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1年生1学期
5月20日(木)雨 友人との日常その3
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「今からお決まりの台詞言います。……全然勉強してない」
いつも通りの昼休み。松永は昼食後に集まった僕ら3人の前でそんなことを言い出す。
「本田くん、次の32ページだけど……」
「ああ。確かそこの文章は……」
「ちょいちょーい! 無視は良くないよ~」
本田くんと一緒に問題を出し合っていた僕はそう言うなら勉強したらどうだと思いながら、ひとまず教科書を閉じる。
それを見て満足そうな松永が喋り始める。
「クラさんはどう? 勉強してる感じ?」
「ぼ、ボクは……正直、がっつりやり始めたのは昨日から。ソシャゲのイベントが火曜までが区切りでそこまではながら勉強だった……」
「そんなもんだよね~ りょーちゃんとぽんちゃんが真面目過ぎるんだって。世の中はテストムードじゃなくて昨日のゲンさんとがっきーのこととかで盛り上がってるんだから」
それほど真面目だろうかと思っていたけど、意外にも教室内の生徒はガヤガヤと普段通りの騒がしさ(ゲンさんとがっきーの話かどうかはわからない)を保ったままで、教科書を持っているのは僕と本田くんくらいだった。
すると、本田くんが松永に反論する。
「本当に真面目な人は昼休みも図書館や自習室へ行ってるらしいぞ。オレたちはまだ普通だ」
「まじか。やる人はやるんだなー」
まじか。やる人は……と同じ感想を抱いた。この高校は一応は進学校の分類ではあるけど、1年の最初からそんなやる気を出すなんて、素直に凄いと思う。
「それに勉強してないって言うやつほど、勉強してるものだろう」
「どうかなー? 俺はどっち見える?」
「ま、松永くんはやってそうな空気はあると思う」
「オレも同意だ」
大倉くんと本田くんはそう言って僕の方を見てきた。僕と松永の付き合いの長さを考えると、僕なら答えを知っていると思ってくれたのだろう。
「松永は……こう言って本当にやってないタイプ」
「そ、そうなんだ……」
「でも、テストはそこそこできるんだよな、そこそこ」
「そこそこ褒められた」
褒めなてないとツッコミながらも僕が言ったことは事実だ。赤点を取っていた覚えはあるけど、それほど絶望的な点数ではなかった。
「まぁ、俺は天才型だからなー」
「て、天才型っていうとパワプロみたい」
「あ~ そういえばさ、ちょっと前にやったサクセスでめっちゃいい感じの……」
それからあれよあれよという間にすっかりゲームの話題で盛り上がってしまった。松永の場を引っ張る感じは普段ならありがたいけど、時には厄介なことになる……と話に楽しく混ざった僕は思ったのだった。
いつも通りの昼休み。松永は昼食後に集まった僕ら3人の前でそんなことを言い出す。
「本田くん、次の32ページだけど……」
「ああ。確かそこの文章は……」
「ちょいちょーい! 無視は良くないよ~」
本田くんと一緒に問題を出し合っていた僕はそう言うなら勉強したらどうだと思いながら、ひとまず教科書を閉じる。
それを見て満足そうな松永が喋り始める。
「クラさんはどう? 勉強してる感じ?」
「ぼ、ボクは……正直、がっつりやり始めたのは昨日から。ソシャゲのイベントが火曜までが区切りでそこまではながら勉強だった……」
「そんなもんだよね~ りょーちゃんとぽんちゃんが真面目過ぎるんだって。世の中はテストムードじゃなくて昨日のゲンさんとがっきーのこととかで盛り上がってるんだから」
それほど真面目だろうかと思っていたけど、意外にも教室内の生徒はガヤガヤと普段通りの騒がしさ(ゲンさんとがっきーの話かどうかはわからない)を保ったままで、教科書を持っているのは僕と本田くんくらいだった。
すると、本田くんが松永に反論する。
「本当に真面目な人は昼休みも図書館や自習室へ行ってるらしいぞ。オレたちはまだ普通だ」
「まじか。やる人はやるんだなー」
まじか。やる人は……と同じ感想を抱いた。この高校は一応は進学校の分類ではあるけど、1年の最初からそんなやる気を出すなんて、素直に凄いと思う。
「それに勉強してないって言うやつほど、勉強してるものだろう」
「どうかなー? 俺はどっち見える?」
「ま、松永くんはやってそうな空気はあると思う」
「オレも同意だ」
大倉くんと本田くんはそう言って僕の方を見てきた。僕と松永の付き合いの長さを考えると、僕なら答えを知っていると思ってくれたのだろう。
「松永は……こう言って本当にやってないタイプ」
「そ、そうなんだ……」
「でも、テストはそこそこできるんだよな、そこそこ」
「そこそこ褒められた」
褒めなてないとツッコミながらも僕が言ったことは事実だ。赤点を取っていた覚えはあるけど、それほど絶望的な点数ではなかった。
「まぁ、俺は天才型だからなー」
「て、天才型っていうとパワプロみたい」
「あ~ そういえばさ、ちょっと前にやったサクセスでめっちゃいい感じの……」
それからあれよあれよという間にすっかりゲームの話題で盛り上がってしまった。松永の場を引っ張る感じは普段ならありがたいけど、時には厄介なことになる……と話に楽しく混ざった僕は思ったのだった。
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