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1年生1学期
5月16日(日)雨 明莉との日常その5
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今週も貴重な休みとなった日曜日。しかし、月曜日からはテスト前週間で部活も停止されるから本格的に勉強し始めないといけない日になる。
少し不安なのは……コミュ英語だ。英単語の羅列は個別で問題を出されるより難しく感じる。たぶん、ページが英文で埋まっていることでこちらを混乱させる効果が発生しているのだろう。
「りょうちゃん、何で勉強してるの!?」
「何でって、もうすぐテストだから」
部活から帰った明莉は居間で勉強していた僕に話しかけながら向かいに座る。ちなみに僕が居間で勉強しているのは、昼間の自分の部屋より集中できる気がするからだ。
「うぅ……部活で疲れてるあかりに何てひどいこと言うの……」
「明莉も時期的にテストだよな。いつから?」
「27日からだったような……そうであって欲しくないような……」
「高校は24日からだからタイミング的には同じくらいか。つまりはもう勉強し始めても……」
「だーかーらー! まだ知らないことにしたいの!」
その気持ちはわかるけど、避けられない戦いなんだから仕方ない。直前で詰め込むにしても限界があるのだ。
「りょうちゃんは部活がそんなにないから残酷なこと言えるんだよ。中学も幽霊部員だったし」
「うぐ。そう言われると何も返せない……が、テストがある事実は変えられないんだ!」
「ふっふっふっ……かかったね、りょうちゃん」
「何っ!?」
「あかりと話しているこの瞬間、りょうちゃんのテスト勉強時間は削られたのだ! あかりのこの台詞を聞いている間もりょうちゃんはノートを見ていないし、シャーペンを動かす手は手が止まっている!」
「し、しまった! せっかく居間は集中できる場所なのに……!」
「わっはっは! 聞きたくないことを聞かせた罰が当たったね!」
何という策士だ。明莉は天才かもしれない。だが、それはそれとして……
「じゃあ、今回は明莉のテスト勉強を見てあげる時間はないな……」
「えっ!?」
「しょうがないだろう。僕も高校生になったんだ。勉強も難しくなってるし(これは本当)、貴重な一分一秒が削られたなら、自分の時間を優先するしかない」
「あかりも……」
「うん?」
「……あかりも邪魔せず今から勉強するからー! ヤマ張っといた方がいいとこと教えて~!」
そんなこんなで今年も居間でお互いのテスト勉強を見張る時間がやって来るのだった。
少し不安なのは……コミュ英語だ。英単語の羅列は個別で問題を出されるより難しく感じる。たぶん、ページが英文で埋まっていることでこちらを混乱させる効果が発生しているのだろう。
「りょうちゃん、何で勉強してるの!?」
「何でって、もうすぐテストだから」
部活から帰った明莉は居間で勉強していた僕に話しかけながら向かいに座る。ちなみに僕が居間で勉強しているのは、昼間の自分の部屋より集中できる気がするからだ。
「うぅ……部活で疲れてるあかりに何てひどいこと言うの……」
「明莉も時期的にテストだよな。いつから?」
「27日からだったような……そうであって欲しくないような……」
「高校は24日からだからタイミング的には同じくらいか。つまりはもう勉強し始めても……」
「だーかーらー! まだ知らないことにしたいの!」
その気持ちはわかるけど、避けられない戦いなんだから仕方ない。直前で詰め込むにしても限界があるのだ。
「りょうちゃんは部活がそんなにないから残酷なこと言えるんだよ。中学も幽霊部員だったし」
「うぐ。そう言われると何も返せない……が、テストがある事実は変えられないんだ!」
「ふっふっふっ……かかったね、りょうちゃん」
「何っ!?」
「あかりと話しているこの瞬間、りょうちゃんのテスト勉強時間は削られたのだ! あかりのこの台詞を聞いている間もりょうちゃんはノートを見ていないし、シャーペンを動かす手は手が止まっている!」
「し、しまった! せっかく居間は集中できる場所なのに……!」
「わっはっは! 聞きたくないことを聞かせた罰が当たったね!」
何という策士だ。明莉は天才かもしれない。だが、それはそれとして……
「じゃあ、今回は明莉のテスト勉強を見てあげる時間はないな……」
「えっ!?」
「しょうがないだろう。僕も高校生になったんだ。勉強も難しくなってるし(これは本当)、貴重な一分一秒が削られたなら、自分の時間を優先するしかない」
「あかりも……」
「うん?」
「……あかりも邪魔せず今から勉強するからー! ヤマ張っといた方がいいとこと教えて~!」
そんなこんなで今年も居間でお互いのテスト勉強を見張る時間がやって来るのだった。
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