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2年生1学期
4月29日(金)雨 大倉伴憲との日常その13
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GW初日の金曜日。全国的に雨が振っているので、今日から旅行に出かける人は残念な始まりかもしれない。
一方、僕はと言えば初日からいきなり予定を入れるはずもなく、いつも通り大倉くんと通話を繋ぎながらゲームする1日になった。
『う、産賀くんはこのGWで何か一気見する予定ある?』
そんな中、大倉くんから振られたのはえらく限定的な話題だった。でも、ざっくり予定を聞かれると何もないと言ってしまうので、話は広げやすい。
「一気見かぁ。そういえば漫画アプリでいくつか全話無料になってたからどれか読んでみようかな」
『そ、それならいくつかおすすめあるよ。あとはアニメも動画サイトで公開されてるし』
「へー、そうなんだ。でも、それだと逆にいっぱいあり過ぎてどれも見ないで終わるとかありそう」
『わかるわかる。結局、持ってる漫画読み返したり、ゲームしたりしてたらいつの間にかGWが終わってるんだ……』
「そう言う大倉くんは今のところ何を一気見する予定なの?」
『ぼ、ボクはアメコミ映画を見ようかと思ってる。最新作も公開されるから見直すのにいいタイミングだと思って』
「大倉くん、アメコミ系も好きだったんだ」
『じ、実はハマったのは結構最近なんだ……ミーハーかもしれない』
大倉くんの声色は少し照れてる感じだった。別にミーハーとは思わないけど、アメコミ映画ないし有名な海外の映画シリーズの話は、クラスの雑談の中でもよく出てくる気がする。
「人気があるものに興味持つのはいいことだと思う。僕は流行りに疎い方だから、最新作は一部のゲームや漫画しかわからないし」
『そ、そうなの? ボクは産賀くんから最新の話題聞くこと多い気がするけど……』
「それはたぶん人から聞いたのを話してるだけで……」
『……大山さんとか岸本さんとか?』
「うん、そうかな。あとは部活の先輩」
『なるほど……それで産賀くんの話題はちょっと女子力高めなんだ』
突然、大倉くんがそんなこと言ったので僕は驚いて咳き込む。
「そ、そんなこと思ってたの!?」
『い、いや、後で調べたりしたら男子より女子で流行ってるとかあったから……ボクは女子と話す機会ほとんどないし』
「それで言ったら僕もそんなには……」
『う、ウソだ。さっき話してるって言った』
「……まぁ、大倉くんよりは話してるかも」
『うぅ……傷を抉ってくるなぁ』
大倉くんは悲しそうに言う。だけど、昨日の僕はそういう流行の話題みたいな普通の話をできていないと指摘されたばかりなので、何とも言えない気持ちだった。
「そう考えると……僕ら含めてだけど、男子で話してることって流行り廃りはあっても、大きく変わってないよね」
『う、うん。今週の漫画とか、昨日見た実況動画とか……たぶんこの変わってないって話も前にしたんだろうなぁ』
「……僕、無料期間中に一作品は絶対読むよ。同じものを見返すのもいいけど、たまには新しいジャンルも見ていかなきゃ」
『それならボクも他の映画見てみようかなぁ……漫画原作の実写映画とか』
「お、おお。挑戦的だ」
『今で避けてきたけど、見ないで悪く言うのは良くないから……』
僕と大倉くんはそう決意してみるけど、結局今言ったこともサブカルチャーの範囲から抜け出せていないので、休み明けに男子と共有する内容はそれほど変わらなさそうだ。
一方、僕はと言えば初日からいきなり予定を入れるはずもなく、いつも通り大倉くんと通話を繋ぎながらゲームする1日になった。
『う、産賀くんはこのGWで何か一気見する予定ある?』
そんな中、大倉くんから振られたのはえらく限定的な話題だった。でも、ざっくり予定を聞かれると何もないと言ってしまうので、話は広げやすい。
「一気見かぁ。そういえば漫画アプリでいくつか全話無料になってたからどれか読んでみようかな」
『そ、それならいくつかおすすめあるよ。あとはアニメも動画サイトで公開されてるし』
「へー、そうなんだ。でも、それだと逆にいっぱいあり過ぎてどれも見ないで終わるとかありそう」
『わかるわかる。結局、持ってる漫画読み返したり、ゲームしたりしてたらいつの間にかGWが終わってるんだ……』
「そう言う大倉くんは今のところ何を一気見する予定なの?」
『ぼ、ボクはアメコミ映画を見ようかと思ってる。最新作も公開されるから見直すのにいいタイミングだと思って』
「大倉くん、アメコミ系も好きだったんだ」
『じ、実はハマったのは結構最近なんだ……ミーハーかもしれない』
大倉くんの声色は少し照れてる感じだった。別にミーハーとは思わないけど、アメコミ映画ないし有名な海外の映画シリーズの話は、クラスの雑談の中でもよく出てくる気がする。
「人気があるものに興味持つのはいいことだと思う。僕は流行りに疎い方だから、最新作は一部のゲームや漫画しかわからないし」
『そ、そうなの? ボクは産賀くんから最新の話題聞くこと多い気がするけど……』
「それはたぶん人から聞いたのを話してるだけで……」
『……大山さんとか岸本さんとか?』
「うん、そうかな。あとは部活の先輩」
『なるほど……それで産賀くんの話題はちょっと女子力高めなんだ』
突然、大倉くんがそんなこと言ったので僕は驚いて咳き込む。
「そ、そんなこと思ってたの!?」
『い、いや、後で調べたりしたら男子より女子で流行ってるとかあったから……ボクは女子と話す機会ほとんどないし』
「それで言ったら僕もそんなには……」
『う、ウソだ。さっき話してるって言った』
「……まぁ、大倉くんよりは話してるかも」
『うぅ……傷を抉ってくるなぁ』
大倉くんは悲しそうに言う。だけど、昨日の僕はそういう流行の話題みたいな普通の話をできていないと指摘されたばかりなので、何とも言えない気持ちだった。
「そう考えると……僕ら含めてだけど、男子で話してることって流行り廃りはあっても、大きく変わってないよね」
『う、うん。今週の漫画とか、昨日見た実況動画とか……たぶんこの変わってないって話も前にしたんだろうなぁ』
「……僕、無料期間中に一作品は絶対読むよ。同じものを見返すのもいいけど、たまには新しいジャンルも見ていかなきゃ」
『それならボクも他の映画見てみようかなぁ……漫画原作の実写映画とか』
「お、おお。挑戦的だ」
『今で避けてきたけど、見ないで悪く言うのは良くないから……』
僕と大倉くんはそう決意してみるけど、結局今言ったこともサブカルチャーの範囲から抜け出せていないので、休み明けに男子と共有する内容はそれほど変わらなさそうだ。
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