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2年生1学期
5月14日(土)曇り時々晴れ 停滞する清水夢愛その4
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ようやく雨が落ち着いた土曜日。そんな日であるので、僕は清水先輩から連絡があるかもしれないと思って少し早く起きたけど、特に何事もなく昼前になっていた。
そういえばGW途中から今週は清水先輩に一度も遭遇しなかった。
いや、3年生かつ同じ部活でもない清水先輩と会わないのはむしろ普通なのかもしれない。
けれど、今までは偶然の出会いや朝の散歩の誘ってくれるおかげで定期的に会えていたから、一度も遭遇しなかった今週が珍しく感じる。
それと同時に僕は何となく寂しさを感じた僕は……思い切って清水先輩にメッセージを送ってみることにした。
そもそも定期的に会えることにかまけて連絡を怠っていたことが悪いし、そうじゃなくても僕は自分から連絡しない奴だ。
あれやこれやと考えた結果、お疲れ様の定型文と共に僕は天気の話題を振ってみる。他に振れる話題は来週のテストも思い付いたけど、清水先輩にテスト勉強の話をするのはあまり良くないかもしれないと思って外した。
メッセージを送った後、テスト勉強を始めようと机に向かうと、すぐにスマホの通知音が鳴った。
――ああ。悪くない天気だ
短い返信はどう見ても話題の振り方に失敗したように見えた。よく考えればテスト前で集中したい時間だったかもしれないのに、連絡したのが間違いだったかもしれない。
そう思って会話を止める文を打ち込もうとすると、今度はスマホに通話がかかってくる。
『お疲れ、良助』
「お、お疲れ様です。すみません、忙しい時間帯に連絡してしまって」
『うん? 連絡したのは私の方なんだが?』
「いえ、その前のLINEのメッセージです。そのせいで変に思って連絡してくれたのかと」
『いや、単純にひま……テスト勉強の休憩がてらな』
「暇っていうことは勉強してなかったんですか」
『別に暇だなんて言ってない……小織には言わないでくれ』
「まぁ、勉強しなくてもテストできる人ならあまり強くは言えませんけど」
『うっ……なんか私が嫌味を言ったみたいだ』
清水先輩がバツの悪そうな顔をしているのが浮かんだので僕は少し笑ってしまう。どうやら清水先輩的に僕の連絡は都合が良いことだったようだ。
『そ、そう言う良助の方はどうなんだ。いきなり丁寧に天気の話なんかして。テスト勉強に嫌気がさしたのか?』
「そういうわけじゃないんですけど……清水先輩に会っていない期間が少しあったので、連絡してみようかと」
『言われてみるとそうか。最後に会ったのは……GW中のどこかだっけ?』
「はい。それと今日の朝、散歩に行こうと言われるかと思っていたのも……なんて、誘われる前提で言うのはおかしいですよね」
『なんだ、散歩に行きたかったのか。それなら言ってくれれば良かったのに。それで出かけても良助が行こうと行ったからと小織に言い訳できたし』
「ということは、この休みはちゃんとテスト勉強しなさい、みたいなこと言われたんですね」
『あ……で、でも、これはサボってるわけじゃなくてだな』
「大丈夫、わかってますから。桜庭先輩も最近はあまり会えてないので急にそれだけ報告することはないと思います」
『そうか……じゃあ、テストが終わったら小織も含めて遊びに行ってみるのもいいかもしれない』
「えっ? 僕はいいですけど、清水先輩たちは忙しいんじゃ……」
『少なくとも私は忙しくないから小織の予定が合えば行けると思うぞ』
「そうなんですね。それじゃあ、楽しみにしています」
『ああ……って待て、良助。もう通話を終わらせようとしていないか? もうちょっと話してもいいんじゃないか?』
「僕も勉強したいのでこれ以上は。それにこれで桜庭先輩にばれたら遊びに行けなくなりそうですし」
『む、むぅ……わかった。お互いがんばろう』
「お互い……ですか?」
『いや、本当に今からやる……はず』
清水先輩は自信無さ気にそう言いながら通話を切った。ただ、本当のところを言うと、テスト前でなければ僕もまだ話していたかった。
それでも声が聴けると思っていなかったので、ぎこちなくてもメッセージを送って良かったと思う。
それからテスト勉強を始めて一区切りした時、僕は考えた。清水先輩はどうしていきなり電話をかけてきたのだろうかと。
もしも僕と同じ理由なら……いや、また僕は浮ついたことを考えてしまっている。口約束でも遊びに行く予定ができるかもしれないのだから、テストに集中しよう。
そういえばGW途中から今週は清水先輩に一度も遭遇しなかった。
いや、3年生かつ同じ部活でもない清水先輩と会わないのはむしろ普通なのかもしれない。
けれど、今までは偶然の出会いや朝の散歩の誘ってくれるおかげで定期的に会えていたから、一度も遭遇しなかった今週が珍しく感じる。
それと同時に僕は何となく寂しさを感じた僕は……思い切って清水先輩にメッセージを送ってみることにした。
そもそも定期的に会えることにかまけて連絡を怠っていたことが悪いし、そうじゃなくても僕は自分から連絡しない奴だ。
あれやこれやと考えた結果、お疲れ様の定型文と共に僕は天気の話題を振ってみる。他に振れる話題は来週のテストも思い付いたけど、清水先輩にテスト勉強の話をするのはあまり良くないかもしれないと思って外した。
メッセージを送った後、テスト勉強を始めようと机に向かうと、すぐにスマホの通知音が鳴った。
――ああ。悪くない天気だ
短い返信はどう見ても話題の振り方に失敗したように見えた。よく考えればテスト前で集中したい時間だったかもしれないのに、連絡したのが間違いだったかもしれない。
そう思って会話を止める文を打ち込もうとすると、今度はスマホに通話がかかってくる。
『お疲れ、良助』
「お、お疲れ様です。すみません、忙しい時間帯に連絡してしまって」
『うん? 連絡したのは私の方なんだが?』
「いえ、その前のLINEのメッセージです。そのせいで変に思って連絡してくれたのかと」
『いや、単純にひま……テスト勉強の休憩がてらな』
「暇っていうことは勉強してなかったんですか」
『別に暇だなんて言ってない……小織には言わないでくれ』
「まぁ、勉強しなくてもテストできる人ならあまり強くは言えませんけど」
『うっ……なんか私が嫌味を言ったみたいだ』
清水先輩がバツの悪そうな顔をしているのが浮かんだので僕は少し笑ってしまう。どうやら清水先輩的に僕の連絡は都合が良いことだったようだ。
『そ、そう言う良助の方はどうなんだ。いきなり丁寧に天気の話なんかして。テスト勉強に嫌気がさしたのか?』
「そういうわけじゃないんですけど……清水先輩に会っていない期間が少しあったので、連絡してみようかと」
『言われてみるとそうか。最後に会ったのは……GW中のどこかだっけ?』
「はい。それと今日の朝、散歩に行こうと言われるかと思っていたのも……なんて、誘われる前提で言うのはおかしいですよね」
『なんだ、散歩に行きたかったのか。それなら言ってくれれば良かったのに。それで出かけても良助が行こうと行ったからと小織に言い訳できたし』
「ということは、この休みはちゃんとテスト勉強しなさい、みたいなこと言われたんですね」
『あ……で、でも、これはサボってるわけじゃなくてだな』
「大丈夫、わかってますから。桜庭先輩も最近はあまり会えてないので急にそれだけ報告することはないと思います」
『そうか……じゃあ、テストが終わったら小織も含めて遊びに行ってみるのもいいかもしれない』
「えっ? 僕はいいですけど、清水先輩たちは忙しいんじゃ……」
『少なくとも私は忙しくないから小織の予定が合えば行けると思うぞ』
「そうなんですね。それじゃあ、楽しみにしています」
『ああ……って待て、良助。もう通話を終わらせようとしていないか? もうちょっと話してもいいんじゃないか?』
「僕も勉強したいのでこれ以上は。それにこれで桜庭先輩にばれたら遊びに行けなくなりそうですし」
『む、むぅ……わかった。お互いがんばろう』
「お互い……ですか?」
『いや、本当に今からやる……はず』
清水先輩は自信無さ気にそう言いながら通話を切った。ただ、本当のところを言うと、テスト前でなければ僕もまだ話していたかった。
それでも声が聴けると思っていなかったので、ぎこちなくてもメッセージを送って良かったと思う。
それからテスト勉強を始めて一区切りした時、僕は考えた。清水先輩はどうしていきなり電話をかけてきたのだろうかと。
もしも僕と同じ理由なら……いや、また僕は浮ついたことを考えてしまっている。口約束でも遊びに行く予定ができるかもしれないのだから、テストに集中しよう。
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