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1年生1学期
4月25日(日)晴れ 明莉との日常その3
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昨日託されためんどうく……切実な父さんの願いを実行するタイミングが早くもやって来る。お互いに遅い起床となった僕と明莉は朝食を共にしていた。
「りょうちゃーん、バターナイフ取って……」
「はい……」
ただ、思ったよりもお互いに寝起きが悪いので、もしかしたらこのまま諦めてしまうかもしれない。まぁ、いつまでと指定されたわけじゃないし、それほど焦る必要はないだろう……と思った時だった。僕のスマホに一件の通知が入る。
―良助、いいタイミングだぞ!
どこから覗いているのか知らないけど、そこまで近くにいるなら自分で聞いてくれと思ってしまう。ただ、それで悪い答えが出たら明日の仕事に支障が出るかもしれないので、僕は行動を開始した。
「明莉は……最近父さんと話してる?」
「えー……昨日の晩ご飯の時も話してたじゃん。りょうちゃんも見てるでしょ?」
「た、確かにそうか」
「いきなりどしたの?」
「いや、明莉は父さんと仲良くしてるなって。ほら、女の子は……そういう時期来るらしいし」
頭が回っていないせいか、我ながら下手くそなフリだった。しかし、父さんがどこからか見ているなら変なことは言えないし、言わせられない状況だ。
「えー……でも、最近のお父さんはちょっとうっとお……」
「ごほっ!ごほっ!」
「わっ!? りょうちゃん大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫。確かに父さんは時々テンション高いことあるよな」
「テンションっていうか……」
「そ、それにしても! 最近はあんまり父さんと出かけてないよな」
「あ~ そうだね~」
それについては明莉も自覚があったようだ。だけど、もう少し探りを入れる必要がある。
「よく考えたら先週も父さんに車で送って貰えば良かったよな」
「うーん……でも……」
「でも?」
「お父さん……毎日お仕事で疲れてると思うし、休みの日くらいゆっくりさせてあげてもいいと思ってるんだ」
「へぇ……!」
「あかりたちのためにがんばってくれてるんだもん」
予想していなかったできた答えに僕は普通に感心してしまう。そうか、本当は……
「本当はそう思ってくれてたんだなぁ!!!」
いつの間にか食卓に現れた父さんは昨日とは違う歓喜の涙を流していた。
「そんな気遣ってくれているとは知らずに……さすが明莉だ!」
「も~ 聞いてたんだ?」
「でもな、明莉。父さんは休みでも頼ってくれていいんだぞ! 明莉のためならどこにだって車を出すし、ご馳走もするから!」
「……本当に?」
「ああ!」
「どこでも?」
「もちろん!」
「じゃあ……これ!」
明莉はにっこりと笑いながら父さんに1枚の用紙を渡した。
「GW中にホテルでスイーツバイキングあるんだって! これ行きたいな~」
「任せておけ! 予約はいる感じか? 場所は、えっと……」
もう準備に取り掛かり始めた父さんがその場を去ると、明莉はひと仕事終えたような表情をして、朝食の続きを取り始めた。
「ふわぁ~ というわけでGWはスイーツバイキング決定だよ、りょうちゃん」
「う、うん……良かったな」
まさかここまで計算してさっきの話をしていたのか、それとも単なる天然によるものか。どちらにしても普段やられていることを客観的に見ると、僕はちょっとだけ恐ろしく思うのだった。
「りょうちゃーん、バターナイフ取って……」
「はい……」
ただ、思ったよりもお互いに寝起きが悪いので、もしかしたらこのまま諦めてしまうかもしれない。まぁ、いつまでと指定されたわけじゃないし、それほど焦る必要はないだろう……と思った時だった。僕のスマホに一件の通知が入る。
―良助、いいタイミングだぞ!
どこから覗いているのか知らないけど、そこまで近くにいるなら自分で聞いてくれと思ってしまう。ただ、それで悪い答えが出たら明日の仕事に支障が出るかもしれないので、僕は行動を開始した。
「明莉は……最近父さんと話してる?」
「えー……昨日の晩ご飯の時も話してたじゃん。りょうちゃんも見てるでしょ?」
「た、確かにそうか」
「いきなりどしたの?」
「いや、明莉は父さんと仲良くしてるなって。ほら、女の子は……そういう時期来るらしいし」
頭が回っていないせいか、我ながら下手くそなフリだった。しかし、父さんがどこからか見ているなら変なことは言えないし、言わせられない状況だ。
「えー……でも、最近のお父さんはちょっとうっとお……」
「ごほっ!ごほっ!」
「わっ!? りょうちゃん大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫。確かに父さんは時々テンション高いことあるよな」
「テンションっていうか……」
「そ、それにしても! 最近はあんまり父さんと出かけてないよな」
「あ~ そうだね~」
それについては明莉も自覚があったようだ。だけど、もう少し探りを入れる必要がある。
「よく考えたら先週も父さんに車で送って貰えば良かったよな」
「うーん……でも……」
「でも?」
「お父さん……毎日お仕事で疲れてると思うし、休みの日くらいゆっくりさせてあげてもいいと思ってるんだ」
「へぇ……!」
「あかりたちのためにがんばってくれてるんだもん」
予想していなかったできた答えに僕は普通に感心してしまう。そうか、本当は……
「本当はそう思ってくれてたんだなぁ!!!」
いつの間にか食卓に現れた父さんは昨日とは違う歓喜の涙を流していた。
「そんな気遣ってくれているとは知らずに……さすが明莉だ!」
「も~ 聞いてたんだ?」
「でもな、明莉。父さんは休みでも頼ってくれていいんだぞ! 明莉のためならどこにだって車を出すし、ご馳走もするから!」
「……本当に?」
「ああ!」
「どこでも?」
「もちろん!」
「じゃあ……これ!」
明莉はにっこりと笑いながら父さんに1枚の用紙を渡した。
「GW中にホテルでスイーツバイキングあるんだって! これ行きたいな~」
「任せておけ! 予約はいる感じか? 場所は、えっと……」
もう準備に取り掛かり始めた父さんがその場を去ると、明莉はひと仕事終えたような表情をして、朝食の続きを取り始めた。
「ふわぁ~ というわけでGWはスイーツバイキング決定だよ、りょうちゃん」
「う、うん……良かったな」
まさかここまで計算してさっきの話をしていたのか、それとも単なる天然によるものか。どちらにしても普段やられていることを客観的に見ると、僕はちょっとだけ恐ろしく思うのだった。
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