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「本気でストーカーだろ、それ。恥ずかしいし、気持ち悪いよ」

「同じエリアで漁ってて、相手被るのは仕方ねえだろ?」

「ヤダよ、何だよ、みんな、俺とおまえ、比べてたってこと? 信じられない」

「だいたい、おまえの方が評価良いんだから、俺のがヘコむって」

 ベッドに座り、天を仰ぐ。白い綺麗な天井に、はめ込み式の明かり。
 一ノ瀬も隣に来て、座った。

「嘘だ、おまえの方がイケメンだし、うまいだろ……っていうか、そこ関係ない」

「それは真夜の評価? うれしい」

 なんか急に嬉しそうに笑まれて、イラっとしてベッドに引き倒した。
 上から見下ろす。イケメンが期待してる。こいつ、乱暴なの好きだよな。でもやってやらない。

「シンは優しいってみんな言う。好きなとこ、覚えていてくれて、言わなくても可愛がってくれるって」

「うるさい! 聞きたくない」

 枕取って、一ノ瀬を叩く。
 やめろって受け止められて、攻撃やめて、横にならんで寝転んだ。

「……シンって呼び名、知ってたんだ」

「知ってたけど、おまえ、俺のこと知らねえから」

「だって、まさか一ノ瀬がゲイだって思わないだろ? 周りに女の子いっぱいいたし」

 うつ伏せて、顔を枕にうずめる。
 恥ずかしすぎる。こんな話。

「何回か店で見かけたのに、おまえ、全然気づかねえから。しかも別のヤツお持ち帰りしてるし、すげえ気になって、いつか手に入れてやろうって」

「そんで俺の相手、抱いてたって? ありえないから、それ」

 ありえないと思いながら、そんなにダメージになっていない。一ノ瀬じゃなければ許せてないと思う。

 ハナを抱いたのは一回だけだし、同じ相手、二回抱くのは珍しいから。もしハナを二回目誘っていたら、一ノ瀬の話も聞けたのかもしれないけど、その時知ったら、きっと気持ち悪いヤツだと思って遠ざけたかも。

「あーおまえホントずるい」

「欲しいものは本気で取りに行くから、俺」

 腕引かれて、向かい合わせて、キスする。もう向かい合わせたら自然に重ねる勢いだ。

「絆されてる、俺」

 俺がそう言うと、一ノ瀬は嬉しそうに笑った。

「ホント、どうするの? 俺、就職決まるまで相手見つけたくなかったのに。二つのこと、同時にすんの、ホント苦手なんだよっ」

「良いって、真夜はふつうにいてくれたら。俺が行くから、な?」

 簡単に言ってくれる。
 そんな単純な話か?

「そんで、就職先、遠くなったらどーすんの? 別れるよ? 遠恋なんて無理だからな」

「真夜、可愛い」

 抱きつかれて、耳元に吸いつかれて、バタバタ暴れる。

「そーいうの、いらない。おまえ、実家出られないだろ? 俺が合わせる感じかよ」

「うん、だね」

 嬉しそうだ。ムカつく。

「弟たちは良いのか? おまえ、ゲイバレ気にしない?」

「もう知ってる。次男、学校かぶるから、いろいろ見られて、親バレもしてる。親、海外にいるから、見慣れてるっていうか、まあ、見逃してくれてる感じだから」

 抱きつかれたついでに、体の上に乗せられた。膝を一ノ瀬の横について、跨った状態で見下ろす。

 一ノ瀬の手が頬に触れる。
 触れた手に、噛み付く。
 一ノ瀬見下ろして、指を舐める。

「すげえヤラシイ」

 一ノ瀬の言葉に恥ずかしくなって、でも止まれなくて、指を口に含んで、唾液絡めて、窄めた唇で上下させる。

 尻に当たっている一ノ瀬の性器がググッと勃ち上がるのがわかる。
 あてられて、俺も興奮してる。

「どっちが良い?」

 聞かれて、ゾクッとして、緊張なのか、気後れなのか、期待なのか、わからなくなる。
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