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1年生3学期

2月23日(水)曇り ノータイトル

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 天皇誕生日で祝日の水曜日。2月中はこんなに休みがあると思っていなかったけど、作品提出やテストが迫るこのタイミングで休日が挟まれるのはありがたかった。

 そして、その作品についてはこの日にほぼ完成する。以前に考えたストーリーラインの通り、幼少期から安定した将来を目指すための勉強をしていき、18歳になると同時に生涯プランを決める世界で、ちょうど18歳の誕生日を迎える前の主人公の想いを描いていく。
 その結末は……ここには書かないけど、当初よりは明るい終わり方にできた気がする。

 しかし、そのほぼ完成した作品で唯一欠けているのは……タイトルだ。以前の『ギリーの冒険』はそれ以外に思い付かなかったのですぐに決定したけど、今回の作品は主人公の名前をタイトルに持ってくるのは何か違うし、「冒険」のように単語で簡単に表せる感じでもない。
 だからこの日記を書く夜の時間になるまでタイトルだけが決定していなかった。

 最近のライトノベルのような説明文にしてみようかとも思ったけど、掻い摘めるような要素があまりないし、抽象的な表現でまとめるにしてもしっくりくるものがなかなか思い浮かばない。

(こんな時、岸本さんに相談できたら……)

 そう思ってしまうくらいには文章を仕上げる以上に悩んでしまっていた。でも、昨日の一件から今岸本さんに相談するのは気が引けてしまう。
 もちろん、相談すれば岸本さんは快く答えてくれるだろうけど、すれ違った気まずさから次に話しかけるまではもう少し時間を置きたかった。
 ただ、その時間を置くうちに締め切りの方が先に来てしまうから、自分で自分を詰みに追い込んでいる。

(許して貰うわけじゃないし……でも、謝ること以外できることはないし……)

 そのうち考えていることはタイトルのことではなく、岸本さんへどう対応するかに変わっていった。このことを忘れようとして今日は勉強や創作に集中していたけど、何事も後回しは良くないことがよくわかった。

 タイトルを決めるのも岸本さんへの対応も金曜日までには進展……すればいいなぁ。
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