125 / 172
2
だから。※
しおりを挟むお風呂上がりの無防備な前髪。ごくごくと水分を流す喉。きちんと鍛えた身体。ふとした瞬間に未だに思う。
(あれが夫で私が妻……? まじ……?)って。
美容を少しでも気にするひとはお風呂上がりはある程度時間が掛かるってもんだ。なのにブルーときたら大したことしていないのに私を追い越してさっさとベッドで待っている。
居るよね。なんにもしてないのに肌キレーな人って。さてはお前か。
「もう、早いよ」
「遅いぞ」
ふん、と意地を張りながらもベッドに腰掛ける彼の上へと跨がった。湯冷めしないよう羽織っていたワッフル生地のローブの腰紐を、自らするりと外しキスを仕掛けると、素肌を伝いくびれを掴んでベッドへ倒される。
熱の籠もった吐息を吐けば、「そそるな」と一言。
グイ、と脚を開かれ内太ももから徐々に付け根へと口付けを這わし、あと少し、というところで反対の内太ももからまた口付けを這わす。
「またそうやって焦らすっ……!」
「可愛いから苛めたくなる」
「ッ! ばかっ……!」
「殴るな」
「殴ってませんっ! 押しただけですっ!」
「だから言い訳をするな」
「ひゃあ! どこっ、つねって……!」
勃ち上がった胸の蕾をきゅっと摘み、甘く跳ねた私を意地悪に眺めるブルー。
次に銀の髪が秘部へと近付きぷくりと期待した場所に口付けた。反射的に閉じるももを押さえつけ、溢れる蜜を舌で丁寧に掬い取る。下から上へ、上から下へと往復しては、ちゅう、と膨らんだところにキスをする。
「んぁっ……! ふぅっ、んッ!」
「じっとして」
「だからむりだって……っ!」
あぁそうですか、みたいな顔して上と下の敏感な蕾を同時に弄るから余計にじっと出来ない。襲い来る快感の波にふるふると首を振ると、「限界……っ」と言って先程と同じく一気に奥まで挿入された。全くもって容赦無いんだからこの男は。
「んあぁあッ! ああもう何でッ! こんな奥までッ……!」
「ッ、何度も言わせるなっ。そんなに締め付けるなと言ってるだろう……?」
「だぁーかぁーらぁ……っ! 奥に、当たるのがッ、いけないのぉっ!」
「異世界ではっ、男を煽る勉強でもするのかっ……!?」
「んなワケ、無いっ、あんッ、あんッ、ああっ! やっ……! んっ、んんんッ、ああッ、ああーッ……!!」
激しく打ちつける腰に言葉の続きも言えぬまま、絶頂の信号が全身へと駆け巡った。遅れて彼も達したけど、やっぱりたった一度じゃ収まらない。
後ろを向いてと指示されお尻を突き出すが、バックからの方がより激しいような。初めて身体を許したあの夜もそうだった。単に主導権が握られる体位だから遠慮がないだけなのか。
「ふむ。やはり程よく鍛えられた綺麗な身体だ」
「勝手に人の筋肉量見ないでよ。しかもこの格好してるときに言わないで」
「立場的にな。怠るとすぐに分かるぞ」
「それ超やだ」
「嫌でも見るのは私だけだから良いだろう?」
「そーゆー問題じゃ、ひぁッ!」
「千聖は呑気に喋ってる余裕があるのか?」
「何よこのやろう。会話のキャッチボールしてッ! た、だけ、なのにッ!」
「余裕があるならっ、続きをどうぞ………っ」
「あッ、あッ! これっ、ちがうとこっ、あたるのっ……! んああッ! まって……! はやいッ! まって……!」
穿つ腰を止めてくれるわけでも緩めてくれるわけでもなく、導かれるまま身体を震わせ今夜だけで三度目の絶頂へと至る。せっかくお風呂でさっぱりしたのにもう汗だくだ。
本日二度目の射精を終えた彼はナカで萎むのにまた硬くなってゆく。今まで付き合ってきた男性でも最高二回だった。付け加えると皆ブルーより年下だ。
「んあっ……! 何なのもうっ! 絶倫なの!? 絶倫なんでしょ!?」
「そう言われても比べたことがないから分からない」
「ぐっ……確かにっ……。態とらしいからこんな言葉言いたくないけど……、こんなの初めて……」
「ふっ。態とらしくてもたとえ嘘でもなかなか優越感に浸れる言葉だな」
「んうぅうっ、なにこれッ……ナカでっ、どんどん大っきくなってる……ッ」
「煽るから」
「人のせい、ダメゼッタイ……っ!」
「事実だが? 明日に響くといけないから、今夜はこれで最後にしよう」
「今夜は、って……! 余力残しててむかつくっ……!」
ニヤリと腹の立つ笑みを浮かべて、私の片足を持ち上げ自慢のピストンを披露するブルーであった。
四度目の絶頂のあとぐっすり眠ったのは言うまでもない。
1
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる