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第1章
SIDE 騎士団
しおりを挟む「やっと宿舎に着いたか・・・」
ティナは無事帰ってこれたことにホッとした。
わずかな時間だったが、緊張していたせいか肉体的というより精神的にかなり疲れたようだ。
「副団長。お疲れ様でした」
「ああ。お前たちも疲れただろう。明日は1日休んで明後日から通常訓練に戻れ。それと小隊長を2人共呼んできてくれ。あと陛下に報告を出すから早馬の準備も頼む」
「わかりました。それでは失礼します」
自分の執務室に入り、席についたティナはフーっと息を吐きながら天井を仰いだ。
目を瞑ればこのまま寝入ってしまいそうだ。
するとノックが聞こえた。
「ビット並びにバノギス到着しました!」
「入れ」
ここの場所に連れて来てるのは、4つの50人小隊のうちの2つだ。
呼んだのはその2つの小隊長だ。
「座ってくれ」
「失礼します。それで副団長。ダンジョンはどうでしたか?だいぶお疲れのようですが」
「ふむ。どう説明したものか。お前たちはダンジョンの内部の話までは知らないな?」
「はい。ダンジョンが出来たとしか聞いておりません」
「そうか。私も初めて足を踏み入れたが、ガイス殿の話によると、以前とは入口から内部まで全く別物らしい。それに今回は全容がわからず撤退してきた」
「そ、それは探索が困難になるほど魔物がいるということでしょうか?出来たと聞いていたので小規模だと思っていたのですが・・・」
「いや。魔物自体は以前と同じスライムとゴブリンで大したことない。しかし、以前最奥だと思われる場所から成長したらしくてな。その先が奥に行くほど地形が複雑になり、日数がかかりそうで危険と判断して引き返してきた」
「そうでしたか。では引き続き次の調査があるということですね。我々は何をすればよろしいでしょうか?」
「そうだ。第2陣を1週間前後の出発で考えている。それでビット隊からは、ビットを含む探索が得意なのを5人出してくれ。それ以外は拠点周辺の巡回。バノギス隊は、魔の森周辺の探索。特に他の場所にもダンジョンの入口がないか注意して探索してくれ。野営は視野にいれなくていいが、出来るだけ広範囲を頼む」
「「了解しました!」」
「あとは、バノギス隊の5人ほどで王都の団長に陛下宛の手紙を届けて欲しい。冒険者ギルドからも数人送られるはずだから、それに同行するといい。以上だ」
ビットとバノギスは隊に指示するために足早に退出していった。
部屋に残ったティナは
「ダンジョンのこともだが、人が増えると治安が悪くなりそうだ。何もトラブルが起きなければいいが・・・。今のうちに増員するように手紙に書いておくか」
とため息をつきながら筆を取るのだった。
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