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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
83.第一回作戦会議
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「それで、今回の夜会に出る獲物は伯爵家のみでいいのですか?ああ、もう面倒なので口調は戻しますね。そちらも、不敬だの処分だのは言いませんので、どうぞご自由に。」
「獲物……。まぁ、その通りなのですが……」
淑女らしくはないがドカリと背もたれによりかかり、普段の口調に戻す。
「………もともと混ざっていましたけど?」
「うるさいよ一心。」
紅茶を飲んで、うるさい息子を睨みつける。
「一応言っておきますが、あなた方の普段の口調や性格はこちらで調べてありますので、取り繕う必要はあまりないかと存じます。」
シレッとこちらを無視して殿下達三人に向けて言う一心。いち早く反応を示したのは騎士二人。
「ククッ……。精霊妃様方もこう言っておられることですし、よろしいのでは?殿下。」
「下手に取り繕って不快に思われるよりもいいんじゃないか?割り切ってしまえ、殿下。」
「はぁ………。なら、二人も普段通り呼んでくれるんだよね?」
「かまわないですよ?カリストロ。」
「かまわん。さっさと慣れてしまえ、その方が楽だぞ?カリストロ。」
意地悪返しをしたものの、サラリと流された騎士二人に恨めしそうな顔をして、こちらに向き直った殿下。
「……質問に答えるよ。獲物、もとい今回の標的は主に3つの伯爵家と王妃になる。主だった動きをしているのが伯爵家のロウ伯爵。精霊妃様に……」
「小鳥美」
「……小鳥美様に茶器を投げつけたのがこの家の長女であり、私の婚約者候補でもあります。一応言っておきますが、伯爵家から名目上必要なので出してもらっただけで婚約者になる可能性はありません。」
思い出してうんざりしている殿下。
「あれは民の税を食べる虫でいいだろう。」
「ヤドゥール、それでは蜘蛛や蜂などの益虫に失礼ですよ。害虫で十分でしょう。」
「それもそうだな。」
「ウワァ、ヒッドーイ。そんな奴が王妃になったら国潰そう。」
棒読みで参戦しつつ、先に進める。
「残りのクィラッツ伯爵家、ミーロト伯爵家は主だった行動はしていないものの、同じように私の婚約者候補がいる。この3家に共通していることは、国の膿であり民の税金で生きているにもかかわらず民を見下していること。浪費が激しい事。自身の収入だけではあき足らず、国の金を横領していることだ。」
殿下が少し苦い顔をして、国の内情を話した。
「陛下のために補足をさせてもらう。陛下は気づいていたが証拠が掴めず、掴めていた証拠で罪を追及したところで大した罪にならなかったため、決定的な証拠をつかむために泳がせていた。」
ヤドゥールがそうフォローを入れても、思うことは変わらない。
ジトッとした目を向けて、呆れ声を出した。
「獲物……。まぁ、その通りなのですが……」
淑女らしくはないがドカリと背もたれによりかかり、普段の口調に戻す。
「………もともと混ざっていましたけど?」
「うるさいよ一心。」
紅茶を飲んで、うるさい息子を睨みつける。
「一応言っておきますが、あなた方の普段の口調や性格はこちらで調べてありますので、取り繕う必要はあまりないかと存じます。」
シレッとこちらを無視して殿下達三人に向けて言う一心。いち早く反応を示したのは騎士二人。
「ククッ……。精霊妃様方もこう言っておられることですし、よろしいのでは?殿下。」
「下手に取り繕って不快に思われるよりもいいんじゃないか?割り切ってしまえ、殿下。」
「はぁ………。なら、二人も普段通り呼んでくれるんだよね?」
「かまわないですよ?カリストロ。」
「かまわん。さっさと慣れてしまえ、その方が楽だぞ?カリストロ。」
意地悪返しをしたものの、サラリと流された騎士二人に恨めしそうな顔をして、こちらに向き直った殿下。
「……質問に答えるよ。獲物、もとい今回の標的は主に3つの伯爵家と王妃になる。主だった動きをしているのが伯爵家のロウ伯爵。精霊妃様に……」
「小鳥美」
「……小鳥美様に茶器を投げつけたのがこの家の長女であり、私の婚約者候補でもあります。一応言っておきますが、伯爵家から名目上必要なので出してもらっただけで婚約者になる可能性はありません。」
思い出してうんざりしている殿下。
「あれは民の税を食べる虫でいいだろう。」
「ヤドゥール、それでは蜘蛛や蜂などの益虫に失礼ですよ。害虫で十分でしょう。」
「それもそうだな。」
「ウワァ、ヒッドーイ。そんな奴が王妃になったら国潰そう。」
棒読みで参戦しつつ、先に進める。
「残りのクィラッツ伯爵家、ミーロト伯爵家は主だった行動はしていないものの、同じように私の婚約者候補がいる。この3家に共通していることは、国の膿であり民の税金で生きているにもかかわらず民を見下していること。浪費が激しい事。自身の収入だけではあき足らず、国の金を横領していることだ。」
殿下が少し苦い顔をして、国の内情を話した。
「陛下のために補足をさせてもらう。陛下は気づいていたが証拠が掴めず、掴めていた証拠で罪を追及したところで大した罪にならなかったため、決定的な証拠をつかむために泳がせていた。」
ヤドゥールがそうフォローを入れても、思うことは変わらない。
ジトッとした目を向けて、呆れ声を出した。
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