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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

108.神様です。

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「さて、では全員そろったことですし、会議を始めましょうか。ああ、一応言っておきますが、この会合の議題は『世界樹様と精霊妃を侮辱した者達に対する処罰』です。国の膿出しに興味はありませんし義務も義理もございません。ですから、勝手にそっちで行ってくださいね?」

「もちろんです。」

宰相はゆっくりと言い聞かせるように答えた後、謝罪を口にした。

「今回の騒動はひとえに、宰相である私を筆頭に政治に関わって来た者達のつけです。精霊妃様に、いえ、世界樹様や精霊の皆様に関する知識の継承の義務があるにもかかわらず、義務を怠った者たちを無視しておりました。」

「左様。わしらもそれを知ったうえで見逃しておりました。その結果このような事態を引き起こし、事の重大さ意を気付くことが出来なかった過去の己に失望しております。そのうえで精霊妃様のご協力を欲するのは傲慢ごうまん極まりない事です。我が国の事は、我が国で行います。」

「我が国のせいでこのような事態となりましたこと、宰相として謝罪いたします。要求があるのでしたら全力で、実現に向け行動する所存です。」

そう口にした公爵二人を見て、ほぼ空気と化していたウィール様は「当然だね」と言った。

「あらウィール様厳しい事で。」

「……君が言うと嫌味だよ。」

呆れた顔でウィール様が呟くと、ヴンと開いた空間から神様が下りてきた。呆れた顔をしたウィール様を見てたことでなんとなく察した神様は口を開いた。

「せん…。」

「………………(ニコニコニコニコニコ)」

「小鳥美。精霊妃小鳥美、今度は何をしたのかな?」

「あら嫌ですわ神様。まだ何もしていません。」

「これからする予定なんだね……あぁ、頭が痛い。」

そっと差し出された紅茶を神様が飲んでいる間に、貴族の皆に説明をする。

「こちら、神様です。」

「?」

「神様。そういうことで。進めますね。」

「えっ?」
「えーっと…………?」
「はて?」
「あぁ……」
「(小声)父上、こういう方なので諦めてしまった方が…………。」
「(小声)そうか……………そうか、分かったレイピスト。」

「進めますね?ひとまず今回の騒動で、既に決まっていることを確認させていただきます。明日、私は公爵様の奥方に淑女教育を受けに行きます。そして今日の5日後、夜会が開かれる。殿下、何か相違点がありますか?」

「ありません。」

「ふむ………。精霊妃様、よろしいですかな?」

「何でしょう。」

あらかたの意見を無視して、とりあえず出てきたオガリスの質問を待つ。

「意見は二つです。一つ、精霊妃様は普段男装していると聞きました。我らに対しては普段通りの口調で構いませんぞ。言いふらすような輩は連れてきておりません。二つ、精霊妃様に今必要なのは礼儀作法ではなく貴族としての知識と思われます。貴族たちが最低限持っている知識を中心に、明日の教育の予定を組んでもよろしいですかな?」

「教育の予定についてはそのようにお願いいたします。私には何が足りているのか、元の世界の礼儀作法と何がどう違うのかすら分からない状況ですから。公爵として認められているオガリス様が言うのであれば、礼儀はどうにかなっているようですから知識を優先いたしましょう。」

「では、その様に。」

「口調は………………どうしますかねぇ?一心、どう思います?」

正直緑のドレスから男性用の緑の洋服に着替えたいので、期待を込めて一心を見つめる。

自然と猫のように歪む口元と、一つの答えしか求めていないキラキラとした目を向けること数秒。

「…………………。」

おおよそ主に向ける目ではない呆れを多く含み「何やってんだあんた」という目を向ける息子は、僅かに天を見上げて神様と何かを分かり合った。

何を分かり合ったのか、後でお母さんに言いなさい。いいね!
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