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外国には・・・外国の事情がある物ですよね? 54

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      第一章  五十話

 心底呆れた顔を見せるのはグラブフットだけではない、今話を聞いた関係者は呆れ顔を隠さない。まあ、僕が言ってるのは相当にな事くらいは分かっているが・・・ここは強気で行くべきだろう。

「勝算の話はしません。恐らくトライセンはこの話に乗って来ます。そしてギルムガンは。帝国は交渉次第、問題はグラム神聖国ですが・・・」

「確かにグラム神聖国以外は乗ってくるかもしれんが・・・」

「まあ3国の承認があれば十分ですが・・・そこは発案者としてしましょうか・・・」

 そう宣言したところ、ローランドさんが、

「あんたがグラム神聖国の人間じゃないのは、さっきそのお嬢さんサブリナから聞いたから分かってたが・・・いや、それよりも・・・あんたにはどんなに礼を言っても足らん。よくぞヤツを・・・やっと妻も安らかに・・・いや、妻だけじゃない、ヤツに殺された数多の同胞たちの無念をよくぞ・・・」

 ローランドさんは、感極まって言葉が続かない。まあ彼の事情を鑑みれば当然か・・・ローランドさんが固まっていると、サブリナが・・・

「その話自体は・・・にとっても悪いもんじゃないけど・・・正直、嫌な予感しかしないよ・・・」

 まあ、サブリナの心配も分かる。もう少し説明するべきか?・・・と思ったところへ、ミネルヴァから、

{主殿、必要な魔力エネルギー粒子の集積が完了しました。調査を開始します。}

{頼むよ。}

{おまかせ下さい!“広範囲電磁波探索魔法パワーレーダー”}

 念話骨伝導通信でミネルヴァに指示を出す。その間にも懸念は増えている様で・・・

「根回しはいいとして・・・他にも問題は山積してる。現地だけを取ってみても、まず実務を取り仕切る責任者がいない、俺やアローナには無理だぞ。それに・・・」 

「あー・・・まあ、待って下さい。詳しい事は後程、もう少し関係者を集めてお話しましょう。今は先にギルムガンの国王に謁見して、病状の回復を優先しないと、全てです。」

 それを聞いたアローナの瞳が輝く!

「助けてくれるの?」

「・・・勘違いしない様に。これは取引ビジネスです。かの王にはそれなりのを要求させて頂きますので、そのつもりで居て下さい。」

「そこでの話が出てくるわけね。そんな物、命さえ助かればなんとかするわよ! 」

 ふむ・・・なる程、彼女の性格は分かりやすくて助かる。そこで、サブリナが改めて問い掛けてきた。

「正直・・・話の展開が早すぎて訳が分かんないよ。あんたヴィルヘルムの使いだって言ってたけど・・・ 」

「・・・僕は平穏がだけのしがない魔法使いですよ・・・」 

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{主殿、ギドルガモンは完全に活動を停止していますが・・・恐らく心臓部コントロールコア休眠スリープしているだけだと思われます。現在は魔力体が消失しの姿になっております。}

分かったよ。とりあえずコア周辺の土砂や岩を取り除いて接近出来る様にしてくれ。}

「皆さん。これからギドルガモンの心臓部コントロールコアを確認します。同行を・・・はい全員ですね・・・」 

 ここまで関わった主要人物達は、やはりその目で確かめずにはいられ無いのだろう。ただ、同行するのはいいが、その間兵士達をそのままにしておく訳にもいかない。

 ギルムガンの兵員達はまだ目を覚まさない物も多数いる。グラブフットが一部の魔法兵部隊に回復魔法を施し、その魔法兵がまた別の兵士達を回復させていった。その後グラブフットとアローナが事のあらましを説明して待機を命じると、事態を目撃していた兵士達のおかげで、とりあえずは大人しく待機してくれた。

「それでは参りましょうか・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 エンター2の出口をコアのある空間に繋ぎ、直接ゲートからその空間にでた瞬間・・・まるでと錯覚するほど濃密な魔力エネルギー粒子が漂っている。そしてその空間の中心には、直径にして2mはあるだろうか? ギラギラと、有り体にいえば下品な輝きを放つ、メタリックグリーンの球体が転がっていた。

「これは・・・またとんでもないですね。」

 僕の後に続いてこの場に入ってきた面々もそれぞれに驚いている。

{ミネルヴァ、エコーロケーションやパワーレーダーでの構造を解析出来るだろうか?}

{試してみます。暫くお待ち下さい。}

{頼む。}

 改めてコアを確認してみる。大きさや形はさて置き・・・メタリックグリーンに輝くその表面は、どうにもサイケデリックな雰囲気がして、正直この世界には似つかわしく無いを感じてしまう。

「うーん地母神の涙ガイアラドライトは一体どこにあるんだろう?グラブフットさん、何か知りませんか?」

「すまねえ、俺もガイアラドライトについては詳しい事は分からねえ。ただ古文書曰わくギドルガモンを倒した者に与えられるとしか・・・」

「そうですか・・・弱りましたね・・・」

 仕方ないのでミネルヴァの解析が済むまで、改めて全体を見て回る、継ぎ目等は全く確認出来ないが、一部に文字が刻まれているのをローランドさんか発見した。流石は元ベテラン冒険者だ。まあ、刻んであったのは真上の部分で、よじ登ってみたローランドさんしか気付かないのは当たり前だったが・・・

「あーこれは・・・残念だがわしには読めんよ。」

 どうも現在普及している言語とは全く違う言語で書かれているようだ。仕方ない、解析が済んだらミネルヴァに頼んで上から見て貰おう。そう思って何気なくコアに手を触れた時、

『 ♪ Congratulation ! Clear the first stage !  』


 のセリフが突然で響き渡った・・・

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 突然、で響き渡った“ファーストステージクリア”の機械音声と共にミネルヴァからの通信が入る。

{主殿! コアから特殊な魔力エネルギー粒子回路が接続コネクトされました。現在、抗生防壁による一時遮断を行っております。本体についてはまだ解析中ですが、回路から送られて来ているのはある種の応用魔法構文アプリケーションと推察されます。いかがなさいますか? }

{危険なウィルスの可能性は? }

{スキャンした内容を見る限り問題ないかと・・・裏口バックドア脆弱性セキュリティーホールなども見当たりません。仕様説明文チュートリアルが設定されていますので抜粋したコピーをモノクルに表示致します。}

{頼むよ。}

 相変わらずの万能感を漂わせるミネルヴァからモノクルに仕様説明文チュートリアルが送られて来る。そして・・・読んで初めて理解した。

地母神の涙ガイアラドライトとはそういう物だったのか・・・」

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