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1年生3学期
3月20日(日)曇り時々晴れ 明莉との日常その40
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三連休の中で唯一予定がない日曜日。というのも、明日の祝日は岸本さんと一緒にだいぶ後回しになってしまった花園さんの誕生会を開くことになっているからだ。一応、今回は当日に祝っているからいいけど、結果的に1ヶ月近く先延ばしになったのは申し訳ない。
「りょうちゃん、来週のあかりの誕生日なんだけど」
一方、来週の24日に誕生日を迎える明莉も花園さんと同じくしっかり誕生日アピールをしてきた。同学年内だとかなり遅い誕生日になる。
「何か欲しい物でもあるの? それなら僕よりも父さんに言った方が……」
「それはそれ、これはこれだから。りょうちゃんには後日、例の和菓子屋に連れて行って貰います。何回言っても連れて行ってくれないし」
「先週からわりと予定が詰まってたから許して。後日でいいなら春休みに入ってから連れて行くよ」
「うん、それで大丈夫。電車代も含めてね」
明莉はそう言って可愛らしくお願いしてくる。
「そのつもりだったけど……そんなにお金ないの?」
「だって、春休みは他にも遊んでお金使いそうだし。あかりにとっては最後の遊べる長期休暇になるかもしれないから……」
「そこまで勉強に縛られるわけじゃないけど、まぁ、遊んでおくに越したことはないか。でも、それで言ったら僕もお金が……」
「りょうちゃん、ホワイトデー以外に何か出費あるの?」
「明日の予定のために出費があったし、来週のテストの結果によっても出費になる可能性がある」
「おお。それはリア充してる証拠だね」
「そ、そうかなぁ?」
「りょうちゃんがお金使うのだいたいゲームだろうし、買っても3ヶ月に1回くらいでしょ」
「いや、それがやりたい作品が同じ月に重なることもあるんだよ。春休み中もちょうど新作が出て……たぶん暫く買うのを我慢する」
今のところ春休み中にどこかへ行く予定はないけど、高校生になってから明らかにお金を使う回数が増えているので、何も考えずに買ってしまうと後悔することになりそうだ。
「そうだったんだ……さっきの約束はちゃんと守ってよ?」
「それはもちろん」
「でも、そこまでお財布がピンチなら休み中だけでもバイトしたらいいのに」
「うちの高校は基本バイト禁止だから」
「そんなこと言って実はこっそりやってる人も……」
「……まぁ、話には聞いてるよ」
それこそ花園さんは和菓子屋でバイトのようなことをしているけど、あれは実家の手伝いなのでノーカウントになるのだろう。
でも、それ以外にもクラスの男子がやっていると話したり、どこかの店で同学年の子を見かけた話は耳にすることがある。
「まぁ、そこは絶対に破らなそうなのがりょうちゃんらしいね」
「僕らしいも何も禁止なんだし、バレた時の方が大変だと思う。だから……がんばってやりくりしないとなぁ」
「わかった……今度行く時は注文2つで我慢するね……」
「いや、何個頼むつもりだったの!?」
そんなことを言いつつも毎月少しずつお小遣いを貰えて、基本は自由に使えているのだから僕は幸せだ。
ただ、最近はそのお金の多くを他の人のために使っているので、自分のために使う分もちょっとだけ欲しいなぁとわがままに思ってしまうのだった。
「りょうちゃん、来週のあかりの誕生日なんだけど」
一方、来週の24日に誕生日を迎える明莉も花園さんと同じくしっかり誕生日アピールをしてきた。同学年内だとかなり遅い誕生日になる。
「何か欲しい物でもあるの? それなら僕よりも父さんに言った方が……」
「それはそれ、これはこれだから。りょうちゃんには後日、例の和菓子屋に連れて行って貰います。何回言っても連れて行ってくれないし」
「先週からわりと予定が詰まってたから許して。後日でいいなら春休みに入ってから連れて行くよ」
「うん、それで大丈夫。電車代も含めてね」
明莉はそう言って可愛らしくお願いしてくる。
「そのつもりだったけど……そんなにお金ないの?」
「だって、春休みは他にも遊んでお金使いそうだし。あかりにとっては最後の遊べる長期休暇になるかもしれないから……」
「そこまで勉強に縛られるわけじゃないけど、まぁ、遊んでおくに越したことはないか。でも、それで言ったら僕もお金が……」
「りょうちゃん、ホワイトデー以外に何か出費あるの?」
「明日の予定のために出費があったし、来週のテストの結果によっても出費になる可能性がある」
「おお。それはリア充してる証拠だね」
「そ、そうかなぁ?」
「りょうちゃんがお金使うのだいたいゲームだろうし、買っても3ヶ月に1回くらいでしょ」
「いや、それがやりたい作品が同じ月に重なることもあるんだよ。春休み中もちょうど新作が出て……たぶん暫く買うのを我慢する」
今のところ春休み中にどこかへ行く予定はないけど、高校生になってから明らかにお金を使う回数が増えているので、何も考えずに買ってしまうと後悔することになりそうだ。
「そうだったんだ……さっきの約束はちゃんと守ってよ?」
「それはもちろん」
「でも、そこまでお財布がピンチなら休み中だけでもバイトしたらいいのに」
「うちの高校は基本バイト禁止だから」
「そんなこと言って実はこっそりやってる人も……」
「……まぁ、話には聞いてるよ」
それこそ花園さんは和菓子屋でバイトのようなことをしているけど、あれは実家の手伝いなのでノーカウントになるのだろう。
でも、それ以外にもクラスの男子がやっていると話したり、どこかの店で同学年の子を見かけた話は耳にすることがある。
「まぁ、そこは絶対に破らなそうなのがりょうちゃんらしいね」
「僕らしいも何も禁止なんだし、バレた時の方が大変だと思う。だから……がんばってやりくりしないとなぁ」
「わかった……今度行く時は注文2つで我慢するね……」
「いや、何個頼むつもりだったの!?」
そんなことを言いつつも毎月少しずつお小遣いを貰えて、基本は自由に使えているのだから僕は幸せだ。
ただ、最近はそのお金の多くを他の人のために使っているので、自分のために使う分もちょっとだけ欲しいなぁとわがままに思ってしまうのだった。
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