。
今日は居間でテスト勉強をしていたけど、勉強が始まる前に明莉から質問される。
「ねぇ、りょうちゃん。男子がクリスマスに貰って嬉しい物って何?」
それを聞いた僕は明莉が桜庭くんのプレゼントを考えているとすぐにわかった。
松永の欲しい物についてはまだ路ちゃんに探って貰っているけど、気付けばクリスマスもかなり近くなっていた。
「それって……女子から貰うとしたらってこと」
「うん。もっと言うと彼女から」
「そう言われてもなぁ」
「りょうちゃんも想像くらいはしたことあるでしょ。まぁ、そうじゃなくても男子的に嬉しい物なら何でもいいけど」
明莉は軽くそう言うけれど、なかなか難しい質問だった。
だって、貰う側からしても何でもいいというのが答えになってしまうから。
僕が想像したことがあるかどうかはさておき、仮に彼女がプレゼントしてくれるなら物や値段で喜ぶわけではないと思う。
でも、明莉が求める答えはそういう気持ちの問題じゃないから困ってしまうのだ。
「男子というか、僕ならって話になるけど」
「うんうん」
「わりとベタにマフラーとか手袋とか嬉しいと思う。時期的に身に付けられる物だし」
「へ~ りょうちゃんって形に残る物の方がいいタイプなんだ」
「いや、たとえばの話で……」
「でも、ギフトカードとかじゃなくて、具体的にマフラーや手袋なんでしょ?」
「そりゃあ、ギフトカードも嬉しいだろうけど、彼氏彼女でプレゼント交換するならもっとこう……形がある物がいいと思う」
「ふむふむ。なるほどねぇ」
明莉が変に追及してくるので、僕はちょっと恥ずかしくなってしまった。
一般論を言ったつもりだったけど、明莉からすると……いや、もしかしたら女性からすと全然そうでもないのかもしれあに。
「い、一応言っておくけど、僕個人の意見だからそんな参考にしない方がいいと思う。サプライズとかじゃないなら直接聞いた方が……」
「大丈夫。りょうちゃんに聞いておけばほぼ正解だと思うから」
「な、なんで?」
「前に言ったか忘れちゃったけど、りょうちゃんと正弥くんはね……」
「う、うん」
「かなり似てるの。だから、りょうちゃんがそう思ってるなら正弥くんのそれに近いこと考えてると思う」
「そ、そうなのか……」
「さぁ、雑談はこれくらいにして勉強始めようか」
明莉にそう言われてしまったので、僕はそのまま勉強に移るしかなかった。
僕と桜庭くんが似ている部分といえば、桜庭先輩から何かと言われるところくらいだと思っていた。
でも、明莉からするとそれ以外にも似ている部分があるらしい。
具体的に聞きたい気持ちもあるけど……今はテストに集中しよう。
今日は居間でテスト勉強をしていたけど、勉強が始まる前に明莉から質問される。
「ねぇ、りょうちゃん。男子がクリスマスに貰って嬉しい物って何?」
それを聞いた僕は明莉が桜庭くんのプレゼントを考えているとすぐにわかった。
松永の欲しい物についてはまだ路ちゃんに探って貰っているけど、気付けばクリスマスもかなり近くなっていた。
「それって……女子から貰うとしたらってこと」
「うん。もっと言うと彼女から」
「そう言われてもなぁ」
「りょうちゃんも想像くらいはしたことあるでしょ。まぁ、そうじゃなくても男子的に嬉しい物なら何でもいいけど」
明莉は軽くそう言うけれど、なかなか難しい質問だった。
だって、貰う側からしても何でもいいというのが答えになってしまうから。
僕が想像したことがあるかどうかはさておき、仮に彼女がプレゼントしてくれるなら物や値段で喜ぶわけではないと思う。
でも、明莉が求める答えはそういう気持ちの問題じゃないから困ってしまうのだ。
「男子というか、僕ならって話になるけど」
「うんうん」
「わりとベタにマフラーとか手袋とか嬉しいと思う。時期的に身に付けられる物だし」
「へ~ りょうちゃんって形に残る物の方がいいタイプなんだ」
「いや、たとえばの話で……」
「でも、ギフトカードとかじゃなくて、具体的にマフラーや手袋なんでしょ?」
「そりゃあ、ギフトカードも嬉しいだろうけど、彼氏彼女でプレゼント交換するならもっとこう……形がある物がいいと思う」
「ふむふむ。なるほどねぇ」
明莉が変に追及してくるので、僕はちょっと恥ずかしくなってしまった。
一般論を言ったつもりだったけど、明莉からすると……いや、もしかしたら女性からすと全然そうでもないのかもしれあに。
「い、一応言っておくけど、僕個人の意見だからそんな参考にしない方がいいと思う。サプライズとかじゃないなら直接聞いた方が……」
「大丈夫。りょうちゃんに聞いておけばほぼ正解だと思うから」
「な、なんで?」
「前に言ったか忘れちゃったけど、りょうちゃんと正弥くんはね……」
「う、うん」
「かなり似てるの。だから、りょうちゃんがそう思ってるなら正弥くんのそれに近いこと考えてると思う」
「そ、そうなのか……」
「さぁ、雑談はこれくらいにして勉強始めようか」
明莉にそう言われてしまったので、僕はそのまま勉強に移るしかなかった。
僕と桜庭くんが似ている部分といえば、桜庭先輩から何かと言われるところくらいだと思っていた。
でも、明莉からするとそれ以外にも似ている部分があるらしい。
具体的に聞きたい気持ちもあるけど……今はテストに集中しよう。
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