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23話

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開始時刻ちょうど、太鼓同好会の演奏が始まる。

間髪入れずに次の出し物のダンスサークルにラインを飛ばし、3組目のバンドにも準備を促す。控室なんて入れて2グループが限界だ、速やかに人員を入れ替えていかなければ。

正直、目の前で出し物やっているけど全く頭に入ってこないんだが…。これがURAKATAか。

でも、見ている人たちが楽しそうにしているから良しとしようか。するとそこに

「あらた兄ちゃん!」

振り向くと昇の妹のみちるちゃんがお母さんと来ていた。

「みちるちゃん来たんだね♪」

「うん!」

「お二人は昇のお友達?」お母さんがみちるちゃんに尋ねる

「そうだよ!一緒に肝試し行ったの!」

「そうなの、昇がお世話になってます」お母さんが挨拶をしてくれる。

「いえいえ、こちらこそ。教室には行きましたか?」

「まだ…。とりあえず体育館に来てみたんです」

「昇くんの執事姿似合ってますよ♪ 教室の場所わかりますか?」

「いえ…。ほとんど来たことありませんから」

「新くん、ちょっと案内してくるね!」

「うん」

「新兄ちゃん、またね♪」

「楽しんどいで」

ユイが二人を教室へと連れていった。5組目が終わったら30分の昼休憩がある、それまではノンストップだ。

ちょっと一息つこうとしたその時

ピロリン♪

ラインを開くと
『すいません! 小道具が壊れてしまって、直すのに時間がかかるのでなんとかなりませんか!?』

4組目の演劇だった。

くー、さっそく来たか。『その小道具は無いとどうしようもないですか?』

『これがないと芝居が進まないんです!』

『他を当たってみます。とりあえず急いで直してください』

『わかりました!』

しょうもない小道具だったら許さんぞ! 

『すぐにステージに出れる方いませんか? 4組目の演劇が少しトラブルがあって遅れてしまうらしいんです。協力お願いします』

すぐに動けるグループがないか代表者にラインを飛ばす

「ただいま! トラブルみたいだね!」ユイが帰ってきた

「そうなんだ。時間が無いのに、既読がつかない!」イライラが溢れてくる

「うーん…。あ!僕に任せてよ!」

「なんとかなりそうなのか!頼む!」

ユイがそのまま急ぎ足で体育館から出ていく。頼りになるーーー!!!!

焦っているからか心の中で叫び

(あのクソビッチめ…。)

田中に八つ当たりする。俺もガキだな。

ピロリン♪

『新くん! マジシャンズが出れるって!』

『そうか! 急いでくれ!』

『うん!』

ユイがあっという間に次の当てを探し出してくれた、ふぅ…。

バンド演奏で会場が盛り上がってる中、ユイが手品を披露するマジシャンズを連れてきてくれた。

「全く、演劇部も困ったものだな。まぁ、僕らはいつでも最高のパフォーマンスを出すことができるけどね」

「そうだね。 じゃああそこで待機してて、アナウンスで紹介されたらよろしく」

「うむ、みんな行こう」

そう、この粋がっている感じ、佐々木だった。ユイがそそくさと控室に連れていく。

「すいません予定変更です。4組目がマジシャンズに変更になりました、お願いします」

「わかりました」

俺も放送部に変更を伝えて

『この件は大丈夫です』

とさっきのラインの後に追記する。本当は『この役立たずどもが!!』と書きたくてしょうがないが…。出れなくてもいいからせめて返信してくれ、、まじ。

なんとか最初のトラブルは乗り越えられた。5組目の科学実験ショーも始まりこの後は少し休憩だ、ちょっと余裕ができたな。

(続く)
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