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2年生2学期
11月20日(日)曇り 大倉伴憲との日常その22
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鉛色の空だった日曜日。
この日は大倉くんと通話を繋いで発売された最新ゲームを遊ぶ日になった。
2学期の中間テストの時は大倉くんに対して色々と言ってしまったけど、今回のテストもとりあえずは抜きん出て悪い点数はなかったようで、ゲームは問題なく買えたらしい。
しかし、その今回のゲームは学園を舞台にしていることから……
『ま、まさかゲームの中でもテストって単語を見るとは思わなかった……』
「確かに。がっつり中間テストって言われてるし」
『だよね。はぁ、ゲームの中で出される問題なら全部満点なのになぁ。魔法の組み合わせとか相性とか』
「でも、現実でもそういうテストが当たり前な世界だったら、案外やる気が出ないかもよ。属性多すぎて覚えられない!とか」
『実技テストが体育と考えると……ボクは無理かも』
それについては僕も激しく同意する。
実際に魔法を使った実技試験があるとしたら、僕は呪文の筆記はできても実技で使うだけの魔力が足り無さそうだ。
そんなことを考えていると、通話越しにわかるほど大倉くんのため息がはっきり聞こえた。
『ゲームのことをこれだけ覚えられるなら、勉強も頑張ればできるでしょ……って親からは言われるんだよね……』
「あー……」
『あっ、べ、別に毎回言われてるわけじゃないよ。結構前に言われたことだし、ボク自身もその通りだと思う。でも、やっぱり勉強になるとそうはいかなくて……』
「わかるよ。興味があるものとないものじゃ頭に入ってくる感じが全然違うから」
『それでも、何とかしなくちゃいけないとは思ってて……』
そう言った後、一瞬大倉くん側の声が聞こえなくなる。
何事かと思って僕は声をかけようとするけど、それに被るように大倉くんはまた喋り始めた。
『う、産賀くん!』
「は、はい! どうしたの?」
『い、いや、その……これは確定した話じゃなくて、これからこうしてみようかなぁって話なんだけど……』
「う、うん」
『……ボク、将来的にゲームを作ってみたいんだ』
そう言った大倉くんの声は今まで聞いたことがない真剣さがあった。
『好きでやってる消費者と仕事としてやる開発者は違うっていうけど……どうせやるなら好きなことで挑戦してみたくて。まだプログラムをちょっと弄るくらいしかできないし、途中で挫折するかもしれないけど……今度、親にも言ってみようと思ってるんだ』
「おお……」
『こ、ここで一回言っておけば、親の前でも言えるかな……と思って』
「……凄いよ、大倉くんは。僕なんてまだ何にも考えてないのに、やりたいことを決められて……」
『そ、そんなことは……で、でも、それに説得力を持たせるためには、今度の期末テストをそれなりの点数にしたいとも思ってて。だから、その時は……』
「わかった。僕で良ければ一緒に勉強させて貰うよ」
『あ、ありがとう……!』
「ということは……ゲーム制作の専門学校とか大学とかを目指すことになるのか」
『その辺りも調べてて……』
それから数分間はゲームの手を止めて、大倉くんの目指す夢について追加で話を聞かせて貰った。
テストの話が出た時はこんな流れになると思ってなかったけど、大倉くんの決意が聞けたのは僕にとってもいい刺激だった。
今は目の前に解決すべきこともあるけど、それを超えた先のことも考え始めなければならないと思った。
この日は大倉くんと通話を繋いで発売された最新ゲームを遊ぶ日になった。
2学期の中間テストの時は大倉くんに対して色々と言ってしまったけど、今回のテストもとりあえずは抜きん出て悪い点数はなかったようで、ゲームは問題なく買えたらしい。
しかし、その今回のゲームは学園を舞台にしていることから……
『ま、まさかゲームの中でもテストって単語を見るとは思わなかった……』
「確かに。がっつり中間テストって言われてるし」
『だよね。はぁ、ゲームの中で出される問題なら全部満点なのになぁ。魔法の組み合わせとか相性とか』
「でも、現実でもそういうテストが当たり前な世界だったら、案外やる気が出ないかもよ。属性多すぎて覚えられない!とか」
『実技テストが体育と考えると……ボクは無理かも』
それについては僕も激しく同意する。
実際に魔法を使った実技試験があるとしたら、僕は呪文の筆記はできても実技で使うだけの魔力が足り無さそうだ。
そんなことを考えていると、通話越しにわかるほど大倉くんのため息がはっきり聞こえた。
『ゲームのことをこれだけ覚えられるなら、勉強も頑張ればできるでしょ……って親からは言われるんだよね……』
「あー……」
『あっ、べ、別に毎回言われてるわけじゃないよ。結構前に言われたことだし、ボク自身もその通りだと思う。でも、やっぱり勉強になるとそうはいかなくて……』
「わかるよ。興味があるものとないものじゃ頭に入ってくる感じが全然違うから」
『それでも、何とかしなくちゃいけないとは思ってて……』
そう言った後、一瞬大倉くん側の声が聞こえなくなる。
何事かと思って僕は声をかけようとするけど、それに被るように大倉くんはまた喋り始めた。
『う、産賀くん!』
「は、はい! どうしたの?」
『い、いや、その……これは確定した話じゃなくて、これからこうしてみようかなぁって話なんだけど……』
「う、うん」
『……ボク、将来的にゲームを作ってみたいんだ』
そう言った大倉くんの声は今まで聞いたことがない真剣さがあった。
『好きでやってる消費者と仕事としてやる開発者は違うっていうけど……どうせやるなら好きなことで挑戦してみたくて。まだプログラムをちょっと弄るくらいしかできないし、途中で挫折するかもしれないけど……今度、親にも言ってみようと思ってるんだ』
「おお……」
『こ、ここで一回言っておけば、親の前でも言えるかな……と思って』
「……凄いよ、大倉くんは。僕なんてまだ何にも考えてないのに、やりたいことを決められて……」
『そ、そんなことは……で、でも、それに説得力を持たせるためには、今度の期末テストをそれなりの点数にしたいとも思ってて。だから、その時は……』
「わかった。僕で良ければ一緒に勉強させて貰うよ」
『あ、ありがとう……!』
「ということは……ゲーム制作の専門学校とか大学とかを目指すことになるのか」
『その辺りも調べてて……』
それから数分間はゲームの手を止めて、大倉くんの目指す夢について追加で話を聞かせて貰った。
テストの話が出た時はこんな流れになると思ってなかったけど、大倉くんの決意が聞けたのは僕にとってもいい刺激だった。
今は目の前に解決すべきこともあるけど、それを超えた先のことも考え始めなければならないと思った。
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