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2年生1学期
7月15日(金)曇り時々雷雨 後輩との日常・桐山宗太郎の場合その5
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7月も半分となった金曜日。全教科のテスト返却も終わり、今日が終われば夏休みを先取りした3連休だ。とはいっても、夏休みの予定すら決まっていないので、この休みも特に何事もなく終えそうな気がする。
そんな中、今日も文芸部の活動を終えると、桐山くんがすぐに僕の元へ駆け寄ってきた。
「産賀先輩、どうしましょう!?」
「えっ。何かあったの?」
「姫宮さんとプール行くことになったんすよ!?」
「あー 1年生みんなで行くらしいね」
「……俺1人で大丈夫だと思いますか……?」
桐山くんは不安げに聞いてきた。今の桐山くんの言い方からすると、姫宮さん1人に対するものかもしれないけど、日葵さんと伊月さんを含めた女子3人とプールへ行くのは中々の事態であると僕も思っていた。
「確かに1人だと心細いよね。誰か同級生の他の男子を誘ってみたら?」
「何言ってるんすか。そんなことしたら姫宮さんが他の男子に見つけられちゃいますよ」
「そ、そうか。じゃあ――」
「産賀先輩が付いて来てくれませんか?」
「ええっ!? ぼ、僕……?」
「文芸部で行くって話にすれば産賀先輩が付いて来ても問題ないっすよ。ほら、路部長も誘って1・2年合同ってことで!」
「いやまぁ、それでもいいんだろうけど、路ちゃんが行くかはわからないし、一応企画した日葵さんに話を通さないと――」
「話は聞かせて貰いました!」
「うわっ!?」
噂をすればと言わんばかりに日葵さんが急に生えてくる。
「実は先輩方も巻き込もうと思ってたんですけど、3年生は誘うのは気が引けたし、さすがのひまりも路部長を口説ける自信がなかったんですよねぇ。というわけで、産賀センパイが言ってきてください!」
「いや、別に日葵さんが誘ってもいいと思うんだけど……」
「つべこべ言わないで、行きましょう」
そのまま日葵さんと桐山くんへ背中を押されて、僕は路ちゃんの前までやって来させられる。おかしい。僕は桐山くんの相談を受けていたんじゃなかったのか。夏休みの予定が埋められることは望んでいたけれど、突然高いハードルを置かれる展開になるとは思ってなかった。
「良助くん?」
「あ、あの……文芸部の親交を深める的な感じで1・2年でプールへ行くって話になってるんだけど……路ちゃんも良かったら行かない」
「ぷ、プール!? ってことは、水着……いるやつだよね」
「いるやつだね。いや、無理にとは言わないから。水着用意するのも大変だろうし――」
「うん。参加します」
「そうだよね。急に言われても……ええっ!?」
「そ、そんなに驚く……?」
「ご、ごめんごめん。部長も行ってくれるって」
「やったぁー! 路先輩ならそう言ってくれると思いましたよー! それで今のところの候補なんですけど……」
自信がないと言っていたわりには、日葵さんはすかさず路ちゃんに情報を流し込んでいく。てっきり路ちゃんが難色を示していたから僕に頼んだのだと思っていたけど、この勢いがあれば最初から口説けそうだ。
「ありがとうございます、産賀センパイ。これで俺も安心して姫宮さんと向き合えます」
「それは良かっ……いや、僕が行っても向き合えるかどうかは……」
「とりあえず当日は特に日葵の相手をお願いしますね! あいつがいると姫宮さんに近づきづらいんで……」
どうやら桐山くんが悩んでいたのは女子ばかりで気まずいことではなかったようだ。完全にタゲ取りに使われる予定なのか。
そんなこんなで、図らずも2年連続で大人数でのプール行きが決定した。今回も若干惚れた腫れたの話が絡んでいる気がするけど、桐山くんはどちらかといえば単独で当たっていく感じなので、僕は穏やかに過ごせそうだ。
でも、よく考えたら伊月さんとプールへ行くことになるのは……松永に何か言われるかもしれない。
そんな中、今日も文芸部の活動を終えると、桐山くんがすぐに僕の元へ駆け寄ってきた。
「産賀先輩、どうしましょう!?」
「えっ。何かあったの?」
「姫宮さんとプール行くことになったんすよ!?」
「あー 1年生みんなで行くらしいね」
「……俺1人で大丈夫だと思いますか……?」
桐山くんは不安げに聞いてきた。今の桐山くんの言い方からすると、姫宮さん1人に対するものかもしれないけど、日葵さんと伊月さんを含めた女子3人とプールへ行くのは中々の事態であると僕も思っていた。
「確かに1人だと心細いよね。誰か同級生の他の男子を誘ってみたら?」
「何言ってるんすか。そんなことしたら姫宮さんが他の男子に見つけられちゃいますよ」
「そ、そうか。じゃあ――」
「産賀先輩が付いて来てくれませんか?」
「ええっ!? ぼ、僕……?」
「文芸部で行くって話にすれば産賀先輩が付いて来ても問題ないっすよ。ほら、路部長も誘って1・2年合同ってことで!」
「いやまぁ、それでもいいんだろうけど、路ちゃんが行くかはわからないし、一応企画した日葵さんに話を通さないと――」
「話は聞かせて貰いました!」
「うわっ!?」
噂をすればと言わんばかりに日葵さんが急に生えてくる。
「実は先輩方も巻き込もうと思ってたんですけど、3年生は誘うのは気が引けたし、さすがのひまりも路部長を口説ける自信がなかったんですよねぇ。というわけで、産賀センパイが言ってきてください!」
「いや、別に日葵さんが誘ってもいいと思うんだけど……」
「つべこべ言わないで、行きましょう」
そのまま日葵さんと桐山くんへ背中を押されて、僕は路ちゃんの前までやって来させられる。おかしい。僕は桐山くんの相談を受けていたんじゃなかったのか。夏休みの予定が埋められることは望んでいたけれど、突然高いハードルを置かれる展開になるとは思ってなかった。
「良助くん?」
「あ、あの……文芸部の親交を深める的な感じで1・2年でプールへ行くって話になってるんだけど……路ちゃんも良かったら行かない」
「ぷ、プール!? ってことは、水着……いるやつだよね」
「いるやつだね。いや、無理にとは言わないから。水着用意するのも大変だろうし――」
「うん。参加します」
「そうだよね。急に言われても……ええっ!?」
「そ、そんなに驚く……?」
「ご、ごめんごめん。部長も行ってくれるって」
「やったぁー! 路先輩ならそう言ってくれると思いましたよー! それで今のところの候補なんですけど……」
自信がないと言っていたわりには、日葵さんはすかさず路ちゃんに情報を流し込んでいく。てっきり路ちゃんが難色を示していたから僕に頼んだのだと思っていたけど、この勢いがあれば最初から口説けそうだ。
「ありがとうございます、産賀センパイ。これで俺も安心して姫宮さんと向き合えます」
「それは良かっ……いや、僕が行っても向き合えるかどうかは……」
「とりあえず当日は特に日葵の相手をお願いしますね! あいつがいると姫宮さんに近づきづらいんで……」
どうやら桐山くんが悩んでいたのは女子ばかりで気まずいことではなかったようだ。完全にタゲ取りに使われる予定なのか。
そんなこんなで、図らずも2年連続で大人数でのプール行きが決定した。今回も若干惚れた腫れたの話が絡んでいる気がするけど、桐山くんはどちらかといえば単独で当たっていく感じなので、僕は穏やかに過ごせそうだ。
でも、よく考えたら伊月さんとプールへ行くことになるのは……松永に何か言われるかもしれない。
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