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初めてのおはよう

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「──おはようエマ」

 そんな言葉を掛けられた朝は結婚してからたぶん初めてのことだった。

「ん……、ひっ──!?」
「夫の顔を見てその反応とは失礼だな」
「なっ、色々と失礼すぎる旦那様には言われたくねェのだが!?」
「君という人は本当に貴族の娘らしからぬな。今や次期候爵夫人だというのに」

(へいへい。生まれは良いが育ちが悪いものでね。スンマセンね。ったく朝から五月蝿ぇ男だぜ)
 しかし顔は良いんだから悔しい。私が『家を継げなくて村一番のイケメンを婿にできないなら嫁いでも良いけど代わりに家格は上でとびきりのイケメンにしてね』ってお父様に言った自分が恨めしい。
 そして何一つ条件と違わない人だから余計に腹が立つ。
 どうせ引く手数多の次期侯爵をお父様ったら本当にどこで探してきたんだか。

「さ、エマ。まずは昨日の続きをしようか」
「…………。昨日の続き、って……?」
「夫婦の営みだよ」
「は!? コイツ朝っぱらから何言ってやがんだ!?」
「何言ってやがんだではない!! もう本当に限界なんだよ! 君じゃなきゃ勃たないんだから仕方ないだろう!?」
「いやいやいや旦那様ったらねぇ……。いくら貴男にその気があっても女性にだって受け入れる準備ってもんが、」
「ああ。だからしておいた。君の得意な海月のエキスで」
「…………は?」
「恐らくもう効いてきてる筈だが」

 旦那様の手が下に伸び、くちゅ、と音が響く。
 じわりと熱を帯びてきて、確かに疼きはじめていた。

「は? は!? はあ!?」

(乳首に! クリトリスに!? 膣にまで!?)
 見事なシルクガウンの御開帳。
 此奴め、と拳を握ってはみるものの、じんじんしてきゅんきゅんして何かもうそれどころじゃ無い。

「ん゙ん゙~~~っ……こんの野郎ォ~~……!」
「エマ。どうだ、我慢出来ないだろう? 私も下半身が苦しくて仕方ないんだよ。まぁ何にせよ、君が嫌でも、子は作らねばならんからなぁ? それが貴族の務めだ」
「ぐぬぅ……」
「ほら、ここも随分と準備出来ていることだし」
「あッ!?」
「ほら、ほらほら、ほら」
「ん、んん゙っ、んッ!」

 悪い顔して笑って、私の顔をじっと見ながら入り口を撫で、下の蕾をくりくりと弄る。
 早く欲しいと言っているのか、ひくひくしているのが自分でも分かる。

「可愛らしい反応をするな」
「ひっ! あ、あっ……!」
「エマ、いちど達しようか」
「だ、んなさ、まぁッ、ちょ、っとまッ……!」
「そうすれば私を受け入れやすくなるだろう?」

 カリ、と乳首を甘噛みされれば「あ゙ッ……!」とはしたなく声が出た。
 舌の上で転がされ、勝手に腰が揺れてしまって、どうしようもない。海月のエキスこわい。

「嗚呼、私の妻は厭らしいな」
「あんっ、あんっ、や、もぉッ、い……!」
「さあ私に身を委ねて」
「ッ──! んあッ、ああ゙あー……ッ」

 腰が大きく跳ねて足の指が開花するみたいに開く。
 しかもこのど阿呆ったら只今絶賛達し中なのに指を突っ込んで「ふむ、どれどれ」なんて言って締まり具合を確認してくるではないか。

「なッ! 何やって……!」
「ははあ、さすがの締めつけだな。私の指が達してしまいそうだ」

(そりゃアンタが指突っ込むからでしょ……!)
 情けない、情けないったらありゃあしねェ。こんな珍紛漢紛でトンチンカンな旦那様にいいように弄られて。
 あんなにもくりくりコリコリと弄られたんじゃあ、んなもんすぐ達してしまうってもんよ。
 ふう。海月のエキスこわい。(※二度目)

 朧気な視界の中に旦那様を捉えながら、はーっはーっと荒い息を吐き、暫しの脱力。すると今が好機と言わんばかりにお硬い肉棒を捩じ込んできやがった。

「あ゙ッ──!? だ、からちょ、っと待って、ってぇ……!」
「くッ……! は、はっ……はあ……。いいや、君に合わせていたらまた、逃げられるからな……それにもう分かったぞ。エマのペースに巻き込まれるのでは駄目なんだとな……」
「へぁ……!?」
「初夜のときも、昨晩も、そして今も……! 私が主導権を握っているとどうして良いか分からないと云うようなをしているじゃないか!」
「そっ、そそそんなことは無いと思いますが……!?」

 あからさまな吃り。旦那様に鼻で笑われた。
(悔しい……! 悔しい悔しいーッ!! 事実なのが余計にーーっ!!)

「ああ。そういえば結婚式のときもそうだったな」
「え、え……?」
「都会の式は地元とは随分と違ったようだから、私に任せておけと腕を組んだときのあの表情」
「っ~~~……!」
「ふっ、恥ずかしいのか?」
「っいや、その、」
「まあ良い。今は“これ”に集中してくれ」

 ズ──、と奥まで挿入されると、子宮の入口に当たったのが分かる。思わずぎゅっと締めつけてしまった。

「ぐッ……! エマ……! 君という人は……!!」
「違ッ! わた、しじゃなく、てっ……お前じゃあ……!」

 ゴスと鈍い音がするほどのツッコミを入れても何らダメージは無く、ただ激しいピストンが繰り出されるだけ。これは何かのバトルなのか。

「あ゙ッ! 出る……ッ!」
「ふぁっ!?」

 息をつく間もなく一番奥に注がれ、思わず身体が震えた。
 それでまた息つく間もなく硬くなってピストンが始まる。

「ふぁッ……!?」
「ああっ! エマ! エマ……!」


~~1時間後~~

「だ、なさ……! 待ッ……! もっ……!」
「あ゙ーー……、エマ……、出すぞ」


~~3時間後~~

「だめッ、も、これ、いじょ……!」
「エマ……! しかしまだ収まらぬ……!」


~~5時間後~~

「あ゙ッ、ッッ……! あッ、あ、あ? あ??」
「はっ……は、はっ、ぐッ──!」


 それで気付いたら“また”朝日が昇っていた。

「………………ふぁっ??」
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