アラサー喪女騎士ですが、護衛対象の年下王子に押し倒されました

１８．

　結局、レインハルト殿下の婚約者の地位にまるっとおさまってしまった私は、今でも彼の専属騎士である。

　後任が見つかるまで、という条件付きであるが、レインハルト殿下が後任を真面目に探そうとしていないことなど、お見通しだ。

　だって彼は、四六時中、私と一緒にいたいのだから。

　そんな関係も、今は悪くない。悪くないんだけど、夜になるとすぐに押し倒してくるのはやめて欲しい。



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「いや、さ。俺って完全に当て馬だよな」

　デラクス辺境伯の前には、同じような年代の男が二人。

「私もお前にお義父さんと呼ばれたくないからな」

　そう言ったのはアンリエッタの父親である。

「アンリエッタの相手として、お前よりもレインハルトのほうが、釣り合いがとれているだろう？」

　グラスを掲げて煽っているのはレインハルトの父親でもある国王だ。

「ちっ。俺としてはわりと本気だったのにな。お前のことをお義父さんって呼ぶのを」
「やめろ、気持ち悪い。お前のその気持ちは、永遠にお前の中に眠らせておけ」

　その日の夜は、遅くまで男たちは酒を酌み交わしていた、とか。