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19 微妙な関係性
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男同士の付き合いに女が絡むと面倒だけど、絡まなければその先はない訳で、一般男子はその先のアレコレが必要な訳で、俺は? って思うと、さらに面倒な男同士の付き合いの先が必要なのかと気が遠くなる。
「N大のフットサル仲間で、ハルな」
よろしくって言って、ハルを見る。昨日の夜電話したよな? 何も言ってなかったのに。サプライズ? それともあの通話の後に五條と電話した? それとも会った? 普通に笑ってるし、何の違和感もない。紹介している五條も普通。っていうか、なんで二日続けて学食にいる? そんなに打ち合わせが必要? っていうか、なぜか千円ランチを奢って貰ってるし。
「樋口優希ですっていうか、なんで俺、ランチ奢られてるの? 怖いけど」
しかも蓮池いなくて俺だけってなに? ってすごく動揺してたら五條が笑ってるし。事前の説明くらいして欲しかった。どっちも。個別に。
「樋口さ、土曜の試合のサポート頼めない?」
蓮池とハルを見れば何となく察していたけど、マジでこのお願いなの? しかも千円ランチで釣る?
「蓮池は? っていうか、メンバーいっぱいいるだろ? なんで俺?」
「ごめん、俺が頼んだんだ」
はあ? ってハルを見る。なんで? どういう話で俺を指名する事になるの?
「俺がさ、樋口が中学ん時、プロのユースでやってた話したから、わるい」
あーそれか。そんなの若い頃のちょっと夢見てた頃の話でさ、自分で思うよりも成長できなかったと言うか、要は自分の中で挫折して辞めた話なんだけど。
「興味本位で呼ばれるのはちょっと」
「ごめん、俺が一緒にやりたいってワガママ言ったんだ。興味本位でって言われたらその通りで、カイトは悪くないから」
ハルが慌てて言い訳してる。それを受けて五條が焦ってるし。俺、すっげえ嫌なヤツみたい。ちなみに五條海斗って名前。
「いや、俺が勝手に良いよって言ったんだし」
「もう、俺が嫌なヤツみたいだろ? いいよ、行けば良いんだろ? でも俺、高校からは全然やってないし、別に上手くもないからな」
「それは知ってるから、期待してねえよ」
って五條に言われた。すごく嫌で五條を睨んだら、ハルが笑った。
「仲がいいんだね」
とか、別にそんなんでもない。普通だ。普通の友達。
「別に」
って言って、ランチを食べるので誤魔化した。本当にこのふたりに囲まれるとか、どうして良いのかわからない。ふたりの方が仲が良いだろ? とか、そう思うのは嫉妬? どっちに?
「土曜6時にいつものグラウンドな」
五條が嬉しそう。なんで? 別に俺がいるいないで何が変わる? っていうかさ、ふたりでなんか音楽の話? バンドの話? よく分からないけど、盛り上がってる。俺の知らない話が続いて行く。たまにこれ知ってる? とか、五條が聞いて来るけど、知らない。説明をしてくれるけど興味がない。俺って必要? あっと言う間にランチ食べ終わってしまった。今度は映画の話になってる。っていうか、ふたりで映画行ったの? 聞いてないし。その頃はハルの事知らなかったけど。何だろう? 疎外感? 邪魔な気がする。
「俺、先に行くわ、ごちそうさま」
席を立つ。おうって五條が手を挙げる。ハルは少し表情を曇らせて、もう行くのって感じの視線を向けて来たけど、無視した。
「N大のフットサル仲間で、ハルな」
よろしくって言って、ハルを見る。昨日の夜電話したよな? 何も言ってなかったのに。サプライズ? それともあの通話の後に五條と電話した? それとも会った? 普通に笑ってるし、何の違和感もない。紹介している五條も普通。っていうか、なんで二日続けて学食にいる? そんなに打ち合わせが必要? っていうか、なぜか千円ランチを奢って貰ってるし。
「樋口優希ですっていうか、なんで俺、ランチ奢られてるの? 怖いけど」
しかも蓮池いなくて俺だけってなに? ってすごく動揺してたら五條が笑ってるし。事前の説明くらいして欲しかった。どっちも。個別に。
「樋口さ、土曜の試合のサポート頼めない?」
蓮池とハルを見れば何となく察していたけど、マジでこのお願いなの? しかも千円ランチで釣る?
「蓮池は? っていうか、メンバーいっぱいいるだろ? なんで俺?」
「ごめん、俺が頼んだんだ」
はあ? ってハルを見る。なんで? どういう話で俺を指名する事になるの?
「俺がさ、樋口が中学ん時、プロのユースでやってた話したから、わるい」
あーそれか。そんなの若い頃のちょっと夢見てた頃の話でさ、自分で思うよりも成長できなかったと言うか、要は自分の中で挫折して辞めた話なんだけど。
「興味本位で呼ばれるのはちょっと」
「ごめん、俺が一緒にやりたいってワガママ言ったんだ。興味本位でって言われたらその通りで、カイトは悪くないから」
ハルが慌てて言い訳してる。それを受けて五條が焦ってるし。俺、すっげえ嫌なヤツみたい。ちなみに五條海斗って名前。
「いや、俺が勝手に良いよって言ったんだし」
「もう、俺が嫌なヤツみたいだろ? いいよ、行けば良いんだろ? でも俺、高校からは全然やってないし、別に上手くもないからな」
「それは知ってるから、期待してねえよ」
って五條に言われた。すごく嫌で五條を睨んだら、ハルが笑った。
「仲がいいんだね」
とか、別にそんなんでもない。普通だ。普通の友達。
「別に」
って言って、ランチを食べるので誤魔化した。本当にこのふたりに囲まれるとか、どうして良いのかわからない。ふたりの方が仲が良いだろ? とか、そう思うのは嫉妬? どっちに?
「土曜6時にいつものグラウンドな」
五條が嬉しそう。なんで? 別に俺がいるいないで何が変わる? っていうかさ、ふたりでなんか音楽の話? バンドの話? よく分からないけど、盛り上がってる。俺の知らない話が続いて行く。たまにこれ知ってる? とか、五條が聞いて来るけど、知らない。説明をしてくれるけど興味がない。俺って必要? あっと言う間にランチ食べ終わってしまった。今度は映画の話になってる。っていうか、ふたりで映画行ったの? 聞いてないし。その頃はハルの事知らなかったけど。何だろう? 疎外感? 邪魔な気がする。
「俺、先に行くわ、ごちそうさま」
席を立つ。おうって五條が手を挙げる。ハルは少し表情を曇らせて、もう行くのって感じの視線を向けて来たけど、無視した。
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