23 / 39
23 過去のバイトとか何でも良いけど
しおりを挟む
心を許せる相手に出会えば、今までの拘りが嘘のように解けて行く。過剰な拘りは自分を守る手段で、その中にあったのは弱い自分だった。
目覚めてキスされて、用意された朝食を食べ、洗濯や掃除をするハルを見ながらソファでまったりして、お昼を食べに行きつつ買い物をした。借りた服を貰ったから、代わりに服をプレゼントしたら、色違いの同じのを贈られた。本末転倒。大学が違うし、かぶっても偶然で良いんじゃない? とハルは強気。まあ、服買うお金もケチっていたから有難いんだけど。夕方、ハルの家に戻って着替えて、軽く飯食って出かける。ハルの車で移動したけど、グラウンドの反対の道で降ろして貰って、ひとりで来たを装う。
五條と合流してベンチでスパイクに履き替えて、ハルのチームと挨拶を交わす。とりあえず走ったり柔軟したり基礎練習したりで試合に向かう。
俺はホント体が鈍っているし散々で、でもチームのヤツらは普通に接してくれるし、ハルチームも上手いしで、上手くは行かないながらも楽しくて。ギャラリーには蓮池と夕凪がいて彼女もいて、その他もいたけど、グラウンドを囲うフェンスの向こう側だったから気に留めないようにしていた。
「ハルって金持ちだろ」
試合の合間の休憩中、同じ場所で休んでいるハルに言う。だってスパイクがすげえ高いヤツ。プロも履いてる。思わず踏んでやりたくなるくらいに羨ましい。
「だよな、ありえねえよな」
ハルのチームのヤツが隣で笑ってて、ハルは困り顔だ。
「何気にいい物ばっかだし」
セキュリティしっかりしたマンションに住んでて、車持ってて、服もいっぱい。いい匂いがして、生活にゆとりがあって、綺麗好きで、スパイク高いヤツ。
「っていうか貰い物だろ?」
チームのヤツのからかいに笑っているハルだけど、さっと俺を見た視線に伺うような素振りがあった。なんだろうと思う。
「客からの貢物だよな? 良いなぁ」
「客?」
俺の問い返しにチームのヤツがニヤッと笑う。
「ハルは先月までホストやってたの、知らねえの?」
「そうなんだ、知らなかった」
ハルを見る。何か言いたそうだけど、ここでは初対面っぽく振る舞っているから言えないのだろう。弁解は後で聞く。っていうか、別にホストしてたって聞いたって悪いとか嫌だとか思わないけど。知らなかったけど、会って間もないのだから仕方がない。これから知れば良い。
「休憩終わり」
五條の声かけで試合が再開する。走り出すと同時に横にハルが来て、小さな声でごめんって言って来た。それには何で? って返して、後で話そうと言われた。そんなのなんでもない事だって言うように笑って、肩を叩く。
「降ろした所で待ってて良い?」
「うん」
ハルの誘いに頷く。そんなに早く話したい? って思うけど、ハルが話したいのなら断る理由はない。そんな小声の会話をして、ハルのホッとした表情を見て、大袈裟だなとは思うのだけど、気にされるのは素直に嬉しいと思った。
目覚めてキスされて、用意された朝食を食べ、洗濯や掃除をするハルを見ながらソファでまったりして、お昼を食べに行きつつ買い物をした。借りた服を貰ったから、代わりに服をプレゼントしたら、色違いの同じのを贈られた。本末転倒。大学が違うし、かぶっても偶然で良いんじゃない? とハルは強気。まあ、服買うお金もケチっていたから有難いんだけど。夕方、ハルの家に戻って着替えて、軽く飯食って出かける。ハルの車で移動したけど、グラウンドの反対の道で降ろして貰って、ひとりで来たを装う。
五條と合流してベンチでスパイクに履き替えて、ハルのチームと挨拶を交わす。とりあえず走ったり柔軟したり基礎練習したりで試合に向かう。
俺はホント体が鈍っているし散々で、でもチームのヤツらは普通に接してくれるし、ハルチームも上手いしで、上手くは行かないながらも楽しくて。ギャラリーには蓮池と夕凪がいて彼女もいて、その他もいたけど、グラウンドを囲うフェンスの向こう側だったから気に留めないようにしていた。
「ハルって金持ちだろ」
試合の合間の休憩中、同じ場所で休んでいるハルに言う。だってスパイクがすげえ高いヤツ。プロも履いてる。思わず踏んでやりたくなるくらいに羨ましい。
「だよな、ありえねえよな」
ハルのチームのヤツが隣で笑ってて、ハルは困り顔だ。
「何気にいい物ばっかだし」
セキュリティしっかりしたマンションに住んでて、車持ってて、服もいっぱい。いい匂いがして、生活にゆとりがあって、綺麗好きで、スパイク高いヤツ。
「っていうか貰い物だろ?」
チームのヤツのからかいに笑っているハルだけど、さっと俺を見た視線に伺うような素振りがあった。なんだろうと思う。
「客からの貢物だよな? 良いなぁ」
「客?」
俺の問い返しにチームのヤツがニヤッと笑う。
「ハルは先月までホストやってたの、知らねえの?」
「そうなんだ、知らなかった」
ハルを見る。何か言いたそうだけど、ここでは初対面っぽく振る舞っているから言えないのだろう。弁解は後で聞く。っていうか、別にホストしてたって聞いたって悪いとか嫌だとか思わないけど。知らなかったけど、会って間もないのだから仕方がない。これから知れば良い。
「休憩終わり」
五條の声かけで試合が再開する。走り出すと同時に横にハルが来て、小さな声でごめんって言って来た。それには何で? って返して、後で話そうと言われた。そんなのなんでもない事だって言うように笑って、肩を叩く。
「降ろした所で待ってて良い?」
「うん」
ハルの誘いに頷く。そんなに早く話したい? って思うけど、ハルが話したいのなら断る理由はない。そんな小声の会話をして、ハルのホッとした表情を見て、大袈裟だなとは思うのだけど、気にされるのは素直に嬉しいと思った。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い
papporopueeee
BL
契約社員として働いている川崎 翠(かわさき あきら)。
派遣先の上司からミドリと呼ばれている彼は、ある日オカマバーへと連れていかれる。
そこで出会ったのは可憐な容姿を持つ少年ツキ。
無垢な少女然としたツキに惹かれるミドリであったが、
女性との性経験の無いままにツキに入れ込んでいいものか苦悩する。
一方、ツキは性欲の赴くままにアキラへとアプローチをかけるのだった。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
イケメンと体が入れ替わってラッキーと思ったらそのイケメンがゲイだった
SAI
BL
イケメンと体が入れ替わった!これで女の子とイチャイチャし放題だ!!
喜んだのもつかの間、女の子とホテルにいるとカチンと音が鳴って体が戻っちゃった。
戻った自分の前にはハーフ系の可愛い男子が全裸になっていた。
「僕、あなたみたいな人をアンアン言わせるのが好きなんですよ」
男のナニが圭太のアソコに……。圭太の運命はいかに。
体が入れ替わったり戻ったりを繰り返すドタバタラブロマンス。
※予告なく性描写が入ります。ご注意ください。
※最終話におまけとして圭太と阿川のイラストを置いてあります。2枚のうち1枚はR18イラストになりますので、苦手な方はご注意ください。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる