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2年生2学期

9月10日(土)晴れ時々曇り 大倉伴憲との日常その18

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 濃い平日を過ごした後の土曜日。
 この日はちょうど一日前に発売された対戦ゲームを大倉くんと通話しながら浴びるほどやる日になった。
 この手のゲームが特別上手なわけではないけど、通話しながらやる分には一番盛り上がるゲームだと僕は思う。

『あっ、くそっ! エイムがぁ!』

 その醍醐味の一つは普段の友人からは聞くことがない語彙が飛び出してくることだ。
 大倉くんは負けず嫌いではないと思っているけど、対戦ゲーム中は熱くなってしまうことがある。

「…………」

『ど、どんまい、産賀くん』

 一方の僕は前にも書いたようにプレイに熱中すると黙ってしまうタイプだし、仮に攻撃を外したりすると、不機嫌かと思われるくらい静かになってしまう。
 いや、ちょっと不機嫌になっているのは確かなんだけど、こういう時に感情に任せて何か言うと、とんでもないことを言ってしまうような気がするのだ。
 それで引かれるのも嫌だから、静かになってしまうのである。

「みんな上手いなぁ……」

『け、結構幅広い世代がやってるしね。昨日もがっつり休日を取ってやり続けてる人もいるとか』

「昨日というか、木曜日から日付変わったタイミングだと動画配信ばっかりだったからなぁ。さすがに見れなかったけど」

『ぼ、ボクはちょっと……いや、1時間くらい見ちゃった』

「でも、見た上でやりたくなるんだからいいゲームだよ。文句は言いつつも爽快感あるし」

『きょ、今日の産賀くんはかなり熱くなってる方だと思う』

「本当に? じゃあ……日頃のストレスを発散してるのかも」

『ストレスって……何かあったの?』

「いや、小さなことの積み重ねだよ。体育祭で決めることとか……」

『本当にそこだけは譲れないんだね……』

 僕は半分持ちネタ的に言ったつもりだったけど、大倉くんは割と真剣に受け止めていた。
 ただ、今日の僕が熱くなっている原因は体育祭のストレスではなく……大倉くんにも言おうかどうか迷っていることの方だった。
 まだ引きずっていることに自分でびっくりするけど、何もしていない時間にどうしても思い返してしまう。
 恐らくその原因は日記を付ける時に書かなくていいはずなのに、こんな風に書いてしまうからだろう。
 まぁ、とにかくゲーム自体は楽しかったから、今日はそちらのことを考えながら就寝しよう。
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