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2年生1学期
5月19日(木)晴れのち曇り 松永浩太との歓談
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中間テスト1日目の木曜日。今回はまだ席替えを行っていないので、普段通りの景色でテストが始まった。このテストが終わったら1回目の席替えをするのかもしれない。
そんなどうでもいいことを考えられるくらいにテストは順調だった。
そして、テストを終えた放課後。僕は久しぶりに松永と下校することになる。
「今日は友達と少し勉強してから帰るって言ってさぁ」
松永は口惜しそうに言う。今週は月曜日から部活が停止していたので、ここ数日は伊月さんと一緒に下校していたらしい。恋人と一緒に下校するというシチュエーションは空想の世界だけのものではなかったようだ。
「もちろん、りょーちゃんと下校するのもそれはそれで楽しいからね?」
「どうかな? 松永にとって僕は都合のいい男かもしれない」
「あっ、今日はノッてくれる感じなんだ? 寂しくさせてごめん……」
「すまん、言い方を間違えた。それよりテスト期間なんだから伊月さんと一緒に勉強しないの?」
「しないよ」
「えっ。恋人と一緒に勉強するシチュエーションはそんなにないのか……」
「いやいや。他の人は知らないけど、俺と茉奈ちゃんはやってない」
「そうなんだ。やっぱり途中でイチャイチャしちゃうから?」
「ううん。俺が勉強してなくて怒られそうだから」
「それは松永が悪い」
僕がそう指摘すると、松永は頭をかいて照れた。いや、全く褒めてないんだけど。
「もしかしたら伊月さんの方は一緒に勉強したがってるかもしれないのに」
「どうかなぁ? 茉奈ちゃん、俺の勉強に関する部分は全然信頼してないから」
「言うほど成績悪くないのにそう思われるのは……日頃の行いか」
「りょーちゃん、ひどい。というか、最近明らかに茉奈ちゃん寄りで考えてるよね?」
「そりゃあ、まぁ松永に対する愚痴を聞かされてるから伊月さんの味方したくなるよ」
「それって不平等じゃん! 俺の意見も聞いてよ!」
「別にいいけど、伊月さんに物申したいことあるの?」
「……今は思い付かないかも」
松永は照れもせずそんなことを言う。
ただ、伊月さんがちょっとした愚痴があるのに対して、松永が何もないのがいいことなのか、僕には判断が付かない。
ベタ惚れならそれでいいけど、恋は盲目とも言うから何とも難しいものである。
「それにしても、りょーちゃんが色々聞いてくるのは珍しくない? もしかしてりょーちゃんも恋してる感じ?」
「いや、だから伊月さんのことがあるから聞いていただけで……」
「そんなこと言って~ 小耳に挟んだんだけど、とある子との呼び方呼ばれ方が変わったそうじゃないですかぁ」
「ど、どこから流れてるんだ!? クラス違うのに……」
「残念ながら学校の狭いコミュニティならしょーもない話題もすぐ広まっちゃうんですよ。でも、りょーちゃんがそこに行くとは」
「違うって! まさかそういう噂になってるのか!?」
「いや、全然。俺が今適当に言ってるだけ」
「あのなぁ」
「まぁまぁ。そういうとこも含めて色々聞かせてよ。そっちのクラスの話も」
そう言った松永はまだからかい気味な感じもしたけど、僕は訂正する意味も込めて喋りだした。
結果としていつも通りテスト中の下校らしからぬ世間話で盛り上がることになってしまったけど、なんだかんだ松永と話している時間は楽しいものだ。
良い息抜きにもなるので伊月さんが忙しい限りは都合の良い存在になってやろうと思う。
そんなどうでもいいことを考えられるくらいにテストは順調だった。
そして、テストを終えた放課後。僕は久しぶりに松永と下校することになる。
「今日は友達と少し勉強してから帰るって言ってさぁ」
松永は口惜しそうに言う。今週は月曜日から部活が停止していたので、ここ数日は伊月さんと一緒に下校していたらしい。恋人と一緒に下校するというシチュエーションは空想の世界だけのものではなかったようだ。
「もちろん、りょーちゃんと下校するのもそれはそれで楽しいからね?」
「どうかな? 松永にとって僕は都合のいい男かもしれない」
「あっ、今日はノッてくれる感じなんだ? 寂しくさせてごめん……」
「すまん、言い方を間違えた。それよりテスト期間なんだから伊月さんと一緒に勉強しないの?」
「しないよ」
「えっ。恋人と一緒に勉強するシチュエーションはそんなにないのか……」
「いやいや。他の人は知らないけど、俺と茉奈ちゃんはやってない」
「そうなんだ。やっぱり途中でイチャイチャしちゃうから?」
「ううん。俺が勉強してなくて怒られそうだから」
「それは松永が悪い」
僕がそう指摘すると、松永は頭をかいて照れた。いや、全く褒めてないんだけど。
「もしかしたら伊月さんの方は一緒に勉強したがってるかもしれないのに」
「どうかなぁ? 茉奈ちゃん、俺の勉強に関する部分は全然信頼してないから」
「言うほど成績悪くないのにそう思われるのは……日頃の行いか」
「りょーちゃん、ひどい。というか、最近明らかに茉奈ちゃん寄りで考えてるよね?」
「そりゃあ、まぁ松永に対する愚痴を聞かされてるから伊月さんの味方したくなるよ」
「それって不平等じゃん! 俺の意見も聞いてよ!」
「別にいいけど、伊月さんに物申したいことあるの?」
「……今は思い付かないかも」
松永は照れもせずそんなことを言う。
ただ、伊月さんがちょっとした愚痴があるのに対して、松永が何もないのがいいことなのか、僕には判断が付かない。
ベタ惚れならそれでいいけど、恋は盲目とも言うから何とも難しいものである。
「それにしても、りょーちゃんが色々聞いてくるのは珍しくない? もしかしてりょーちゃんも恋してる感じ?」
「いや、だから伊月さんのことがあるから聞いていただけで……」
「そんなこと言って~ 小耳に挟んだんだけど、とある子との呼び方呼ばれ方が変わったそうじゃないですかぁ」
「ど、どこから流れてるんだ!? クラス違うのに……」
「残念ながら学校の狭いコミュニティならしょーもない話題もすぐ広まっちゃうんですよ。でも、りょーちゃんがそこに行くとは」
「違うって! まさかそういう噂になってるのか!?」
「いや、全然。俺が今適当に言ってるだけ」
「あのなぁ」
「まぁまぁ。そういうとこも含めて色々聞かせてよ。そっちのクラスの話も」
そう言った松永はまだからかい気味な感じもしたけど、僕は訂正する意味も込めて喋りだした。
結果としていつも通りテスト中の下校らしからぬ世間話で盛り上がることになってしまったけど、なんだかんだ松永と話している時間は楽しいものだ。
良い息抜きにもなるので伊月さんが忙しい限りは都合の良い存在になってやろうと思う。
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