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25 同居
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動けるようになったからソファに移動した。玲の話を聞いていかに自分が周りを見ていなかったのかと思い知った。
身近に玲を抱いた人がいる。っていうか玲って抱かれた事があるんだ。しかも隼也の口ぶりでは1人ではなさそうで。玲が経験者だと思うと玲が大人に見える。あんな怖い事……でも興味はある。でも不安が渦巻いて来てストップをかけてしまう。
「何考えてる?」
「玲みたいな美形に誘われたら、断れないだろうなって」
「俺は何とも思わないけど? それよりも碧が服を上げてくれただけで襲いかかる自信がある」
ニヤッて笑われて思わず服の裾を下へ引き下ろした。変態だ。変態がいる。
「やっぱ可愛いな、碧」
隣に座って髪に触れられた。
「俺って逃げ場所間違えたんじゃない?」
「今頃気づいてもおせえよ……でも、逃げられたくねえから、碧が許すまで待ってる。したくなったら、服上げて乳首見せて」
あーなんか腹立つ。最初の方の言葉でクラッてしたのに、変態発言で台無しになった。テーブルに置いてくれたコーヒーを飲む。隣でクスクス笑ってるのも腹が立つ。余裕があってムカつく。
相変わらず薄めのコーヒーで好みだ。部屋に満ちたコーヒーの香りも好き。
「アパートに戻りたくないって言うならさ、ここに引っ越さない? 部屋一個空けるから、どう?」
それは有難いんだけど、でも暮らせば嫌われそうで怖くもある。
「俺がずっと部屋にいたら、そのうち鬱陶しくなるよ。でも落ち着くまで居させて貰えたら助かります」
「良いよ、じゃあお試し同棲生活って事で」
「同居だから」
そう言うのに隼也は嬉しそうだ。
「もしかして大学で無愛想にしてるの、玲がいるから?」
ふたりの時の隼也は良く笑うし楽しそうだしたくさん話してくれる。でも大学ではヘッドホンしてるし、話しかけても面倒臭そうだ。そういう時って必ず玲がいる。
「勘違いさせてここに乗り込まれても厄介だからね」
隼也はそう言って苦笑した。
「玲はどうやって抱かれたんだろう」
想像がつい口から漏れた。はっとして隼也を見たら、一瞬で不機嫌になっている。
「まさか玲を抱きたいとか言わねえよな?」
「違うよ、そんなわけない」
びっくりした。むしろ抱かれ方を伝授して欲しいって意味で、今まで身近に抱かれたいって人がいなかったから、話を聞いてみたいと思っただけだ。
「碧って抱かれたいと思ってる?」
「そんなはっきり聞かれても……」
狼狽えてしまった。隼也を前に抱かれたいなんて言ったらその先が怖い。
「さっき勃ってたろ、抜きたいと思わねえの?」
半身引き寄せられて抱きしめられる。隼也の手が腹から滑り落ちて、際どい位置まで行く。
「あっ、やっ……」
「碧、俺のこと好きだろ」
耳元で言われる。距離が近すぎて一気に体温が上がる。
「触っても、いい?」
身近に玲を抱いた人がいる。っていうか玲って抱かれた事があるんだ。しかも隼也の口ぶりでは1人ではなさそうで。玲が経験者だと思うと玲が大人に見える。あんな怖い事……でも興味はある。でも不安が渦巻いて来てストップをかけてしまう。
「何考えてる?」
「玲みたいな美形に誘われたら、断れないだろうなって」
「俺は何とも思わないけど? それよりも碧が服を上げてくれただけで襲いかかる自信がある」
ニヤッて笑われて思わず服の裾を下へ引き下ろした。変態だ。変態がいる。
「やっぱ可愛いな、碧」
隣に座って髪に触れられた。
「俺って逃げ場所間違えたんじゃない?」
「今頃気づいてもおせえよ……でも、逃げられたくねえから、碧が許すまで待ってる。したくなったら、服上げて乳首見せて」
あーなんか腹立つ。最初の方の言葉でクラッてしたのに、変態発言で台無しになった。テーブルに置いてくれたコーヒーを飲む。隣でクスクス笑ってるのも腹が立つ。余裕があってムカつく。
相変わらず薄めのコーヒーで好みだ。部屋に満ちたコーヒーの香りも好き。
「アパートに戻りたくないって言うならさ、ここに引っ越さない? 部屋一個空けるから、どう?」
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「良いよ、じゃあお試し同棲生活って事で」
「同居だから」
そう言うのに隼也は嬉しそうだ。
「もしかして大学で無愛想にしてるの、玲がいるから?」
ふたりの時の隼也は良く笑うし楽しそうだしたくさん話してくれる。でも大学ではヘッドホンしてるし、話しかけても面倒臭そうだ。そういう時って必ず玲がいる。
「勘違いさせてここに乗り込まれても厄介だからね」
隼也はそう言って苦笑した。
「玲はどうやって抱かれたんだろう」
想像がつい口から漏れた。はっとして隼也を見たら、一瞬で不機嫌になっている。
「まさか玲を抱きたいとか言わねえよな?」
「違うよ、そんなわけない」
びっくりした。むしろ抱かれ方を伝授して欲しいって意味で、今まで身近に抱かれたいって人がいなかったから、話を聞いてみたいと思っただけだ。
「碧って抱かれたいと思ってる?」
「そんなはっきり聞かれても……」
狼狽えてしまった。隼也を前に抱かれたいなんて言ったらその先が怖い。
「さっき勃ってたろ、抜きたいと思わねえの?」
半身引き寄せられて抱きしめられる。隼也の手が腹から滑り落ちて、際どい位置まで行く。
「あっ、やっ……」
「碧、俺のこと好きだろ」
耳元で言われる。距離が近すぎて一気に体温が上がる。
「触っても、いい?」
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