78 / 942
1年生1学期
6月20日(日)晴れ 明莉との日常その11
しおりを挟む
昨日、醤油を使い過ぎたせいか、やけに喉が渇く日曜日。特に大きな用事もなくダラダラと過ごす日になっていたけど、今後のために明莉に聞いておきたい話があったことを思い出した。
ちょうどお昼ご飯を食べ終えて、居間で食休みしている明莉に僕は話しかける。
「明莉、ちょっと聞いてもいいか?」
「えっと、3サイズは事務所NGになってますので……」
「どうして僕がそんなことを……正確に測ったことあるの?」
「えっ。りょうちゃんそこ喰い付くの……」
自分から言いだしといてちょっと引かれるのは理不尽なことこの上ないけど、確かに今の反応は良くなかった。反省しよう。
「きょ、興味ないね! それより僕が聞きたいのは……明莉は友達を作る時って最初にどういうこと考えてる?」
それは絶賛新たな友達作りに励む岸本さんのための質問だった。僕が何となくアドバイスしていることは男性の視点が多いから同性である明莉の意見も欲しかったのだ。
「りょうちゃん、女子の友達は二人くらいいるのに、男子の友達はいないハーレムパターンだったの……?」
「ちゃんと男子の友達もいるよ。そうではなく……単なる世間話として聞きたいんだ」
「うーん……でも、友達作りって『うおっー! 友達作るぞー!』みたいな気合い入れてする感じじゃなくない? 何となーくいつの間にか友達になってる方が多いと思う」
「確かに同じ空間で長いこと過ごすうちにってパターンはあると思うけど……それでも新しいクラスになった時は何とか作ろうと思わないか?」
「新しいクラスでも全く知らない子って少ないからな~ 高校になるとそうでもないの?」
「そう言われると、中学はそこそこ別のクラスの顔もわかってたのに、高校は全然知らないクラスあるな……まだ2ヶ月ちょっとっていうのもあるけど」
明莉の話を聞くと、何だか高校で改めて友達を作ることは結構難しいことなんだと思えてきた。恐らく学校そのものが大きく変わったこの時期が難しいというのもあるんだろうけど、今まで同じ小学校の人がほぼそのまま流れた中学と違って、高校はもっと広い範囲から集まった知らない誰かだらけなんだ。
「りょうちゃん、そんな深刻に悩むほど……」
「違う、これはちょっと考えてた顔。実は……友達の女子がちょっと悩んでるんだ」
「えっ!? その女子は例の写真を求めた女子? 同じクラス? 部活は?」
「めちゃくちゃ喰い付いてきたな……」
「だって! りょうちゃん、可愛いって言ってくれたこと以外は全然教えてくれないじゃん! 可愛いって言ってくれたこと以外!」
「なぜ二回も言った。それにその女子とは別の女子の話だぞ」
「うわぁ!? りょうちゃん、やることやってるねぇ!」
何もやってないと否定したところで興奮気味の明莉を抑えることはできなさそうだった。その手の話になりそうなのはむしろ男子の本田くんの方だけど、明莉に話したら毎日進捗を聞かれそうだから絶対に黙っておこう。
結局、同性の明莉から得た情報は自然と仲良くなるというそれが無意識でできたら苦労しないという方法だった。今の岸本さんに当てはめると、体育の授業で一緒になるうちに達成できるかもしれないけど、たぶんそこからもう一歩必要になりそうな気がする。
ちょうどお昼ご飯を食べ終えて、居間で食休みしている明莉に僕は話しかける。
「明莉、ちょっと聞いてもいいか?」
「えっと、3サイズは事務所NGになってますので……」
「どうして僕がそんなことを……正確に測ったことあるの?」
「えっ。りょうちゃんそこ喰い付くの……」
自分から言いだしといてちょっと引かれるのは理不尽なことこの上ないけど、確かに今の反応は良くなかった。反省しよう。
「きょ、興味ないね! それより僕が聞きたいのは……明莉は友達を作る時って最初にどういうこと考えてる?」
それは絶賛新たな友達作りに励む岸本さんのための質問だった。僕が何となくアドバイスしていることは男性の視点が多いから同性である明莉の意見も欲しかったのだ。
「りょうちゃん、女子の友達は二人くらいいるのに、男子の友達はいないハーレムパターンだったの……?」
「ちゃんと男子の友達もいるよ。そうではなく……単なる世間話として聞きたいんだ」
「うーん……でも、友達作りって『うおっー! 友達作るぞー!』みたいな気合い入れてする感じじゃなくない? 何となーくいつの間にか友達になってる方が多いと思う」
「確かに同じ空間で長いこと過ごすうちにってパターンはあると思うけど……それでも新しいクラスになった時は何とか作ろうと思わないか?」
「新しいクラスでも全く知らない子って少ないからな~ 高校になるとそうでもないの?」
「そう言われると、中学はそこそこ別のクラスの顔もわかってたのに、高校は全然知らないクラスあるな……まだ2ヶ月ちょっとっていうのもあるけど」
明莉の話を聞くと、何だか高校で改めて友達を作ることは結構難しいことなんだと思えてきた。恐らく学校そのものが大きく変わったこの時期が難しいというのもあるんだろうけど、今まで同じ小学校の人がほぼそのまま流れた中学と違って、高校はもっと広い範囲から集まった知らない誰かだらけなんだ。
「りょうちゃん、そんな深刻に悩むほど……」
「違う、これはちょっと考えてた顔。実は……友達の女子がちょっと悩んでるんだ」
「えっ!? その女子は例の写真を求めた女子? 同じクラス? 部活は?」
「めちゃくちゃ喰い付いてきたな……」
「だって! りょうちゃん、可愛いって言ってくれたこと以外は全然教えてくれないじゃん! 可愛いって言ってくれたこと以外!」
「なぜ二回も言った。それにその女子とは別の女子の話だぞ」
「うわぁ!? りょうちゃん、やることやってるねぇ!」
何もやってないと否定したところで興奮気味の明莉を抑えることはできなさそうだった。その手の話になりそうなのはむしろ男子の本田くんの方だけど、明莉に話したら毎日進捗を聞かれそうだから絶対に黙っておこう。
結局、同性の明莉から得た情報は自然と仲良くなるというそれが無意識でできたら苦労しないという方法だった。今の岸本さんに当てはめると、体育の授業で一緒になるうちに達成できるかもしれないけど、たぶんそこからもう一歩必要になりそうな気がする。
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる