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1年生1学期
4月5日(月)曇りのち晴れ 松永浩太との再会(3日ぶり)
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今日は入学式だ。自宅から中学まではだいたい自転車で15分だったけど、高校は自転車25分ほどかかる距離にある。
そして、初日ということもあってやや早めに自宅を出た僕は、7時半には学校に着いてしまった。学校見学と受験、合格発表の3回以来やって来た今日から我が母校となる公立高校は、まだまだ新鮮さがあって妙に緊張する。
それから僕は合格発表とは違う位置に張り出されたクラス分けを確認した。今年の1年生は全5組で、僕は4組だった。そして、まだ人が少ないので、そのまま居座って同じクラスに知り合いがいるか確認してみようと思っていたその時だ。
「りょーちゃん、お久~!」
その声と共に後ろから僕の肩を軽く叩いたのは同じ中学の松永浩太だった。いや、中学どころか幼稚園からずっと同じでいつも仲良くして貰っている。その関係性を除いても気さくなやつだから、声をかけられた僕は少しだけ緊張が解れた。
「お久って、春休み中も何回か遊んだじゃないか」
「そういえばそうだけど、学校で毎日会ってる時と比べたらお久って感じじゃん? まっ、それより俺のクラスは……4組」
「おお、僕と一緒だ」
「ははっ、これでお久とか言わんでも済むな?」
「見事なフラグ回収だよ」
そんな会話をしながら松永と僕は自分たちの教室へ向かって行く。程なくして3階にある教室へ着くと、今度は黒板に貼られた用紙で自分の席を確認する。
「りょーちゃん、珍しく真ん中より後ろじゃん」
「確かに……「あ」と「い」の苗字の人が結構いるのかな」
「俺も位置的にはいつも通りかな~」
長い付き合いだからこそできるお互いの席順を話題にしながら、クラス全体を見渡す。やはり高校になると、中学では見ていない顔が多く、今のところ知り合いは松永しかいない。友達作りが得意とは言えないから松永と同じクラスで、しかも朝から一緒になったのは本当に良かった。
「こうくんとかはどのクラスかなー 暇だし席の名前とか隣のクラスとか見て回る?」
「登校初日でアクティブ過ぎるだろう……ちょっとは緊張してないのか?」
「まぁ、してないわけじゃないけど、何もしてないのは落ち着かないし、新しいやつにも声かけてみたいし」
「本当にアクティブだな……」
松永のそういうところは、僕にはない考え方だ。それでも、僕もせっかく高校生になったのだから、新しい輪を広げることは必要になると思う。
「おっ、斎藤ちゃんだ! お久~」
こうして、入学式が始まるまでは、松永が同じ中学の面々に声をかけていく様子を眺めることになった。さすがに初日から新しい友達は作れなかったけど、僕としては安心できる高校生活のスタートだったと思う。
そして、初日ということもあってやや早めに自宅を出た僕は、7時半には学校に着いてしまった。学校見学と受験、合格発表の3回以来やって来た今日から我が母校となる公立高校は、まだまだ新鮮さがあって妙に緊張する。
それから僕は合格発表とは違う位置に張り出されたクラス分けを確認した。今年の1年生は全5組で、僕は4組だった。そして、まだ人が少ないので、そのまま居座って同じクラスに知り合いがいるか確認してみようと思っていたその時だ。
「りょーちゃん、お久~!」
その声と共に後ろから僕の肩を軽く叩いたのは同じ中学の松永浩太だった。いや、中学どころか幼稚園からずっと同じでいつも仲良くして貰っている。その関係性を除いても気さくなやつだから、声をかけられた僕は少しだけ緊張が解れた。
「お久って、春休み中も何回か遊んだじゃないか」
「そういえばそうだけど、学校で毎日会ってる時と比べたらお久って感じじゃん? まっ、それより俺のクラスは……4組」
「おお、僕と一緒だ」
「ははっ、これでお久とか言わんでも済むな?」
「見事なフラグ回収だよ」
そんな会話をしながら松永と僕は自分たちの教室へ向かって行く。程なくして3階にある教室へ着くと、今度は黒板に貼られた用紙で自分の席を確認する。
「りょーちゃん、珍しく真ん中より後ろじゃん」
「確かに……「あ」と「い」の苗字の人が結構いるのかな」
「俺も位置的にはいつも通りかな~」
長い付き合いだからこそできるお互いの席順を話題にしながら、クラス全体を見渡す。やはり高校になると、中学では見ていない顔が多く、今のところ知り合いは松永しかいない。友達作りが得意とは言えないから松永と同じクラスで、しかも朝から一緒になったのは本当に良かった。
「こうくんとかはどのクラスかなー 暇だし席の名前とか隣のクラスとか見て回る?」
「登校初日でアクティブ過ぎるだろう……ちょっとは緊張してないのか?」
「まぁ、してないわけじゃないけど、何もしてないのは落ち着かないし、新しいやつにも声かけてみたいし」
「本当にアクティブだな……」
松永のそういうところは、僕にはない考え方だ。それでも、僕もせっかく高校生になったのだから、新しい輪を広げることは必要になると思う。
「おっ、斎藤ちゃんだ! お久~」
こうして、入学式が始まるまでは、松永が同じ中学の面々に声をかけていく様子を眺めることになった。さすがに初日から新しい友達は作れなかったけど、僕としては安心できる高校生活のスタートだったと思う。
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