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2年生夏休み
8月10日(水)曇り 松永浩太との夏歓談その2
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夏休み21日目。学生以外からすると今日がお盆前最後の仕事という人もいると、朝のニュースでやっていた。その前に僕らはもう3週間も休んでいるのだから、学生が羨ましいと言われても仕方がないと思う。
そんな今日は僕が松永家の方にお邪魔することになった。その理由は……
「桜庭くんがお盆前だから家に来ることになったんだけど、そういう気持ちになるものなのか?」
「俺に聞かれても。というか、俺は彼女に会いに行かないで、こうしてりょーちゃんを迎え入れてるじゃない」
「ま、まぁ……それに関しては助かった。微妙な天気で遠出する感じでもなかったし」
松永には八つ当たり気味に聞いてしまったけど、お盆は家のことを優先して暫く会えないから会っておこうと考えるのは納得できる。実際、金曜日は京都の祖父母の家に行く予定だから、その間は明莉と桜庭くんは会えなくなる。
「逆に松永は伊月さんと会っておかなくていいの?」
「心配しなくても一昨日も機能も会ってるから。それより聞いたぜ、りょーちゃん。水着だらけのプールへ行った話を」
「プールなんだから水着だらけはいらないだろうに」
「それもそうか。茉奈ちゃんは楽しかったって言ってたよ。普段室内で集まる時も騒がしい方だけど、プールだとみんなよりアクティブだったって」
「元から仲は良さそうだったけど、がっつり遊ぶのはこれが初めてだったからかな。たぶん、僕の倍以上は動いてたよ」
「まぁ、りょーちゃんはそうだろうね。ところで……岸本さんとはどんな感じだった?」
「は? なんで路……岸本さんの話?」
「いや、ほら。茉奈ちゃんが良さそうな感じと聞いたから」
松永は少しニヤつきながら聞いてくる。
「松永。言っておくけど、それは伊月さんが若干勘違いしてるだけだぞ」
「えっ、そうなの? なんか聞いてた話と違うな……」
「いったい何を聞いたんだ」
「そこは茉奈ちゃんのプライバシーやら何やらにより隠させて貰うけど、本当に何もないの?」
「……わからないよ」
「ほう。それはりょーちゃん側からすると、って感じ?」
「そういうことにしておいてくれ。僕にも色々事情があるんだ」
「そっか。じゃあ、茉奈ちゃんにはやんわりと首を突っ込み過ぎないようにとは言っておくよ」
僕は完全にはぐらかす言い方をしたけど、松永はそれ以上は追及しなかった。こんなことを言っておいて、いざ困った時には松永に聞くことになるとは思う。ただ、今はまだその時ではない。
「あっ、それと相談した後輩の件なんだけど……」
「文芸部の後輩男子ね」
「もう隠す必要がないからそうだと言うけど、上手くいったよ。まぁ、まだ話せるようになったって段階だけど」
「十分じゃないの。それにしてもりょーちゃんは人の世話は焼くのに……」
「なんだよ」
「いやいや。この話は終わりだった。じゃあ、ここからはこの前のプールで見た中で一番おおっ!?と思った水着について語って貰おうか」
「な、なんでそんなことを……」
「ないの?」
「……いや、あるけど」
そこから先はどうしようもない会話が続いていた。自分でも驚いたことに、遊ぶ中でもそんな感じの水着には目を引かれていたのだ。ただ、先ほどの流れがあるからここで路ちゃんの水着に照れてしまったことは言えるはずもなかった。
たぶん、この土産話は大倉くんや本田くんにもすることになるだろう。
そんな今日は僕が松永家の方にお邪魔することになった。その理由は……
「桜庭くんがお盆前だから家に来ることになったんだけど、そういう気持ちになるものなのか?」
「俺に聞かれても。というか、俺は彼女に会いに行かないで、こうしてりょーちゃんを迎え入れてるじゃない」
「ま、まぁ……それに関しては助かった。微妙な天気で遠出する感じでもなかったし」
松永には八つ当たり気味に聞いてしまったけど、お盆は家のことを優先して暫く会えないから会っておこうと考えるのは納得できる。実際、金曜日は京都の祖父母の家に行く予定だから、その間は明莉と桜庭くんは会えなくなる。
「逆に松永は伊月さんと会っておかなくていいの?」
「心配しなくても一昨日も機能も会ってるから。それより聞いたぜ、りょーちゃん。水着だらけのプールへ行った話を」
「プールなんだから水着だらけはいらないだろうに」
「それもそうか。茉奈ちゃんは楽しかったって言ってたよ。普段室内で集まる時も騒がしい方だけど、プールだとみんなよりアクティブだったって」
「元から仲は良さそうだったけど、がっつり遊ぶのはこれが初めてだったからかな。たぶん、僕の倍以上は動いてたよ」
「まぁ、りょーちゃんはそうだろうね。ところで……岸本さんとはどんな感じだった?」
「は? なんで路……岸本さんの話?」
「いや、ほら。茉奈ちゃんが良さそうな感じと聞いたから」
松永は少しニヤつきながら聞いてくる。
「松永。言っておくけど、それは伊月さんが若干勘違いしてるだけだぞ」
「えっ、そうなの? なんか聞いてた話と違うな……」
「いったい何を聞いたんだ」
「そこは茉奈ちゃんのプライバシーやら何やらにより隠させて貰うけど、本当に何もないの?」
「……わからないよ」
「ほう。それはりょーちゃん側からすると、って感じ?」
「そういうことにしておいてくれ。僕にも色々事情があるんだ」
「そっか。じゃあ、茉奈ちゃんにはやんわりと首を突っ込み過ぎないようにとは言っておくよ」
僕は完全にはぐらかす言い方をしたけど、松永はそれ以上は追及しなかった。こんなことを言っておいて、いざ困った時には松永に聞くことになるとは思う。ただ、今はまだその時ではない。
「あっ、それと相談した後輩の件なんだけど……」
「文芸部の後輩男子ね」
「もう隠す必要がないからそうだと言うけど、上手くいったよ。まぁ、まだ話せるようになったって段階だけど」
「十分じゃないの。それにしてもりょーちゃんは人の世話は焼くのに……」
「なんだよ」
「いやいや。この話は終わりだった。じゃあ、ここからはこの前のプールで見た中で一番おおっ!?と思った水着について語って貰おうか」
「な、なんでそんなことを……」
「ないの?」
「……いや、あるけど」
そこから先はどうしようもない会話が続いていた。自分でも驚いたことに、遊ぶ中でもそんな感じの水着には目を引かれていたのだ。ただ、先ほどの流れがあるからここで路ちゃんの水着に照れてしまったことは言えるはずもなかった。
たぶん、この土産話は大倉くんや本田くんにもすることになるだろう。
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