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2年生1学期
5月29日(日)晴れ 明莉との日常その49
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日中はもう夏に感じる日曜日。その暑さから昨日とは打って変わってインドアの日になっており、居間では今年初のエアコンが稼働した。数日前から扇風機も動かし始めているので、今から夏本番が耐えられるか不安である。
そんな居間でのんびりしている昼過ぎのことだった。
「あっ、亜里沙さんからLINEきた」
明莉は何の気なしにそう言う。
「えっ。亜里沙って……もしかして大山さんのこと?」
「そだよ? あかりの同級生にはたぶんいないし」
「いや、連絡取り合ってるのは初耳なんだけど!?」
「そりゃあ、一緒に遊んだんだから連絡先くらい交換してるでしょ」
「じゃあ、その日から結構連絡取ってるの……?」
「まぁ、そこそこ感じ?」
明莉はまたも当たり前のように言う。その頻度は想像でしかないけど、僕基準のたまによりかはやり取りしているに違いない。現に僕は大山さんと最後にLINE上でやり取りしたのがいつかすぐには思い出せなかった。
「もしかして、何話してるか気になってる?」
「べ、別にそんなことないよ」
「ふーん……素直に言えばちょっとくらい話してあげてもいいのに」
「……ちょっと知りたいです」
なぜか上から目線で言われるけど、気になるのは確かなので僕はそう言ってしまう。
すると、明莉はいたずらっぽく笑った。
「そうだなぁ……話せる範囲で言うなら学校のこととか、今見てる同じ番組の話題とか、そういうの」
「……なんか普通の友達みたいだ」
「もちろん、あかりは後輩として接してるけど、亜里沙さんは結構フレンドリーだからね」
「そもそも呼び方が変わってるもんな……」
「まぁ、あとは共通の話題としてりょうちゃんのことも時々話すかな」
「それ一番やって欲しくないやつなんだけど!?」
「だって、しょうがないじゃん。りょうちゃん繋がりで知り合ったんだし。別に悪口は言ってないから大丈夫だよ」
そういう話の時に出てくる恒例の言葉が明莉からも出てきた。無論、本当にそうなんだろうけど、こちらとしてはやましい事が無くてもヒヤッとするものだ。
ただ、妹である明莉なら少し追及できるかもしれないと思って僕は聞く。
「僕の話ってたとえばどんな話?」
「えっと…………この前扇風機で宇宙人ごっこしてたとか」
「そ、そんなしょうもないことを!?」
「しょうもないからこそ話題にしたんじゃん。さすがにあかりも小学生かよって思ったし」
「べ、別にマジでやってたわけじゃなくて、夏の恒例行事みたいなもんだから……」
「それから……納豆の匂いで気分悪そうにしてたとか」
「それ、本当に大山さんと盛り上がれる話題なの……?」
「盛り上げようとして言ってるんじゃなくて状況報告みたいなものなの。亜里沙さんも学校のりょうちゃんがシュールなことしてたらチク……報告してくるから」
「チクるって言おうとしたでしょ」
「別にいいじゃん。話題の男ってことで」
明莉はそう言いながらスマホに目線を移して何か操作を始める。
「明莉。まさか……」
「お兄ちゃんが私のことをいじめてきます。助けてくださいっと」
「違う違う! 文句を言おうと思ってるわけじゃないから!」
「冗談ですって付け加えとくから心配しないで」
「そういう問題じゃない!」
そんなこんなで明莉と大山さんが連絡を取り合っていることを知ったわけだけど、それで大山さんにしか言えないようなことを相談できているなら僕は文句を言えない。
だけど、その中で僕の話題が共有されていることについては、一度大山さんの方にも確認を取った方が安心するためにも良さそうだ。
そんな居間でのんびりしている昼過ぎのことだった。
「あっ、亜里沙さんからLINEきた」
明莉は何の気なしにそう言う。
「えっ。亜里沙って……もしかして大山さんのこと?」
「そだよ? あかりの同級生にはたぶんいないし」
「いや、連絡取り合ってるのは初耳なんだけど!?」
「そりゃあ、一緒に遊んだんだから連絡先くらい交換してるでしょ」
「じゃあ、その日から結構連絡取ってるの……?」
「まぁ、そこそこ感じ?」
明莉はまたも当たり前のように言う。その頻度は想像でしかないけど、僕基準のたまによりかはやり取りしているに違いない。現に僕は大山さんと最後にLINE上でやり取りしたのがいつかすぐには思い出せなかった。
「もしかして、何話してるか気になってる?」
「べ、別にそんなことないよ」
「ふーん……素直に言えばちょっとくらい話してあげてもいいのに」
「……ちょっと知りたいです」
なぜか上から目線で言われるけど、気になるのは確かなので僕はそう言ってしまう。
すると、明莉はいたずらっぽく笑った。
「そうだなぁ……話せる範囲で言うなら学校のこととか、今見てる同じ番組の話題とか、そういうの」
「……なんか普通の友達みたいだ」
「もちろん、あかりは後輩として接してるけど、亜里沙さんは結構フレンドリーだからね」
「そもそも呼び方が変わってるもんな……」
「まぁ、あとは共通の話題としてりょうちゃんのことも時々話すかな」
「それ一番やって欲しくないやつなんだけど!?」
「だって、しょうがないじゃん。りょうちゃん繋がりで知り合ったんだし。別に悪口は言ってないから大丈夫だよ」
そういう話の時に出てくる恒例の言葉が明莉からも出てきた。無論、本当にそうなんだろうけど、こちらとしてはやましい事が無くてもヒヤッとするものだ。
ただ、妹である明莉なら少し追及できるかもしれないと思って僕は聞く。
「僕の話ってたとえばどんな話?」
「えっと…………この前扇風機で宇宙人ごっこしてたとか」
「そ、そんなしょうもないことを!?」
「しょうもないからこそ話題にしたんじゃん。さすがにあかりも小学生かよって思ったし」
「べ、別にマジでやってたわけじゃなくて、夏の恒例行事みたいなもんだから……」
「それから……納豆の匂いで気分悪そうにしてたとか」
「それ、本当に大山さんと盛り上がれる話題なの……?」
「盛り上げようとして言ってるんじゃなくて状況報告みたいなものなの。亜里沙さんも学校のりょうちゃんがシュールなことしてたらチク……報告してくるから」
「チクるって言おうとしたでしょ」
「別にいいじゃん。話題の男ってことで」
明莉はそう言いながらスマホに目線を移して何か操作を始める。
「明莉。まさか……」
「お兄ちゃんが私のことをいじめてきます。助けてくださいっと」
「違う違う! 文句を言おうと思ってるわけじゃないから!」
「冗談ですって付け加えとくから心配しないで」
「そういう問題じゃない!」
そんなこんなで明莉と大山さんが連絡を取り合っていることを知ったわけだけど、それで大山さんにしか言えないようなことを相談できているなら僕は文句を言えない。
だけど、その中で僕の話題が共有されていることについては、一度大山さんの方にも確認を取った方が安心するためにも良さそうだ。
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