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2年生1学期
5月2日(月)晴れ 誘う側の気持ち
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GW4日目……だけど、僕らは学校の日。うちのクラスは全員出席していたけれど、その教室内での話し声の多くは「今日も金曜日も休みだったらいいのに」というものだった。
もちろん、僕もそう思っているけれど、10連休になると帰って来られないのではないかという恐れもあった。
ただでさえ、3連休明けの今日もいつも以上に気だるさを感じるのだから、10連休明けは確実に5月病を患ってしまうだろう。
「そう考えると何で新学期始まってそんなに経ってない5月に連休あるんだろう?」
疑問を呈したのは昼休みにこちらのクラスへ遊びに来た松永だった。それに対して僕と大倉くんは少し考えていると、同じく遊び来た本田くんが先に答える。
「連休があるというか、記念日が重なってるだけじゃないか? みどりの日は比較的最近できた祝日だから、そこだけ意図的にはなるが」
「えっ、マジ? みどりの日……本当だ、2007年からだって。いやぁ、この時代に生まれて良かったぁ」
「それにタイミング的にはそんなに違和感ないだろう。ゴールデンウィークが4月末から5月、お盆休みが8月、シルバーウイークが9月もしくは10月末から11月、年末年始の休みが12月から1月。だいたい2ヶ月間隔で長期休みが設置されてる」
「おお、確かに! もしかして、ぽんちゃんって休日マスター?」
「そんなマスターになりたくないが……二人ともどうした?」
本田くんは怪訝そうな顔でそう言う。それは僕と大倉くんが二人のやり取りを温かい目で見ていたからだろう。
「いや、本田くんが1年生の時以上に松永を上手く扱ってるような気がして」
「う、うん。ボクもそう思った」
「全然嬉しくない言葉だ……」
「えっ? ぽんちゃんひどくない? そこはより仲良くなって良かったってところじゃん!」
「良ちゃんがいる間は良ちゃんが対応してくれ」
「僕も遠慮しておこうかな」
「更にひどい! えーん! クラさんだけだよ~ 俺のこと雑に扱わないのはー」
松永は大倉くんが何か言う前に飛びついて絡んだ。まぁ、この中で言えば大倉くんが一番愛想良くしてくれるのは間違いない。
そんな会話をしていくうちに、昼休みはあっという間に過ぎていった。
「さて、そろそろ戻りますかぁ。次に会うのは金曜日かな? みんな休んだりしないんでしょ?」
松永の質問に大倉くんと本田くんは頷く。
「あれ? りょーちゃんは休む感じ?」
「いや、休まないけど……」
「けど?」
「……さっき聞いた話ではみんな明日から3日間や土日も特に予定がないんだよね?」
「そうそう。茉奈ちゃんも友達と遊ぶ時間は必要だし。明日は文芸部の歓迎会でしょ?」
「うん。それなら……水曜日か木曜日にみんなで遊びに行くとか……どう?」
僕がそう言うと、大倉くんと本田くんは少し驚いて顔を見合わせる。
「もちろんいいよ! ぽんちゃんとクラさんは?」
「あ、ああ。どっちでも行けるはずだ」
「ぼ、ボクも行けるよ!」
一方の松永はその言葉を待っていたと言わんばかりにその後の予定を進めていった。
こうして、形としては僕から遊びに行く話題を切り出すことができた。恐らく言わなければ松永が提案していたのだろうけど、僕が迷っていたのを察してくれたのだろう。
実を言うと、岸本さんとの約束もメッセージを送るまで結構悩んでいたから、自分から遊びに誘うことはまだまだ慣れが必要そうだ。
それでもちょっとずつ前進しているので、また次に活かしていこうと思う。
もちろん、僕もそう思っているけれど、10連休になると帰って来られないのではないかという恐れもあった。
ただでさえ、3連休明けの今日もいつも以上に気だるさを感じるのだから、10連休明けは確実に5月病を患ってしまうだろう。
「そう考えると何で新学期始まってそんなに経ってない5月に連休あるんだろう?」
疑問を呈したのは昼休みにこちらのクラスへ遊びに来た松永だった。それに対して僕と大倉くんは少し考えていると、同じく遊び来た本田くんが先に答える。
「連休があるというか、記念日が重なってるだけじゃないか? みどりの日は比較的最近できた祝日だから、そこだけ意図的にはなるが」
「えっ、マジ? みどりの日……本当だ、2007年からだって。いやぁ、この時代に生まれて良かったぁ」
「それにタイミング的にはそんなに違和感ないだろう。ゴールデンウィークが4月末から5月、お盆休みが8月、シルバーウイークが9月もしくは10月末から11月、年末年始の休みが12月から1月。だいたい2ヶ月間隔で長期休みが設置されてる」
「おお、確かに! もしかして、ぽんちゃんって休日マスター?」
「そんなマスターになりたくないが……二人ともどうした?」
本田くんは怪訝そうな顔でそう言う。それは僕と大倉くんが二人のやり取りを温かい目で見ていたからだろう。
「いや、本田くんが1年生の時以上に松永を上手く扱ってるような気がして」
「う、うん。ボクもそう思った」
「全然嬉しくない言葉だ……」
「えっ? ぽんちゃんひどくない? そこはより仲良くなって良かったってところじゃん!」
「良ちゃんがいる間は良ちゃんが対応してくれ」
「僕も遠慮しておこうかな」
「更にひどい! えーん! クラさんだけだよ~ 俺のこと雑に扱わないのはー」
松永は大倉くんが何か言う前に飛びついて絡んだ。まぁ、この中で言えば大倉くんが一番愛想良くしてくれるのは間違いない。
そんな会話をしていくうちに、昼休みはあっという間に過ぎていった。
「さて、そろそろ戻りますかぁ。次に会うのは金曜日かな? みんな休んだりしないんでしょ?」
松永の質問に大倉くんと本田くんは頷く。
「あれ? りょーちゃんは休む感じ?」
「いや、休まないけど……」
「けど?」
「……さっき聞いた話ではみんな明日から3日間や土日も特に予定がないんだよね?」
「そうそう。茉奈ちゃんも友達と遊ぶ時間は必要だし。明日は文芸部の歓迎会でしょ?」
「うん。それなら……水曜日か木曜日にみんなで遊びに行くとか……どう?」
僕がそう言うと、大倉くんと本田くんは少し驚いて顔を見合わせる。
「もちろんいいよ! ぽんちゃんとクラさんは?」
「あ、ああ。どっちでも行けるはずだ」
「ぼ、ボクも行けるよ!」
一方の松永はその言葉を待っていたと言わんばかりにその後の予定を進めていった。
こうして、形としては僕から遊びに行く話題を切り出すことができた。恐らく言わなければ松永が提案していたのだろうけど、僕が迷っていたのを察してくれたのだろう。
実を言うと、岸本さんとの約束もメッセージを送るまで結構悩んでいたから、自分から遊びに誘うことはまだまだ慣れが必要そうだ。
それでもちょっとずつ前進しているので、また次に活かしていこうと思う。
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