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2年生1学期
4月23日(土)晴れのち曇り 停滞する清水夢愛その2
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休日授業の土曜日。来週にはGWに突入するから僕的にはそれほど面倒くささは感じないけど、やっぱり土曜授業を嘆く声がクラス内から聞こえる。
そんな授業を午前中に終えた帰り。偶然のはずだけどお決まりになりつつある校門で清水先輩と遭遇する。
「おお、良助じゃないか。お疲れ」
「お疲れ様です。清水先輩、木曜日にまた購買で買う物悩んでたみたいですね」
「えっ。なんで知ってるんだ?」
「友達に聞いたんです。その子は清水先輩のことを知ってるわけじゃなかったんですけど、僕と一緒に歩いてたところを見たことがあったみたいで」
「へー でも、それだけで私とわかるのか……もしかして、私って目立ってる?」
「何を買うか悩んでいる人は割とそうだと思います。それに清水先輩は結構有名ですし」
「いや、最近はそんなに有名じゃないと思うぞ。五大美人とか久しく聞いていない」
そう言われてみると、僕の周辺でもその話題はさっぱり聞かなくなった。最初に聞いたのも松永がテニス部の先輩から聞いた話を又聞きしたから、一過性の盛り上がりだったのかもしれない。
「そうなんですね。でも、文化祭の話とか出たら1年生にも広まるかもしれないですよ」
「そういうものかなぁ。そもそもこういう噂話は誰が広めるんだろう。同じ学年ならまだしも後輩にまで知っているなんて」
「それこそ今みたいに新入生が来る時期じゃないですかね。話のきっかけに使うとか」
「ふーん……」
「あくまで想像ですけどね。ところで茶道部に1年生は入部してきましたか?」
「うん? 実香から聞いてないのか?」
清水先輩は不思議そうに言う。実香という名前は茶道部の野島さんのことだけど、僕は首を横に振った。
「聞いてません。今年も同じクラスですけど、今のところあんまり話すタイミングが無くて」
「じゃあ、実香の話も誰かから聞いた話なのか」
「の、野島さんの話とは……?」
「良助のことだよ。クラスの女子に振り回されてるとか……女子に振り回されてるとか、時々聞かされるんだ」
「振り回されてる話だけ!?」
「いや、他にもあった気がしたが忘れた。それで、実際に振り回されてるのか?」
「そんなことは……ないと思いますけど」
「ははっ。じゃあ、良助もよくわからない噂を広められているのかもな」
それから清水先輩に対して野島さんから何を聞かされているのか思い出して貰おうとがんばったけど、振り回されてることしか覚えていないようだった。
野島さんとは今度話すとして、自分では何ともないと思っていることでも知り合い同士の中では広まってしまうものなのだと思った。
そんな授業を午前中に終えた帰り。偶然のはずだけどお決まりになりつつある校門で清水先輩と遭遇する。
「おお、良助じゃないか。お疲れ」
「お疲れ様です。清水先輩、木曜日にまた購買で買う物悩んでたみたいですね」
「えっ。なんで知ってるんだ?」
「友達に聞いたんです。その子は清水先輩のことを知ってるわけじゃなかったんですけど、僕と一緒に歩いてたところを見たことがあったみたいで」
「へー でも、それだけで私とわかるのか……もしかして、私って目立ってる?」
「何を買うか悩んでいる人は割とそうだと思います。それに清水先輩は結構有名ですし」
「いや、最近はそんなに有名じゃないと思うぞ。五大美人とか久しく聞いていない」
そう言われてみると、僕の周辺でもその話題はさっぱり聞かなくなった。最初に聞いたのも松永がテニス部の先輩から聞いた話を又聞きしたから、一過性の盛り上がりだったのかもしれない。
「そうなんですね。でも、文化祭の話とか出たら1年生にも広まるかもしれないですよ」
「そういうものかなぁ。そもそもこういう噂話は誰が広めるんだろう。同じ学年ならまだしも後輩にまで知っているなんて」
「それこそ今みたいに新入生が来る時期じゃないですかね。話のきっかけに使うとか」
「ふーん……」
「あくまで想像ですけどね。ところで茶道部に1年生は入部してきましたか?」
「うん? 実香から聞いてないのか?」
清水先輩は不思議そうに言う。実香という名前は茶道部の野島さんのことだけど、僕は首を横に振った。
「聞いてません。今年も同じクラスですけど、今のところあんまり話すタイミングが無くて」
「じゃあ、実香の話も誰かから聞いた話なのか」
「の、野島さんの話とは……?」
「良助のことだよ。クラスの女子に振り回されてるとか……女子に振り回されてるとか、時々聞かされるんだ」
「振り回されてる話だけ!?」
「いや、他にもあった気がしたが忘れた。それで、実際に振り回されてるのか?」
「そんなことは……ないと思いますけど」
「ははっ。じゃあ、良助もよくわからない噂を広められているのかもな」
それから清水先輩に対して野島さんから何を聞かされているのか思い出して貰おうとがんばったけど、振り回されてることしか覚えていないようだった。
野島さんとは今度話すとして、自分では何ともないと思っていることでも知り合い同士の中では広まってしまうものなのだと思った。
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