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1年生春休み
3月28日(月)曇り時々晴れ 一足早い後輩との遭遇
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春休み3日目。昨日宣言した通り、今日の朝は暇かつ出かけられる天気だったので清水先輩と共に1時間ほど散歩に出かけた。このまま継続すれば春休み中なのに規則正しい生活をしてしまうかもしれない……って、よく考えたらとてもいい事だった。
清水先輩と解散した後、そんなことを考えながら帰っていると、見覚えがある二人と自宅付近で出会う。
「りょーちゃん、おはよー こんな時間から出かけてたの?」
「おはようございます、産賀さん。入れ違いにならなくて良かったです」
そう言った松永と伊月さんに僕は挨拶を返す。
「それで入れ違いって言ってたけど、僕に何か用事?」
「いやさ、茉奈ちゃんがせっかくだからりょーちゃんに挨拶しとこうって言うから」
「受験中も気にかけて貰ってたみたいなので、直接お礼を言いたかったんです。本当にありがとうございます」
「ああ、そういうことね。改めて合格おめでとう、伊月さん」
我が高校の合格発表は僕が知らないうちに終わっていたようで、春休み前に松永が伊月さんの合格を教えてくれたから、僕もお祝の言葉を松永づてに送っていた。それをわざわざ会いに来て言ってくれるのだから、やっぱり伊月さんはよく出来た子だと思う。
「これからまたお世話になるかもしれないので、その時はよろしくお願いします」
「うん。でも、伊月さんなら僕に頼らなくても大丈夫そうに見えるけど……」
「そんなことありません。産賀さんは成績もいいと浩太くんから聞いているので、テスト勉強法とか参考にしたいですし」
「いやいや、別にそんな持ち上げられるほど良くはないから。松永よりはちょっとできるだけで」
「でも、浩太くんよりできるなら……」
「ちょいちょい二人とも。ナチュラルに俺のこと下げるのやめてくれる?」
松永の割り込みに僕と伊月さんは思わず笑ってしまう。伊月さんと話した回数はそれほど多くないはずだけど、松永を通して凄く仲良くなれているような気がする。
「俺たちそろそろ行くわ。りょーちゃんはこのままご帰宅?」
「うん。僕の用事はさっき終わったから」
「へー 何してたの?」
「…………」
「えっ。なんで黙るし。言えないようなことしてた感じじゃない……というか、特に荷物とかも持ってないけど、本当に何してたの?」
「さ、散歩……」
「誰と?」
「なんで誰かいる前提なんだよ」
「いや、休みの日に動くのがそんな好きじゃないりょーちゃんが一人で散歩するわけ……」
「こら、浩太くん。あんまり詮索するの良くないよ」
松永への返答に困っていた僕に伊月さんは助け舟を出してくれる。
「ごめんごめん。それじゃあ、りょーちゃんまた今度」
「産賀さん、失礼します」
二人の姿が見えなくなるまで見送った僕はひとまずほっとする。別に隠す必要もないんだろうけど、清水先輩の話が出て最終的に困ることになりそうなのは、たぶん松永の方だ。まぁ、その気遣いと同時に弄られるのは面倒くさかったので言及を避けたのもあるけど。
それはともかく、改めて伊月さんが無事に受験を終えられたことは本当に良かった。僕のことを微妙に高く評価しているのは少しくすぐったさを感じるけど、松永を制御できる頼もしい後輩ができたことは喜んでおこう。
清水先輩と解散した後、そんなことを考えながら帰っていると、見覚えがある二人と自宅付近で出会う。
「りょーちゃん、おはよー こんな時間から出かけてたの?」
「おはようございます、産賀さん。入れ違いにならなくて良かったです」
そう言った松永と伊月さんに僕は挨拶を返す。
「それで入れ違いって言ってたけど、僕に何か用事?」
「いやさ、茉奈ちゃんがせっかくだからりょーちゃんに挨拶しとこうって言うから」
「受験中も気にかけて貰ってたみたいなので、直接お礼を言いたかったんです。本当にありがとうございます」
「ああ、そういうことね。改めて合格おめでとう、伊月さん」
我が高校の合格発表は僕が知らないうちに終わっていたようで、春休み前に松永が伊月さんの合格を教えてくれたから、僕もお祝の言葉を松永づてに送っていた。それをわざわざ会いに来て言ってくれるのだから、やっぱり伊月さんはよく出来た子だと思う。
「これからまたお世話になるかもしれないので、その時はよろしくお願いします」
「うん。でも、伊月さんなら僕に頼らなくても大丈夫そうに見えるけど……」
「そんなことありません。産賀さんは成績もいいと浩太くんから聞いているので、テスト勉強法とか参考にしたいですし」
「いやいや、別にそんな持ち上げられるほど良くはないから。松永よりはちょっとできるだけで」
「でも、浩太くんよりできるなら……」
「ちょいちょい二人とも。ナチュラルに俺のこと下げるのやめてくれる?」
松永の割り込みに僕と伊月さんは思わず笑ってしまう。伊月さんと話した回数はそれほど多くないはずだけど、松永を通して凄く仲良くなれているような気がする。
「俺たちそろそろ行くわ。りょーちゃんはこのままご帰宅?」
「うん。僕の用事はさっき終わったから」
「へー 何してたの?」
「…………」
「えっ。なんで黙るし。言えないようなことしてた感じじゃない……というか、特に荷物とかも持ってないけど、本当に何してたの?」
「さ、散歩……」
「誰と?」
「なんで誰かいる前提なんだよ」
「いや、休みの日に動くのがそんな好きじゃないりょーちゃんが一人で散歩するわけ……」
「こら、浩太くん。あんまり詮索するの良くないよ」
松永への返答に困っていた僕に伊月さんは助け舟を出してくれる。
「ごめんごめん。それじゃあ、りょーちゃんまた今度」
「産賀さん、失礼します」
二人の姿が見えなくなるまで見送った僕はひとまずほっとする。別に隠す必要もないんだろうけど、清水先輩の話が出て最終的に困ることになりそうなのは、たぶん松永の方だ。まぁ、その気遣いと同時に弄られるのは面倒くさかったので言及を避けたのもあるけど。
それはともかく、改めて伊月さんが無事に受験を終えられたことは本当に良かった。僕のことを微妙に高く評価しているのは少しくすぐったさを感じるけど、松永を制御できる頼もしい後輩ができたことは喜んでおこう。
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