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2年生1学期
4月17日(日)晴れ 明莉との日常その44
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いつの間にか4月も半分を折り返した日曜日。月の後半になると今年のGWに入るので、多くの学生はそこを目指して日々の生活を過ごしていることだろう。
「はぁ……今年は何をして過ごせばいいんだろう」
しかし、去年は楽しそうにGWの予定を立てていた明莉はそうでもないようだった。
「まだ慌てる時間じゃないし、5月なら普通に遊んでもいいと思うけど」
「本当にぃ? 一昨年のりょうちゃんも遊んでたっけ?」
「うーん……あんまり覚えてないけど、そんなにがっつり勉強してた覚えはないよ」
「じゃあ、具体的にいつから勉強始めたらいいの?」
「いつって言うよりは常に勉強しておく感じだと思う」
「じゃあ、やっぱりGW遊べないじゃん」
明莉は投げやりにそう言う。その辺りはさじ加減で変えられるとは思うけど、受験生であることで遊びに対して抵抗感を生んでいるようだ。もしかしたら中学で受験生らしい意識をしておくように言われたのかもしれない。
先週も思ったことだけど、そうやって意識できていること自体はとてもいい事だ。
「まぁ、遊び過ぎたらいけないのは確かなんだけど……正直に言うと、明莉がどの学校を目指すかによると思う。これまでのテストの成績や学力で問題ないなら今から無理に勉強量を増やしても仕方ないだろうし。今のところの志望校はどこなんだ?」
「それは……」
「あっ、決まってなかったり、言いづらいなら無理に言わなくてもいいよ。実際、僕も同じくらいの時期だとまだぼんやりしてたし」
「……りょうちゃんと同じ高校」
「おお、そうなのか。だったら、明莉の点数的には大丈夫だと思う。でも、さっきも言ったように――」
「……でいいのかなぁと思ってる」
そう言った明莉はいつになく弱気な感じだった。
「何か思うところがあるのか」
「いや、実際りょうちゃんの話を聞いたり、文化祭に行ったりしていい高校だとは思うんだけど、それ以外の理由があんまり無くて。ちゆりんが目指してるし、とりあえず普通科の中で今の成績に合ってるならそこになるなーって感じだから」
「……そうか。明莉的にはもっと上を目指すとか、地元から離れた高校でもいいとかある?」
「ううん。家を出たいとかそういうのも無くて……何ならもっと中学が続いて欲しいと思ってるのかも」
少し恥ずかしそうに言う明莉だけど、その気持ちは僕にもわかる。
高校受験を本格的に意識しなければならない時期になるまでは、僕も中学が永遠に続くように思っていたし、小学生の時も同じような感覚になっていたと思う。
それで周りほど具体的な目標や夢がないと、本当にそれでいいのかと思ってしまうものだ。
「明莉はえらいな」
「えっ? ど、どこが?」
「僕が中3の今頃はもっとボーっとしながら毎日過ごしていたから、今の時期で色々考えてる明莉は凄いと思う。そんな僕でもまぁこの通り何とかなってるから、明莉が今から考え過ぎて落ち込むことはないよ」
「……そうかな」
「うん。でも、とりあえずうちの高校へ行く可能性があるなら、僕も色々掘り返してみるよ。去年の自分の成績とか、対策テストとかあるだろうし」
「……ありがとう、りょうちゃん。なんかちょっとスッキリした」
前にも書いたかもしれないけど、兄妹揃って妙なところで気にし過ぎるところは良くないところだ。
今明莉が抱いている不安は新学期が始まった故の憂鬱か、受験生の間は常にあるものなのかわからない。
だけど、去年から言っているように僕ができることは惜しみなくやっていこうと思う。
「はぁ……今年は何をして過ごせばいいんだろう」
しかし、去年は楽しそうにGWの予定を立てていた明莉はそうでもないようだった。
「まだ慌てる時間じゃないし、5月なら普通に遊んでもいいと思うけど」
「本当にぃ? 一昨年のりょうちゃんも遊んでたっけ?」
「うーん……あんまり覚えてないけど、そんなにがっつり勉強してた覚えはないよ」
「じゃあ、具体的にいつから勉強始めたらいいの?」
「いつって言うよりは常に勉強しておく感じだと思う」
「じゃあ、やっぱりGW遊べないじゃん」
明莉は投げやりにそう言う。その辺りはさじ加減で変えられるとは思うけど、受験生であることで遊びに対して抵抗感を生んでいるようだ。もしかしたら中学で受験生らしい意識をしておくように言われたのかもしれない。
先週も思ったことだけど、そうやって意識できていること自体はとてもいい事だ。
「まぁ、遊び過ぎたらいけないのは確かなんだけど……正直に言うと、明莉がどの学校を目指すかによると思う。これまでのテストの成績や学力で問題ないなら今から無理に勉強量を増やしても仕方ないだろうし。今のところの志望校はどこなんだ?」
「それは……」
「あっ、決まってなかったり、言いづらいなら無理に言わなくてもいいよ。実際、僕も同じくらいの時期だとまだぼんやりしてたし」
「……りょうちゃんと同じ高校」
「おお、そうなのか。だったら、明莉の点数的には大丈夫だと思う。でも、さっきも言ったように――」
「……でいいのかなぁと思ってる」
そう言った明莉はいつになく弱気な感じだった。
「何か思うところがあるのか」
「いや、実際りょうちゃんの話を聞いたり、文化祭に行ったりしていい高校だとは思うんだけど、それ以外の理由があんまり無くて。ちゆりんが目指してるし、とりあえず普通科の中で今の成績に合ってるならそこになるなーって感じだから」
「……そうか。明莉的にはもっと上を目指すとか、地元から離れた高校でもいいとかある?」
「ううん。家を出たいとかそういうのも無くて……何ならもっと中学が続いて欲しいと思ってるのかも」
少し恥ずかしそうに言う明莉だけど、その気持ちは僕にもわかる。
高校受験を本格的に意識しなければならない時期になるまでは、僕も中学が永遠に続くように思っていたし、小学生の時も同じような感覚になっていたと思う。
それで周りほど具体的な目標や夢がないと、本当にそれでいいのかと思ってしまうものだ。
「明莉はえらいな」
「えっ? ど、どこが?」
「僕が中3の今頃はもっとボーっとしながら毎日過ごしていたから、今の時期で色々考えてる明莉は凄いと思う。そんな僕でもまぁこの通り何とかなってるから、明莉が今から考え過ぎて落ち込むことはないよ」
「……そうかな」
「うん。でも、とりあえずうちの高校へ行く可能性があるなら、僕も色々掘り返してみるよ。去年の自分の成績とか、対策テストとかあるだろうし」
「……ありがとう、りょうちゃん。なんかちょっとスッキリした」
前にも書いたかもしれないけど、兄妹揃って妙なところで気にし過ぎるところは良くないところだ。
今明莉が抱いている不安は新学期が始まった故の憂鬱か、受験生の間は常にあるものなのかわからない。
だけど、去年から言っているように僕ができることは惜しみなくやっていこうと思う。
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