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1年生2学期
11月9日(火)曇り 岸本路子との親交その12
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通常運行の火曜日。清水先輩は本当に先週で見切りをつけてしまったようで、今日は部室に来ることはなかった。ただ、その清水先輩の影響で今もぐったりしている人がいる。
「……………………」
「だ、大丈夫ですか、藤原先輩」
「……もうバッティングなんて……しない」
どうやら藤原先輩はこの前の日曜日で3日分以上の体力を使ってしまったようだ。僕はもう回復したけど、昨日も帰った後はぐっすりだったから思った以上に動いていたのだろう。
「もう、だらしないなーシュウは。ウーブ君はこんなに元気してるのに」
対するソフィア先輩は終盤までずっと元気だったので、当然ながら今日もいつも通りだ。清水先輩と一緒に藤原先輩を振り回して疲れさせた張本人なのに……と僕は心の中でツッコんでおく。
「ソフィアさんたち、どこか行ってたんですか?」
そんな盛り上がりに岸本さんが反応を見せる。
「この前の日曜日にスポッチに遊びに行ったの! あっ、岸本ちゃんも呼べば良かったなぁ。人数的にも6人だといい感じだったし」
「わ、わたしは運動系は全然なのでお気遣いなく……」
「大丈夫だよ。あんまり運動得意じゃないって言ってたシュウとウーブ君も付いて来れてたし!」
「そうなんですか……?」
ソフィア先輩の発言で岸本さんは僕と藤原先輩のことを見てくれるので、僕らは全力で首を横に振る。付いて来れたんじゃなくて、引きずられていたと言う方が正しい。
「やめとけやめとけー ソフィアに付いて行くと今のシュートくんみたいになるぞー ソースはあたしー」
「えー!? ひどいよ、森ちゃん部長! そろそろ一緒に行こうよー!」
「あたしが行くのはゆったりのんびりできることだけー」
お誘いのターゲットが森本先輩に変更されたので、岸本さんはひとまず胸をなでおろす。
「産賀くん……大変だったんだね」
「ま、まぁね。でも、疲れた分楽しめたから悪くはなかったよ。たまに行くならいいと思う」
「そうなんだ……でも、わたしもできればゆったりのんびりしたところがいいかな」
「それは同感。岸本さんなら前に行ったカフェみたいにいいところ知ってそうだね」
「ううん。わたしが知っていて実際に行ったことがあるのはあのカフェくらいで……一人で行くとなるとあまり行けないから」
岸本さんはそう言いながら少し寂しそうな顔をする。久しぶりに話題の振り方を失敗してしまった。
「そ、それなら今度行きたいところへお供するよ。僕で良ければだけど」
「えっ!? いいの……?」
「うん。前にも言ったかもしれないけど、土日は結構暇してるから」
「だったら近いうちにお願いするかもしれないわ……花園さんやできたら先輩方も誘って……」
失敗を取り繕うために咄嗟に言ったけど、岸本さんは良い方向に受け取ってくれたようだ。でも、本当に行きたいところがあるなら快く付いて行くつもりだ。
「それじゃあ、そろそろ今日の回を始めるよー……シュートくん、本当に大丈夫ー?」
「……話は聞いてるから……許して欲しい」
それはそれとして、金曜日には藤原先輩のために栄養ドリンク的な元気が出そうな飲食物を持って来ようと思った。
「……………………」
「だ、大丈夫ですか、藤原先輩」
「……もうバッティングなんて……しない」
どうやら藤原先輩はこの前の日曜日で3日分以上の体力を使ってしまったようだ。僕はもう回復したけど、昨日も帰った後はぐっすりだったから思った以上に動いていたのだろう。
「もう、だらしないなーシュウは。ウーブ君はこんなに元気してるのに」
対するソフィア先輩は終盤までずっと元気だったので、当然ながら今日もいつも通りだ。清水先輩と一緒に藤原先輩を振り回して疲れさせた張本人なのに……と僕は心の中でツッコんでおく。
「ソフィアさんたち、どこか行ってたんですか?」
そんな盛り上がりに岸本さんが反応を見せる。
「この前の日曜日にスポッチに遊びに行ったの! あっ、岸本ちゃんも呼べば良かったなぁ。人数的にも6人だといい感じだったし」
「わ、わたしは運動系は全然なのでお気遣いなく……」
「大丈夫だよ。あんまり運動得意じゃないって言ってたシュウとウーブ君も付いて来れてたし!」
「そうなんですか……?」
ソフィア先輩の発言で岸本さんは僕と藤原先輩のことを見てくれるので、僕らは全力で首を横に振る。付いて来れたんじゃなくて、引きずられていたと言う方が正しい。
「やめとけやめとけー ソフィアに付いて行くと今のシュートくんみたいになるぞー ソースはあたしー」
「えー!? ひどいよ、森ちゃん部長! そろそろ一緒に行こうよー!」
「あたしが行くのはゆったりのんびりできることだけー」
お誘いのターゲットが森本先輩に変更されたので、岸本さんはひとまず胸をなでおろす。
「産賀くん……大変だったんだね」
「ま、まぁね。でも、疲れた分楽しめたから悪くはなかったよ。たまに行くならいいと思う」
「そうなんだ……でも、わたしもできればゆったりのんびりしたところがいいかな」
「それは同感。岸本さんなら前に行ったカフェみたいにいいところ知ってそうだね」
「ううん。わたしが知っていて実際に行ったことがあるのはあのカフェくらいで……一人で行くとなるとあまり行けないから」
岸本さんはそう言いながら少し寂しそうな顔をする。久しぶりに話題の振り方を失敗してしまった。
「そ、それなら今度行きたいところへお供するよ。僕で良ければだけど」
「えっ!? いいの……?」
「うん。前にも言ったかもしれないけど、土日は結構暇してるから」
「だったら近いうちにお願いするかもしれないわ……花園さんやできたら先輩方も誘って……」
失敗を取り繕うために咄嗟に言ったけど、岸本さんは良い方向に受け取ってくれたようだ。でも、本当に行きたいところがあるなら快く付いて行くつもりだ。
「それじゃあ、そろそろ今日の回を始めるよー……シュートくん、本当に大丈夫ー?」
「……話は聞いてるから……許して欲しい」
それはそれとして、金曜日には藤原先輩のために栄養ドリンク的な元気が出そうな飲食物を持って来ようと思った。
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